北海道の
稚内機船漁協に
所属する
底引き網漁船、「
第百七十二榮寳丸」は5
月28
日、
稚内市の
沖合で
操業中にロシアの
国境警備局に
拿捕され、サハリンの
港に
連行されたのち、10
日、およそ2
週間ぶりに
解放されました。
そして、11日午前6時ごろ、稚内港に戻りました。乗組員14人の健康状態に問題はないということで、漁船が港に入ると、全員、元気そうな表情を浮かべていました。
乗組員は、船の上で検疫などを受けたあと、下船するということです。
ロシア側の発表によりますと、漁船は、ロシアの排他的経済水域で漁業規則に違反したなどとして日本円にしておよそ900万円の罰金を科され、すでに全額を納付したということです。
今回の拿捕について、稚内機船漁協は「不当な連行だ」として、ロシア側を批判するコメントを出しています。
漁協組合長「不当な連行 今後このようなことないように」
「
第百七十二榮寳丸」が
稚内港に
戻ったあと、
漁船が
所属する、
稚内機船漁協の
風無成一組合長は
記者団に対し「
乗組員は
全員、
元気そうで
安心した。
ご苦労さまと
言いたい」と
述べました。
そのうえで「漁船は日本の排他的経済水域で操業していたにもかかわらず拿捕された。不当な連行で、今後、このようなことがないよう求めたい」と述べ、ロシア側の対応を批判しました。
さらに、漁船がロシア側に罰金を払ったことについて「あくまでも乗組員の早期解放が最優先だった」と述べ、ロシア側が指摘する違法操業を否定しました。
稚内で出迎えた男性「帰ってきて本当に安心した」
「
第百七十二榮寳丸」の
乗組員に
知り合いがいるという
地元の
男性は11
日、
稚内港に
到着する
漁船を
出迎えました。
男性は「帰ってきて本当に安心しました。違法なことはしておらず、ロシア側の対応は間違いだと思っています。このおよそ2週間は本当に長く、知人には『お疲れさまでした』と声をかけたいです」と話していました。