東京 池袋で
高齢ドライバーの
車が
暴走し、
母親と
幼い子どもが
死亡した
事故から6
年となる19
日、
遺族が
事故現場を
訪れ、
亡くなった2
人を
悼むとともに、
交通事故防止への
思いを
訴えました。
在东京池袋,因高龄司机的汽车失控导致母亲和幼儿死亡的事故已过去6年,19日,遗属前往事故现场,悼念逝去的两人,并呼吁防止交通事故。
2019年4月19日、東京 池袋で当時87歳のドライバーが運転する車が暴走して、歩行者などを次々にはね、自転車に乗っていた松永真菜さん(31)と長女の莉子ちゃん(3)が死亡したほか、9人が重軽傷を負いました。
2019年4月19日,在东京池袋,一辆由当时87岁的司机驾驶的汽车失控,接连撞上行人等,骑自行车的松永真菜女士(31岁)和她的长女莉子(3岁)死亡,另外9人受重轻伤。
19日、真菜さんの夫の松永拓也さん(38)と、父親の上原義教さん(67)が現場近くの公園に設けられた慰霊碑を訪れ、事故が発生した時刻に合わせ黙とうをささげました。
19日,真菜的丈夫松永拓也(38岁)和父亲上原义教(67岁)访问了事故现场附近公园设立的纪念碑,并在事故发生的时间默哀。
事故のあと、全国各地で交通安全を訴える活動を続ける松永さんは、去年5月、上原さんとともに事故を起こした飯塚幸三元受刑者と面会し、悲惨な事故を繰り返さないため、ことばを交わしました。
事故发生后,松永先生在全国各地继续进行呼吁交通安全的活动,去年5月,他与上原先生一起会见了引发事故的前受刑者饭塚幸三,并进行了交流,以防止悲惨事故的重演。
その5か月後の去年10月、93歳だった元受刑者は、収容先の刑務所で老衰のため死亡しました。
去年10月,也就是5个月后,93岁的前囚犯因年老体衰在关押的监狱中去世。
松永さんは「手を合わせたとき浮かんだのは、真菜と莉子の笑顔や『お父さん』と呼んでくれる2人の声でした。
松永先生说:“当我双手合十时,浮现在我脑海的是真菜和莉子的笑脸,还有她们叫我‘爸爸’的声音。”
命日というのは
とても悲しさを
感じます。
だからこそ、
こんな思いは
誰もしてほしくないです。
加害者とも
去年対話して、
彼なりに
苦悩や
後悔があったのだと
思います。
加害者にも
被害者にもならない
社会にしなくてはいけないとより
強く
感じています」と
話しました。
我们必须更加坚定地认为,我们应该建立一个既没有加害者也没有受害者的社会。」
また、上原さんは「真菜も莉子も会って抱きしめたいんだけど、それはかないません。
另外,上原先生说:“虽然我也想见到真菜和莉子并拥抱她们,但这无法实现。”
ときどき
人前で
お話する
機会がありますが、
私は
こんな苦しい思いをしましたよ、
皆さんも
交通事故に
気をつけてくださいと
語りかけています。
有时我有机会在公众面前讲话,我告诉大家,我曾经有过这样的痛苦经历,希望大家注意交通事故。
二度とこういう
悲惨な
事故が
起きてはいけません」と
話していました。
慰霊碑を訪れた人たちは
慰霊碑では、訪れた人たちが花を手向けたり、手を合わせたりして2人を追悼していました。
毎年この時期に献花に来ているという30代の女性は、「忘れられない事故だったので毎年来ています。
每年这个时候都会来献花的一位30多岁的女性表示:“这是一个无法忘记的事故,所以每年都会来。”
私は
真菜さんと
同い年なのですが、すごく
優しい人だったのだろうなと
思いますし、
莉子ちゃんも
生きていたら
もう小学生になっていたと
思います。
我和真菜小姐同龄,我想她一定是个非常温柔的人。如果莉子还活着的话,她现在也该是小学生了。
2
人を
忘れないことで
供養になったらいいなと
思います」と
話していました。
小学6年生の息子とともに訪れた40代の男性は「近所に住んでいて、最初に事故を知ったときは子どもが保育園のときだったので、自分の子どもではないかと、すごく心配になったのを覚えています。
和小学六年级的儿子一起来的四十多岁的男性说:“住在附近,最初知道事故时,因为孩子还在幼儿园,所以记得非常担心是不是自己的孩子。”
自分の
親も70
歳を
超え、
免許返納について
話し合っているところです」と
話していました。
我的父母也都超过了70岁,正在讨论关于交还驾照的问题。
また、ふだんから車を運転するという茨城県内に住む60代の女性は、「いまのところアクセルとブレーキの踏み間違いなどは一度もないですが、左右や後方の確認など、特に高速道路では瞬時の判断が厳しく感じることがあるので注意しています。
此外,一位居住在茨城县、平时经常开车的60多岁女性表示:“目前为止,我从未出现过油门和刹车踩错的问题,但在确认左右和后方时,尤其是在高速公路上,有时会觉得瞬间判断很困难,所以我会特别注意。”
たとえ60
代でも、
必要ないと
思ったら
免許返納を
考えたい」と
話していました。
即使在60多岁的时候,如果觉得没有必要,也会考虑交还驾照。
【動画】池袋暴走事故から6年 遺族の思い
4月19日「おはよう日本」で放送した内容です。
【视频】池袋失控事故6周年 遗属的心声 4月19日《早安日本》播出的内容
※動画は7分38秒 データ放送ではご覧になれません。
遺族「国や自治体 もしくは国民全体で考えるべき時期」
事故から6年になるのを前に今月、松永拓也さんに心境を伺いました。
遗属:“是时候由国家、地方政府或全国人民共同思考了。”在事故即将满6年之际,我们采访了松永拓也先生的心情。
松永さんは先月、3人で暮らしていた部屋を改装し、遺品は整理してクローゼットの中に大切にしまいました。
上个月,松永先生把三人住的房间改装了,并把遗物整理好珍藏在壁橱里。
松永さんは「当時のままの景色だと精神的な波が悪い時はどうしてもつらくなってしまうので、遺品も目につくところには置かないようにしています。
松永先生说:“因为当时的景色在精神状态不佳的时候会让人感到痛苦,所以我也尽量不把遗物放在显眼的地方。”
だから自分が
思い出したい
タイミングや、
振り返った
時に
愛しい思い出だと
思えるタイミングで
見られるよう、
遺品はクローゼットの
中にしまっています」と
話しました。
“所以我把遗物放在壁橱里,这样我可以在想要回忆的时候,或者在回顾时觉得是珍贵回忆的时候看到它们。”他说。
去年、刑務所を訪れて面会した飯塚元受刑者がそのおよそ5か月後に死亡したことについて、松永さんは「家族に看取られることなく刑務所で亡くなったことは、すごく悲しいことだと感じました。
去年,我去监狱探望的原服刑人员饭冢在大约五个月后去世,关于此事,松永先生表示:“他没能在家人陪伴下,而是在监狱中去世,我感到非常悲伤。”
妻と
娘の
命が
奪われているのだから、もちろん
加害者を
許しているわけではなく、
裁判のときは『
刑務所に
入ってほしい』と
自分で
言っていたので、
何か
矛盾しているようにも
感じますが、
悲しいことだと
思ったんです。
当然不会原谅加害者,因为妻子和女儿的生命被夺走了,在法庭上我自己也说过“希望他入狱”,虽然感觉有些矛盾,但我觉得这是一件悲伤的事情。
高齢ドライバーが
もし事故を
起こして
刑務所に
入ると、
現実として
起こり
得ることだと
思い、すごく
複雑な
気持ちでした」と
話しました。
“我认为,如果高龄司机发生事故并入狱,这是可能发生的现实,我感到非常复杂的心情。”
そのうえで「真菜も莉子も、もちろんかわいそうだなと思っているのですが、飯塚さんも飯塚さんでつらかっただろうなと思います。
在这之上,“虽然我觉得真菜和莉子当然很可怜,但我也认为饭塚先生也一定很难过。”
去年、
彼と
対話して、
彼は
彼なりに
苦しみがあったでしょうし、
家族に
看取られることもなく
刑務所で
亡くならなければなりませんでした。
去年,我与他对话,他可能有他自己的苦难,他不得不在没有家人陪伴的情况下在监狱里去世。
事故が
起きたから、
双方、
不幸になっているんですよ。
交通事故は
誰も
幸せにならない。
だから池袋暴走事故を
知った、
また思い出したという
時に、
加害者にも
被害者にもなりたくない、
誰も
幸せにならないと、
改めて思うきっかけになってほしいです」と
切実な
思いを
訴えました。
所以当我知道或再次想起池袋暴走事故时,我希望这能成为不想成为加害者或受害者的契机,因为这不能让任何人幸福。
また、6年前の事故は高齢ドライバー問題が大きく注目されるきっかけとなりました。
此外,6年前的事故成为了引发对高龄驾驶员问题高度关注的契机。
松永さんは「非常に難しい問題ですが、若年者と高齢者の対立構造になってはよくないのかなと思っています。
松永先生说:“这是一个非常困难的问题,但我认为不应该形成年轻人和老年人之间的对立结构。”
免許返納はあくまで1つの
手段でしかありません。
交通インフラの
問題とか、
車の
技術は
どうあるべきなのかとか、
当事者だけが
考えるのではなく、
国や
自治体もしくは
国民全体で
考えるべき
時期なのだと
思います」と
話していました。
“关于交通基础设施的问题,或者汽车技术应该如何发展,不仅仅是当事人需要思考的问题,而是应该由国家、地方政府或全体国民来考虑的时期。”
高齢のドライバー 専門家「自身の運転レベル 正確に認識を」
池袋暴走事故をきっかけに大きな注目を集めた高齢ドライバー問題。
高龄驾驶员 专家建议“准确认识自己的驾驶水平” 池袋暴走事故引发的高龄驾驶员问题备受关注
近年は、高齢者による事故が増加傾向にあります。
警察庁のまとめによりますと、75歳以上の高齢者による交通死亡事故は4年連続で増加していて、去年は410件でした。
根据警察厅的汇总,75岁以上老年人造成的交通死亡事故已连续4年增加,去年为410起。
これは、免許保有者の人数当たりで比較すると、75歳未満よりも2倍多くなっています。
事故の原因は、ブレーキとアクセルの踏み間違いや、ハンドル操作の誤りなど、運転操作のミスが最も多く、全体のおよそ3割を占めます。
事故的原因中,刹车与油门的踩错、方向盘操作的错误等驾驶操作失误最为常见,占整体的约三成。
また、池袋暴走事故をきっかけに、1つの対策として、運転免許の自主返納が広く呼びかけられました。
作为一项对策,以池袋暴走事故为契机,广泛呼吁自主交还驾驶执照。
池袋暴走事故が起きた2019年は、60万1022件で過去最多となりましたが、ここ数年は減少傾向にあります。
2019年发生的池袋暴走事故达到601,022件,为历史最多,但近年来呈下降趋势。
去年は前の年に比べて4万件あまり増えましたが、42万7914件と、事故の前とほぼ同じ水準となっています。
去年比前年增加了4万多件,达到42万7914件,与事故前几乎相同的水准。
高齢者にとっては、買い物や通院など、車を簡単に手放せない事情があったり、車に代わる公共交通機関が無かったりして、免許返納だけでは解決できない難しさがあります。
对于老年人来说,由于购物、就医等原因,往往难以轻易放弃汽车,而且没有替代汽车的公共交通工具,仅仅通过交还驾照是无法解决的困难。
高齢ドライバー問題に詳しい九州大学大学院システム情報科学研究院の志堂寺和則教授は「高齢ドライバーは自身の運転レベルを正確に認識し、夜間や雨天時の運転を避けたり、安全性能の高い車に乗り換えたりするなど、自分で対策を取ることが重要だ。
熟悉老年驾驶员问题的九州大学大学院系统信息科学研究院的志堂寺和则教授表示:“老年驾驶员应准确认识自己的驾驶水平,避免在夜间或雨天驾驶,或换乘安全性能高的车辆等,采取自我对策是很重要的。”
家族や
自治体、
企業などがいろんな
面でアプローチしていかないと
解決できない
問題で、
若い世代も
いずれ高齢者になることから、
それぞれが
自分事として
考えることも
大事だと
思う」と
話しています。
家庭、地方政府、企业等需要从多个方面进行解决的问题,因为年轻一代也会逐渐变老,所以每个人都需要将其视为自己的事情来思考,这一点也很重要。