日本新闻: ポーランドロシア軍無人機の残骸見つかる NATOの対応が焦点

ポーランドは、10日とおか朝あさにかけてロシア軍ぐんの無人むじん機き19機じゅうきゅうきに領空りょうくうが侵犯しんぱんされたとして被害ひがいを調査ちょうさし、無人むじん機きの残骸ざんがいが見みつかったと明あきらかにしました。ポーランドの要請ようせいを受うけてNATO＝北大ほくだい西洋せいよう条約じょうやく機構きこうの加盟かめい国こくは協議きょうぎを続つづける方針ほうしんで、今後こんごの関係かんけい国こくの対応たいおうが焦点しょうてんになります。

ポーランドのトゥスク首相しゅしょうは10日とおか、緊急きんきゅうの閣議かくぎを開ひらき、「NATO加盟かめい国こくの上空じょうくうでロシアの無人むじん機きが撃墜げきついされたのは初はじめてだ」としたうえで、ロシア軍ぐんの19機じゅうきゅうきの無人むじん機きによって領空りょうくうが侵犯しんぱんされたと議会ぎかいで報告ほうこくしました。

地元じもとメディアによりますと、ポーランドの内務省ないむしょうが被害ひがい状況じょうきょうを調査ちょうさした結果けっか、これまでに8機はちきの無人むじん機きの残骸ざんがいやミサイルの一部いちぶが見みつかったということです。

無人むじん機きの多おおくはウクライナと国境こっきょうを接せっする東部とうぶで見みつかったとする一方いっぽう、少すくなくとも2機にきは国境こっきょうからポーランド国内こくないを300キロさんびゃくきろ以上いじょう飛行ひこうしたとする軍ぐんの幹部かんぶの話はなしを伝つたえています。

NATOのルッテ事務じむ総長そうちょうは10日とおか、ポーランドからの要請ようせいを受うけてNATOの意思いし決定けってい機関きかんにあたる北大ほくだい西洋せいよう理事りじ会かいを開ひらいたと明あきらかにした上うえで、引ひき続つづき対応たいおうを協議きょうぎしていく考かんがえを強調きょうちょうしました。

これに対にたいしロシア国防省こくぼうしょうはSNSで「ポーランド領内りょうないの施設しせつを攻撃こうげきする計画けいかくはなかった」と主張しゅちょうしています。

ウクライナのゼレンスキー大統領だいとうりょうはSNSで、トゥスク首相しゅしょうやルッテ事務じむ総長そうちょうなどと電話でんわで協議きょうぎしたと明あきらかにし、「ヨーロッパの上空じょうくうに効果こうか的てきな防空ぼうくう網もうを構築こうちくする必要ひつようがある」と訴うったえていて、今後こんごの関係かんけい国こくの対応たいおうが焦点しょうてんになります。

ポーランド首相しゅしょう「状況じょうきょうは深刻しんこく」

ポーランドのトゥスク首相しゅしょうはロシア軍ぐんの無人むじん機きに領空りょうくうが侵犯しんぱんされたとして10日とおか、緊急きんきゅうの閣議かくぎを開ひらきました。

このなかでトゥスク首相しゅしょうは「NATO加盟かめい国こくの上空じょうくうでロシアの無人むじん機きが撃墜げきついされたのは初はじめてだ」としたうえで、「けが人にんは確認かくにんされておらず、撃墜げきついされた無人むじん機きの残骸ざんがいの捜索そうさくを続つづけている。

状況じょうきょうは深刻しんこくで、さまざまなシナリオに備そなえなければならない」と述のべ対応たいおうを強化きょうかする考かんがえを示しめしました。

さらにトゥスク首相しゅしょうは議会ぎかいで報告ほうこくし、10日とおか朝あさにかけて領空りょうくう侵犯しんぱんは19件じゅうきゅうけんあり、多おおくはベラルーシからだったとした上うえで無人むじん機き3機さんきを撃墜げきついしたとしています。

そして「安全あんぜん保障ほしょう上じょうの脅威きょういである無人むじん機きの撃墜げきついという事実じじつは政治せいじ状況じょうきょうを変化へんかさせる」と述のべ、北大ほくだい西洋せいよう条約じょうやくの第だい4条よんじょうに基もとづき、領土りょうどの保全ほぜんや安全あんぜんが脅おびやかされているとして、加盟かめい国こくに対応たいおうを協議きょうぎするよう要請ようせいしたと明あきらかにしました。

NATOルッテ事務じむ総長そうちょう「まったく無謀むぼうな行為こういだ」

NATOのルッテ事務じむ総長そうちょうは10日とおか、記者きしゃ団だんに対にたいし、ポーランドからの要請ようせいを受うけてNATOの意思いし決定けってい機関きかんにあたる北大ほくだい西洋せいよう理事りじ会かいを開ひらいたと明あきらかにした上うえで「加盟かめい国こくはポーランドとの連帯れんたいを表明ひょうめいした。

現在げんざい、調査ちょうさを進すすめている。意図いと的てきであろうとなかろうと、まったく無謀むぼうな行為こういだ」と述のべました。

さらにプーチン大統領だいとうりょうへのメッセージとして、「ウクライナにおける戦争せんそうをやめ、戦争せんそうを激化げきかさせるのをやめるべきだ」などと述のべ、ロシアを非難ひなんするとともにNATOとして引ひき続つづき対応たいおうを協議きょうぎしていく考かんがえを強調きょうちょうしました。

ポーランドのメディア “無人むじん機きの残骸ざんがいが住宅じゅうたくに落下らっか”伝つたえる

ポーランドのメディアは10日とおか、撃墜げきついされたロシア軍ぐんの無人むじん機きの残骸ざんがいが東部とうぶの住宅じゅうたくに落下らっかしたと伝つたえました。

現場げんばはウクライナとの国境こっきょうからおよそ15キロじゅうごきろで、住宅じゅうたくの屋根やねと敷地しきち内ないに駐車ちゅうしゃしていた車くるまが被害ひがいを受うけましたが、けが人にんは確認かくにんされていないとしています。

現地げんちからの映像えいぞうでは屋根やねが大おおきく壊こわれ、一部いちぶが住宅じゅうたくの近ちかくに散乱さんらんしているほか、軍ぐんの部隊ぶたいが無人むじん機きの残骸ざんがいを捜索そうさくしている様子ようすが確認かくにんできます。

このほか、ロシア軍ぐんの無人むじん機き1機いっきが燃料ねんりょう切ぎれで、ウクライナとの国境こっきょうから250キロにひゃくごじゅっきろ以上いじょう離はなれたポーランド中部ちゅうぶの町まちに墜落ついらくしたと伝つたえています。

ロシア国防こくぼう省しょう「ポーランド領内りょうない攻撃こうげき計画けいかくなかった」と主張しゅちょう

ポーランドが、ロシア軍ぐんがウクライナに対にたいし無人むじん機きなどで攻撃こうげきを行おこなった際さい、領空りょうくうが侵犯しんぱんされたと非難ひなんしたことに関連かんれんし、ロシア国防省こくぼうしょうは10日とおか、SNSで「ポーランド領内りょうないの施設しせつを攻撃こうげきする計画けいかくはなかった」と主張しゅちょうしました。

また「攻撃こうげきに使用しようした無人むじん機きはポーランド国境こっきょうを越こえたとされているが、飛行ひこう距離きょりは最長さいちょうで700キロななひゃくきろを超こえないものだ」とした上うえで「この件けんに関にかんし、ポーランド国防省こくぼうしょうと協議きょうぎを行おこなう用意よういがある」としています。

発表はっぴょうでは、ロシア軍ぐんは無人むじん機きなどを使つかってウクライナ西部せいぶのリビウなどにある軍事ぐんじ産業さんぎょうの関連かんれん施設しせつに対にたいして大だい規模きぼな攻撃こうげきを行おこなったとしています。

ベラルーシも無人むじん機き撃墜げきつい電子でんし戦せんの影響えいきょうか

ポーランドが、ロシア軍ぐんがウクライナに対にたいし無人むじん機きなどで攻撃こうげきを行おこなった際さい、領空りょうくうが侵犯しんぱんされたと非難ひなんしたことに関連かんれんし、ロシアの同盟どうめい国こくベラルーシの軍ぐんの参謀さんぼう総長そうちょうが10日とおか、声明せいめいを出だしました。

この中なかでは「ロシアとウクライナが互たがいに無人むじん機きで夜間やかん攻撃こうげきを行おこなっている際さいに、ベラルーシ軍ぐんは、双方そうほうの電子でんし戦せんの影響えいきょうで制御せいぎょ不能ふのうとなった無人むじん機きを追跡ついせきし、一部いちぶをベラルーシで撃墜げきついした」としています。

ただ、撃墜げきついした無人むじん機きがロシアのものかウクライナのものかは明あきらかにしていません。

また、9日ここのか夜よるから10日とおか未明みめいの間ま、ベラルーシは隣国りんごくのポーランドとリトアニアに対にたいし識別しきべつできない飛行ひこう物体ぶったいが両国りょうこくに接近せっきんしていると通知つうちし、ポーランドは迅速じんそくに対応たいおうできたと主張しゅちょうしています。

声明せいめいは、ポーランド側がわからもベラルーシ側がわに情報じょうほう提供ていきょうがあり連携れんけいして対応たいおうしたと強調きょうちょうしています。

アメリカのNATO大使たいし「領土りょうど守まもり抜ぬく」

NATO本部ほんぶに駐在ちゅうざいするアメリカのウィテカーNATO大使たいしは10日とおか、SNSに、「私わたしたちは領空りょうくう侵犯しんぱんに直面ちょくめんするNATOの同盟どうめい国こくとともにあり、NATOの領土りょうどを1インチいちいんちたりとも譲ゆずることなく守まもり抜ぬく」と投稿とうこうしました。

国連こくれんグテーレス事務じむ総長そうちょう「リスクを改あらためて浮うき彫ぼりに」

国連こくれんのグテーレス事務じむ総長そうちょうは、ポーランドがロシア軍ぐんの無人むじん機きに領空りょうくうを侵犯しんぱんされたと明あきらかにしたことについて、10日とおか、「今回こんかいの事件じけんは、壊滅かいめつ的てきな紛争ふんそうが地域ちいきに与あたえる影響えいきょうと、拡大かくだいする現実げんじつ的てきなリスクを改あらためて浮うき彫ぼりにした」として、強つよい懸念けねんを示しめす声明せいめいを報道ほうどう官かんを通とおじて発表はっぴょうしました。