神戸市の公園では、感染者が急増している新型コロナウイルスの対策などのため、分散して参加ができるように、去年に続いて例年より半日早く追悼のつどいを始めました。訪れた人たちは灯籠に火をともし、黙とうをささげました。
神戸市中央区の公園「東遊園地」では、27年前に起きた震災以降、毎年1月17日に灯籠をともし、犠牲者を追悼するつどいを開いています。
ことしは公園の改修工事で出入り口が限られている中、感染者が再び急増していることを受け混雑を避けるために、去年に続いて半日早く、16日の夕方からつどいを始めました。
会場では、ボランティアの高校生や祈りに訪れた人たちが「忘れない」のひと文字目の「忘」という漢字の形に並べられた紙の灯籠に、ろうそくを使って火をともし、地震が発生した時刻の半日前にあたる午後5時46分に合わせて黙とうをささげました。
ろうそくの火は、震災で亡くなった人の追悼や復興を願って公園でともされ続けている「希望の灯り」から分灯されたもので、「1.17」の形に並べられた竹の灯籠は、17日の午前5時からともされるということです。
つどいに子どもと訪れた兵庫県西宮市の40代の女性は「震災当時は神戸の大学に通っていました。黙とうの間、町のひどい状態を思い出し、亡くなった方への思いが込み上げました。子どもたちはこの震災を経験していない世代なので、どうやって語り継ぐべきか考えます。東遊園地には亡くなった方を追悼するモニュメントもあるので、子どもたちも命の重みを感じたと思います」と話していました。
神戸市の小学5年生の女の子は「震災はたくさんの人の命が急に奪われた出来事で、これからも忘れてはいけないと思います」と話していました。
つどいの実行委員長の藤本真一さんは「小さくても、ともし続けることに意味があると思います。神戸だけでなく、さまざまな災害に遭った方のためのともし火でもあり、思いを共有できればいいです」と話していました。