自民党の
河井案里参議院議員の
公設秘書が
運動員に
規定を
超える報酬を
支払った
罪に
問われた
裁判で、
広島地方裁判所は
執行猶予のついた
懲役1
年6
か月の
判決を
言い渡しました。
懲役を
含む禁錮以上の
刑が
確定した
場合、
検察は
連座制の
適用を
求める行政訴訟を
起こす方針で、16
日の
判決で
河井議員の
当選が
無効に
なる可能性が
出てきました。
自民党の
河井案里議員の
公設第二秘書、
立道浩被告は(54)、
去年7
月の
参議院選挙で、
車上運動員、いわゆるウグイス
嬢14
人に
法律の
規定を
超える報酬を
支払ったとして、
夫の
河井克行前法務大臣の
元政策秘書とともに、
公職選挙法違反の
運動員買収の
罪に
問われました。
裁判で、秘書の弁護士は「従属的な立場にすぎない」として、罰金刑が妥当だと主張していました。
16日の判決で、広島地方裁判所の冨田敦史裁判長は「被告は、違法な報酬の支払いを前提とする遊説活動を取りしきり、主体的、積極的に遊説活動に関与していた。会計担当に報酬の支払いを指示するなど重要な役割を果たし、弁護側が主張するような罰金刑が妥当な軽い事案とはいえない」と指摘して、懲役1年6か月、執行猶予5年を言い渡しました。
懲役を含む禁錮以上の刑が確定した場合、検察は連座制の適用を求める行政訴訟を起こす方針で、16日の判決で河井議員の当選が無効になる可能性が出てきました。
広島地検「適正・妥当な判決」
判決について、広島地方検察庁の横井朗次席検事は「事実認定、量刑とも検察官の主張が認められた適正・妥当な判決だと理解している」とするコメントを出しました。
秘書の弁護士「控訴は検討中」
判決のあと、立道秘書の弁護士は報道陣に対し「控訴は検討中だ」と述べ、裁判所をあとにしました。
河井克行前法相 衆院本会議を欠席
河井克行前法務大臣は、16日午後開かれた衆議院本会議を体調不良を理由に欠席しました。
これについて、自民党の森山国会対策委員長は記者団に対し「きょうの衆議院本会議は欠席したいと連絡をもらったが、あすの本会議には出席することになっている。どこかでしっかりとした説明をすると理解している」と述べました。
河井夫妻への捜査は
河井案里議員が初当選した去年7月の参議院選挙をめぐっては、公設秘書が運動員に違法な報酬を支払った罪に問われた事件のほかにも、夫の河井克行前法務大臣と案里議員が地元の地方議員らに多額の現金を配り、票の取りまとめを依頼していた疑いがあるとして、検察当局は夫妻の刑事責任追及に向けて捜査を進めています。
関係者によりますと、検察当局はことし1月以降、運動員の報酬をめぐる事件で河井夫妻の自宅や議員会館の事務所などを捜索し、現金を広範囲に配布したことを示すリストを押収したということです。
そして、リストに記載された地方議員や後援会幹部などから事情を聴くなどして捜査を進めた結果、河井前大臣が去年3月以降、広島県議会議員や後援会幹部など100人近くに、合わせて2000万円を超える現金を配り、案里議員自身も一部の現金を配っていた疑いがあることが分かったということです。
検察当局は17日、国会が閉会されたあと、公職選挙法違反の買収の疑いで河井夫妻の刑事責任を追及するものとみられます。
関係者によりますと、河井前大臣はこれまでの任意の事情聴取に対し、買収行為を否定しているということです。
また案里議員も今月9日、国会内で記者団から「買収行為はあったのか」と質問されたのに対し、「全くない」と述べ、否定しています。