日本新聞: 往診での「抗体カクテル療法」大阪府試行的に実施全国初

往診おうしんでの「抗体こうたいカクテル療法りょうほう」大阪おおさか府ふ試行しこう的てきに実施じっし全国ぜんこく初はつ

Sep 17, 2021 22:09 1

Furigana

大阪おおさか府ふの吉村よしむら知事ちじは、新型しんがたコロナウイルス対策たいさくで政府せいふが検討けんとうしている、往診おうしんでの「抗体こうたいカクテル療法りょうほう」について、17日にちから試行しこう的てきに実施じっしすることを明あきらかにしました。往診おうしんでの実施じっしは全国ぜんこくで初はじめてだということです。

政府せいふは、入院にゅういんや外来がいらい診療しんりょうなどで認みとめられている「抗体こうたいカクテル療法りょうほう」を、往診おうしんでも使用しようできるようにすることを検討けんとうしています。

これを受うけて、大阪おおさか府ふの吉村よしむら知事ちじは記者きしゃ団だんに対にたいし、往診おうしんでの実施じっしを17日にちから府内ふないで試行しこう的てきに始はじめることを明あきらかにしました。

17日にちは、自宅じたく療養りょうよう中ちゅうで重症じゅうしょう化かリスクのある40歳さい未満みまんの軽症けいしょう患者かんじゃ1人にんが対象たいしょうで、医師いしと看護かんご師しが訪おとずれて「抗体こうたいカクテル療法りょうほう」を行おこない、2時間じかん程度ていど、経過けいかを観察かんさつするということです。

大阪おおさか府ふによりますと、往診おうしんでの「抗体こうたいカクテル療法りょうほう」の実施じっしは、全国ぜんこくで初はじめてだということで、今後こんごも医師いしが必要ひつようだと判断はんだんした感染かんせん者しゃを対象たいしょうに、試行しこう実施じっしを続つづけていくということです。

吉村よしむら知事ちじは「こうした取り組とりくみで、自宅じたく療養りょうようをしている人ひとを、できるだけ早期そうきに治療ちりょうし、重症じゅうしょう化かする人ひとをひとりでも減へらすことを、第だい6波はに備そなえた大おおきな目標もくひょうとしたい」と述のべました。

「カクテル療法りょうほう」の往診おうしん現場げんばでは

往診おうしんでの「抗体こうたいカクテル療法りょうほう」を試行しこう的てきに実施じっししたのは、大阪おおさか・生野いくの区くにある診療しんりょう所しょの医師いしを中心ちゅうしんとしたチームです。

このチームの医師いしたちは、これまで自宅じたく療養りょうよう中ちゅうのコロナ患者かんじゃの往診おうしんを行おこなってきました。

17日にちは、午後ごご5時半じはんごろに医師いし2人にんと看護かんご師しの合あわせて3人にんが、抗体こうたいカクテル療法りょうほうの点滴てんてき薬やくなどを車くるまに載のせて診療しんりょう所しょを出発しゅっぱつし、大阪おおさか府内ふないの患者かんじゃの自宅じたくに向むかいました。

府ふによりますと、往診おうしんを受うけたのは重症じゅうしょう化かリスクのある40歳さい未満みまんの軽症けいしょう患者かんじゃです。

医師いしたちは、自宅じたくの中なかで防護ぼうご服ふくに着替きがえ、問診もんしんをしたり、血圧けつあつをはかったりしたあと、点滴てんてきで治療ちりょう薬やくを投与とうよしました。

点滴てんてきが終おわると、患者かんじゃに副作用ふくさようが出でた場合ばあいに備そなえて自宅じたく近ちかくに止とめた車くるまで1時間じかんほど待機たいきしていました。

チームによりますと、患者かんじゃに体調たいちょうの大おおきな変化へんかはなかったということです。

チームを率ひきいる葛西かさい医院いいんの小林こばやし正ただし宜むべ院長いんちょうは「患者かんじゃも不安ふあんが少すこし取り除とりのぞかれた様子ようすだったので実施じっししてよかった。今いまは始はじめたばかりなので慎重しんちょうに、体制たいせいも厚あつくして時間じかんもかけている。この治療ちりょう薬やくは重症じゅうしょう化かを防ふせぐ効果こうか的てきな方法ほうほうなので、今後こんごも可能かのうなかぎり広ひろがっていってほしい」と話はなしていました。