中国では9
月から
幅広い地域で
電力の
供給制限が
広がり、
地元メディアは
広東省や
江蘇省、
浙江省、
遼寧省など、20
余りの
省などに
影響が
出ていると
伝えています。
一部の地域では住宅地で停電が起きたほか、製造業が集積する広東省などでは企業の工場の操業停止も相次ぎました。
電力不足の背景は地域によっても異なりますが、火力発電所で使われる石炭などの価格が国際的に高騰しているため、電力会社が発電所の稼働率を落としていることや、二酸化炭素の排出量削減のため環境規制が強化されていることなどがあるとされています。
中国政府は、2060年までに二酸化炭素の排出量の実質ゼロを目指すとしていて、習近平国家主席は、ことし4月「中国は石炭火力発電を厳しく制限していく。2025年までに石炭の消費の伸びを抑え込み、2030年までに徐々に減らしていく」と述べています。
こうした中、政府はことし8月中旬、エネルギー消費量の削減目標についてことし上半期の達成状況を各省に通知していて、この達成状況が悪かった省などが環境規制を強めているとみられています。
一方、電力不足の広がりを受けて政府は、9月29日「電力需給の厳しい状態に対応するため調整を強化する」と発表し、石炭の生産や輸入を増やすとともに、地方政府に対してエネルギー消費計画を合理的なものにするよう指導する方針を示しました。
中国商務省は9月30日の会見で「企業が直面する可能性のある困難や問題を調整し、解決するために迅速に支援する」としています。
電力不足も影響する形で中国の景気は減速傾向を強めていて、9月の製造業の景況感を示す指数は景気判断のよしあしを判断する節目となる「50」を1年7か月ぶりに下回りました。
不動産大手の恒大グループの経営問題をきっかけに不動産市場を取り巻く状況も不透明さを増していて、中国経済への悪影響を抑えるために当局がこれらの問題にどう対処するのか、世界の市場関係者らの目が注がれています。
専門家 “早い段階で電力供給の確保優先に変わる見通し”
中国経済に
詳しい大和総研の
齋藤尚登主席研究員は、
中国各地の
電力不足について「
石炭価格の
高騰の
影響に
加え、
環境対策が
強化され
目標達成のために
石炭火力発電を
抑制する
地方が
続出している。いま
習近平国家主席の
一強体制のもと
中央政府が
求める政策が
効きすぎるという
問題が
起きており、
今回もそういう
側面が
ある」と
指摘しています。
そして「停電が起きれば工場を止めなければならず中国経済全体に対しても当然マイナスの影響があるとみている。ただ、いくら環境対策でも市民の生活や経済に打撃を与えてしまっては元も子もないので、早い段階で電力供給の確保を優先するように政策が変わると思う」として早期に影響を抑える対策がとられるとの見通しを示しました。
一方、不動産大手恒大グループの経営問題を含めた中国経済の状況について、齋藤氏は「景気の減速要因が増えているのが現状だ。緩やかな景気減速であれば来年も5%台の成長になるとみられるが、最悪の想定で来年の成長率が4%台あるいは3%台になった場合、明らかに失速と言える状況で、中国経済にとっては非常に大きな打撃だ。日本と中国の経済は非常に密接で、中国の経済成長率が大きく下がれば日本経済への影響は大きいと見ておくべきだ」と述べました。
そのうえで今後の焦点について「いちばん大きいのは不動産市場の安定化だ。今後、第2、第3の『恒大』が出現する可能性は高い。会社が経営破綻しても事業を別の会社が引き継ぎ、それによって物件が完成して引き渡されれば悪影響が小さく収まるためここが大きなポイントだ。中国政府としても事業継続に対するサポートはしっかりやるのではないか」という見方を示しました。
中国の日本企業にも影響
中国で
発生している
電力不足によって
広東省の
広州に
製造拠点を
置く日本企業の
工場にも
影響が
出ています。
このうち、自動車のブレーキを現地の工場で製造している曙ブレーキは、地元政府からの要請で、9月22日から27日にかけて工場の操業時間を変更しました。
ふだんは午前8時から午後11時まで操業していますが、午後11時から午前8時までと夜間の操業に変更したということです。
今のところ生産への大きな影響はなく、ほぼ計画どおりに製造できているとしています。
また、自動車用のランプを製造しているスタンレー電気も、広州と天津にある工場で操業時間を変更するなどの対応を取ったということです。
このほか、金属加工機械やプラスチック製品を製造する日本企業にも電力の供給制限により工場の操業に影響が出ているということです。
中国では1日から建国記念日にあたる国慶節の大型連休に入っていますが、日本企業の関係者は「連休後に再び電力の供給を制限されるおそれもあるので、今後も不安だ」と話しています。
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