日本新聞: 「香淳皇后実録」完成天皇皇后両陛下と上皇ご夫妻に奉呈

宮内庁くないちょうが17年じゅうしちねんかけて編へんさんさんを進すすめてきた、昭和しょうわ天皇てんのうの后きさきの香こう淳じゅん皇后こうごうの活動かつどう記録きろく「香こう淳じゅん皇后こうごう実録じつろく」が完成かんせいし、天皇てんのう皇后こうごう両りょう陛下へいかと上皇じょうこうご夫妻ふさいに奉呈ほうていされました。内容ないようは、来月らいげつ9日ここのかに公開こうかいされる予定よていです。

香こう淳じゅん皇后こうごうは明治めいじ36年さんじゅうろくねんに皇族こうぞくだった久邇くに宮家みやけに生うまれ、20歳はたちのときに当時とうじ皇太子こうたいしだった昭和しょうわ天皇てんのうと結婚けっこんし、平成へいせい12年じゅうにねんに97歳きゅうじゅうななさいで亡なくなりました。
香こう淳じゅん皇后こうごう実録じつろくは、皇后こうごうとしての日々ひびの活動かつどうや生涯しょうがいを後世こうせいに伝つたえるため、客観きゃっかん的てきな資料しりょうをもとに日誌にっしのような形かたちで年代ねんだい順じゅんに記しるした記録きろく集しゅうで、宮内庁くないちょうは平成へいせい20年にじゅうねん4月しがつから資料しりょうの収集しゅうしゅうを始はじめ、17年じゅうしちねんかけて完成かんせいさせました。

分量ぶんりょうは目次もくじや凡例はんれいを合あわせて13冊じゅうさんさつ、合あわせて3800さんぜんはっぴゃくページ余あまりで、宮内庁くないちょうの西村にしむら長官ちょうかんから18日じゅうはちにち夜よる、天皇てんのう皇后こうごう両りょう陛下へいかに、19日じゅうくにち午前ごぜん、上皇じょうこうご夫妻ふさいに、それぞれ和わとじされたものが奉呈ほうていされました。

「香こう淳じゅん皇后こうごう実録じつろく」は、宮内庁くないちょうの公文こうぶん書しょや側近そっきんの日誌にっしなどおよそ1500件せんごひゃっけんの資料しりょうや、宮内庁くないちょうの元もと職員しょくいんら30人さんじゅうにんへの聞きき取とりをもとに編へんさんさんされ、人件じんけん費ひを除のぞきおよそ5600万ごせんろっぴゃくまん円えんの費用ひようがかかったということです。

内容ないようは来月らいげつ9日ここのかに公開こうかいされ、歴代れきだいの天皇てんのうや皇后こうごうの実録じつろくでは初はじめて、宮内庁くないちょうのホームページに掲載けいさいされる予定よていです。
日誌にっしのような形かたちで年代ねんだい順じゅんに記しるした記録きろく集しゅう
「天皇てんのう実録じつろく」や「皇后こうごう実録じつろく」は、歴代れきだいの天皇てんのうや皇后こうごうの日々ひびの活動かつどうや生涯しょうがいなどを後世こうせいに伝つたえるため、客観きゃっかん的てきな資料しりょうをもとに、日誌にっしのような形かたちで年代ねんだい順じゅんに記しるした記録きろく集しゅうです。

「天皇てんのう実録じつろく」は、「天てん皇紀こうき」と呼よばれることもあり、明治めいじになってから、孝明こうめい天皇てんのう以降いこうの天皇てんのうの記録きろく集しゅうが作つくられています。

このうち「昭和しょうわ天皇てんのう実録じつろく」は、宮内庁くないちょうが24年にじゅうよねん余あまりの歳月さいげつをかけて、平成へいせい26年にじゅうろくねんに完成かんせいさせました。

「皇后こうごう実録じつろく」としては、
▽昭和しょうわ40年よんじゅうねんに、明治めいじ天皇てんのうの后きさきの昭憲しょうけん皇太后こうたいごうの
▽昭和しょうわ34年さんじゅうよねんには、大正たいしょう天皇てんのうの后きさきの貞明ていめい皇后こうごうの実録じつろくがそれぞれ完成かんせいしました。

一方いっぽう、昭和しょうわ11年じゅういちねんには、明治めいじより前まえの天皇てんのうや皇后こうごうなどについてまとめた実録じつろくも作つくられています。
香こう淳じゅん皇后こうごうとは
香こう淳じゅん皇后こうごうは明治めいじ36年さんじゅうろくねん、皇族こうぞくだった久邇くに宮家みやけに生うまれ、良子りょうこと名付なづけられました。

大正たいしょう7年しちねん、学習がくしゅう院いん女おんな学部がくぶに在学ざいがくしていた14歳じゅうよんさいの時ときに、当時とうじ、皇太子こうたいしだった昭和しょうわ天皇てんのうとの結婚けっこんが内定ないていし、大正たいしょう13年じゅうさんねん、20歳はたちの時ときに結婚けっこんしました。

2年にねん後ごに大正たいしょう天皇てんのうが亡なくなり、昭和しょうわ天皇てんのうの即位そくいに伴ともなって皇后こうごうになりました。

上皇じょうこうさまや常陸ひたち宮みやさまなど7人しちにんのお子こさまをもうけました。

戦前せんぜん、戦中せんちゅうの激動げきどうの時ときを過すごし、戦後せんごは象徴しょうちょうの立場たちばとなった昭和しょうわ天皇てんのうとともに、国民こくみん体育たいいく大会たいかいや植樹しょくじゅ祭さいで各地かくちを訪たずねたほか、日本にっぽん赤十字せきじゅうじ社しゃの名誉めいよ総裁そうさいに皇后こうごうとして初はじめて就任しゅうにんし、医療いりょうや福祉ふくしにも力ちからを注そそぎました。

国際こくさい親善しんぜんの面めんでも、昭和しょうわ46年よんじゅうろくねんにヨーロッパを、昭和しょうわ50年ごじゅうねんにアメリカを訪問ほうもんし、香こう淳じゅん皇后こうごうがほほえむ姿すがたは「エンプレス・スマイル」、「皇后こうごうのほほえみ」と呼よばれて行いく先々さきざきで話題わだいとなりました。

また、日本にっぽん画がや書道しょどう、歌道かどうなどの多彩たさいな趣味しゅみを持もち、画集がしゅうや歌集かしゅうが出版しゅっぱんされたり、作品さくひん展てんが開ひらかれたりもしました。

高齢こうれいとなってからは、腰こしを痛いためるなどしたため外出がいしゅつが少すくなくなり、昭和しょうわ64年ろくじゅうよねん1月いちがつに昭和しょうわ天皇てんのうが亡なくなったあとは、皇太后こうたいごうとして皇居こうきょのお住すまいで穏おだやかな日々ひびを過すごしました。

平成へいせい12年じゅうにねん、老衰ろうすいのため、97年きゅうじゅうしちねんの生涯しょうがいを終おえました。

確たしかな記録きろくの残のこる歴代れきだいの皇后こうごうでは最もっとも長寿ちょうじゅで、皇后こうごうだった年月としつきも62年ろくじゅうにねん余あまりと最もっとも長ながくなりました。

「香こう淳じゅん皇后こうごう」は追号ついごうと呼よばれるおくり名めいで、美うつくしいとか優雅ゆうがという意味いみをもつ「香こう」の字じに、情なさけ深ぶかいという意味いみの「淳あつし」という字じを組くみ合あわせたものです。

生前せいぜんの人柄ひとがらや芸術げいじゅつへの関心かんしんの高たかさが考慮こうりょされて決きめられました。
宮内庁くないちょう長官ちょうかん「理解りかい深ふかまること期待きたい」
「香こう淳じゅん皇后こうごう実録じつろく」の奉呈ほうていにあたって、宮内庁くないちょうの西村にしむら泰彦やすひこ長官ちょうかんは「本ほん実録じつろくを通とおして、激動げきどうの時代じだいを昭和しょうわ天皇てんのうの御ご生涯しょうがいについて理解りかいが深ふかまることを期待きたいしている」との所感しょかんを出だしました。

「香淳こうじゅん皇后こうごう実録じつろく」完成かんせい天皇てんのう皇后こうごう両りょう陛下へいかと上皇じょうこうご夫妻ふさいに奉呈ほうてい

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