日本新聞: “クワイエットアワー” 少しずつ広がる取り組み

“クワイエットアワー” 少すこしずつ広ひろがる取り組とりくみ

Jan 2, 2023 06:01

Furigana

「クワイエットアワー」ということば、ご存ごぞんじでしょうか。

音おとや光ひかりに敏感びんかんな感覚かんかく過敏かびんという症状しょうじょうがある人ひとが過すごしやすいよう店舗てんぽや施設しせつの音おとや照明しょうめいを調整ちょうせいする時間じかんのことです。

いま、ドラッグストアやレジャー施設しせつなどで、苦手にがてな状況じょうきょうがある人ひとも利用りようしやすい時間じかんを作つくろうという取り組とりくみが少すこしずつ広ひろがっています。

毎週まいしゅう1時間じかんドラッグストアで

このうちドラッグストア、「ツルハドラッグ」の一部いちぶの店舗てんぽでは、毎週まいしゅう土曜日どようび、開店かいてんする9時じから1時間じかん、BGMを止とめたり、照明しょうめいを暗くらくしたりしています。

2019年ねんに札幌さっぽろ市しの店舗てんぽからスタートし、いまでは宮城みやぎ県けんや新潟にいがた県けんなどあわせて23の店舗てんぽで行おこなわれています。

取り組とりくみを知しった人ひとから本社ほんしゃに電話でんわが来くることもあり、去年きょねんの暮くれにも「音おとや光ひかりが苦手にがてな娘むすめが仙台せんだい市しで1人にん暮くらしをしている。実施じっししている店舗てんぽの場所ばしょを知しりたい」などという電話でんわがあったということです。

休園きゅうえん日びを活用かつようした“静しずかな動物どうぶつ園えん”

また愛知あいち県けん豊橋とよはし市しの豊橋とよはし総合そうごう動植物どうしょくぶつ公園こうえんでは、2020年ねんから毎週まいしゅう月曜日げつようびの休園きゅうえん日びを活用かつようして、障害しょうがいなどで人混ひとごみが苦手にがてな人ひとたちに園えんを利用りようしてもらう取り組とりくみをしています。

きっかけは利用りよう者しゃから「自閉症じへいしょうの家族かぞくが人混ひとごみが苦手にがてで楽たのしむことが難むずかしい。何なにかいい方法ほうほうはないか」と相談そうだんを受うけたことでした。

休園きゅうえん日びなら静しずかな環境かんきょうで動物どうぶつを見みることができると考かんがえ、利用りよう者しゃを登録とうろく制せいにして、申請しんせいがあれば園えんを開ひらくことに。令りょう和わ3年度ねんどには53人にんが登録とうろくし、のべ102人にんが利用りようしました。

園えんには「楽たのしく家族かぞくで過すごすことができました」といった声こえが寄よせられているということです。

“音おとのない水族館すいぞくかん”

北海道ほっかいどう小樽おたる市しのおたる水族館すいぞくかんも去年きょねん2回かい、館内かんないにBGMなどを流ながさない「音おとのない水族館すいぞくかん」というイベントを実施じっししました。

イルカのショーではマイクを使つかわず、演技えんぎの説明せつめいを大おおきなボードにまとめて掲かかげ、来場らいじょうした人ひとがわかるよう工夫くふうしたということです。

今月こんげつも11日にちに「音おとのない水族館すいぞくかん」を開催かいさいする予定よていです。

また商店しょうてん街がいでも、各店かくてんに協力きょうりょくを呼よびかけて週しゅうに1回かいほどクワイエットアワーを実施じっししているところもあります。苦手にがてな状況じょうきょうがある人ひとの不安ふあんを取り除とりのぞき、利用りようしやすい時間じかんを作つくろうという取り組とりくみが少すこしずつ広ひろがっています。