19日、女の子の両親がNHKの取材に応じ、両親によりますと、複数の同級生の話で、授業で使うために学校から1人1台配られたタブレット端末のチャット機能を使い、女の子に対し「うざい」とか「きもい」などの悪口の書き込みがあったということです。
両親は、学校や市の教育委員会に対し、書き込みの内容について、アクセスの履歴などを調査してほしいと要望していますが、当時の校長から「履歴が残っていない」と言われるなど、これまでに納得のいく説明は得られていないとしています。
また、亡くなるおよそ2か月前の9月に学校が行った、生活の悩みに関するアンケートに、女の子が友人関係の悩みを記述したことから、当事者どうしで話し合う場が設けられたということを、女の子が亡くなったあとに学校側から聞いたということです。
両親によりますと、その話し合いの10日後に女の子が遺書を書き始めていることから、両親は、学校がもっと早く適切な対応をしてくれていたら、娘の死を防げたのではないかと悔やんでいました。
両親は「娘が亡くなってから9か月以上がたちますが、学校や教育委員会などから、誠意ある丁寧な対応をしてもらっているという認識は全くありません。同じような事態が起きる可能性があるなかで、娘の死の検証がしっかりされているのか知りたい」と話していました。
また、学校で配付されたタブレット端末に悪口が書き込まれたことについて「GIGAスクール構想で端末を推奨するのであれば、それなりの内容を構築したうえで進めなければ危険じゃないかと思う。端末を子どもに渡すということは、家までついてくるいじめにつながることなので、今回の件を知って、大丈夫なのかというところをしっかりと考えてもらいたい」と訴えていました。
将来の夢について、ひんぱんに語り、子育て中の母親が安らげるカフェや食堂を作りたいと、店内の設計図やメニューまで披露し、両親を驚かせたといいます。 活発で負けず嫌いな一面をのぞかせる場面もあり、女の子が人工の壁面を登る「ボルダリング」を体験した際には、何度も失敗を重ねながら、決して諦めずに挑戦し続ける姿が印象的だったと話していました。 女の子の母親は「上の2人が男の子の兄弟で、強い希望で、やっとの思いでできた子どもでした。将来のことなど、いろいろと考えることが好きだったので、いつも夢の話をキラキラした目で語っていました。母と娘、女どうしでしかできない会話もいっぱいしてきました。学校であったできごとは楽しいことしかしゃべらず、1人で苦しんでいるとは、最後まで分からなかったです。責任感が強かったので、親に話せず、自分の中で解決しないといけないと苦しんでいたのだと思います。気付いてあげられず、本当にかわいそうなことをしてしまいました」と声を詰まらせながら話していました。
今回の文部科学省による聞き取りで、この学校では当初、すべての児童が「123456789」と数字を並べた同じパスワードを使って、タブレット端末を利用していたことがわかっています。 同級生になりすましてログインして悪口を書き込んだり、ほかの子どもたちが悪口を閲覧したりすることが可能な状態で、文部科学省は学校によるパスワードの管理が不適切だったと指摘したほか、法律にのっとって適切に対応するよう町田市の教育委員会などを指導しました。
国から指導を受けたことについて、市教育委員会は「国や都の教育委員会と連携を取りながら遺族からの要望について丁寧な説明にあたりたい」とコメントしています。
石阪市長は、「小学生がみずから死を選んだことについて、悲しく大きな問題だと考えている。一方でいじめと自死の因果関係についてはまだ明らかになっていないが、遺族の心情への配慮を第一に調査を進めていきたい」と述べました。
将来の夢は“子育て中の母親が安らげるカフェ”
“学校によるパスワード管理が不適切”
