Japanese News: イラン外相「爆撃を受けるなか米との交渉行うことはできない」

イスラエルがイランへの先制せんせい攻撃こうげきを行おこない軍事ぐんじ衝突しょうとつが続つづくなか、イランの外相がいしょうは「国民こくみんが爆撃ばくげきを受うけるなかアメリカとの交渉こうしょうを行おこなうことはできない」と述のべ、イスラエルが先さきに攻撃こうげきを停止ていしすべきだと訴うったえました。

ただアメリカのトランプ大統領だいとうりょうは否定ひてい的てきな考かんがえを示しめしていて依然いぜん、緊迫きんぱくした状況じょうきょうが続つづいています。

イスラエル軍ぐんは21日にち、イラン中部ちゅうぶでミサイルと無人むじん機きの発射はっしゃ設備せつびを空爆くうばくしたほか、南部なんぶでも軍事ぐんじインフラを空爆くうばくしたと発表はっぴょうしました。

またイランメディアは中部ちゅうぶイスファハンにある核かく関連かんれん施設しせつが攻撃こうげきの標的ひょうてきになったものの、放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつの外部がいぶへの漏ろうえいはなかったと伝つたえています。

一方いっぽう、イランによる弾道だんどうミサイルや無人むじん機きによる報復ほうふく攻撃こうげきも続つづいていて、イスラエル北部ほくぶでは住宅じゅうたくが無人むじん機きによる攻撃こうげきを受うけたと地元じもとメディアが報ほうじています。

攻撃こうげきの応酬おうしゅうが続つづくなか、イランのアラグチ外相がいしょうは21日にち、トルコで行おこなわれたイスラム圏けんの国くにや地域ちいきでつくるOIC＝イスラム協力きょうりょく機構きこうの会合かいごうに出席しゅっせきしました。

会合かいごうに先立さきだちアラグチ外相がいしょうはメディアの取材しゅざいに対にたいし「国民こくみんが爆撃ばくげきを受うけるなかアメリカとの交渉こうしょうを行おこなうことはできない」などと述のべ、交渉こうしょうを行おこなうにはまずイスラエルが攻撃こうげきをやめるべきだと改あらためて訴うったえました。

ただアメリカのトランプ大統領だいとうりょうは「勝かっている方ほうにそのような要求ようきゅうをするのはとても難むずかしいと思おもう」と述のべ否定ひてい的てきな考かんがえを示しめしていて、事態じたいが打開だかいに向むかう道筋みちすじは依然いぜんとして見みえておらず、緊迫きんぱくした状況じょうきょうが続つづいています。

米べい軍ぐんB2ステルス戦略せんりゃく爆撃ばくげき機きが基地きちを離陸りりく米べいメディア報道ほうどう

アメリカの複数ふくすうのメディアは21日にち、アメリカ軍ぐんの複数ふくすうのB2ステルス戦略せんりゃく爆撃ばくげき機きが中西部ちゅうせいぶミズーリ州しゅうの空軍くうぐん基地きちを離陸りりくし、西にし方向ほうこうに向むかっていると軍ぐん関係かんけい者しゃの話はなしとして伝つたえました。

B2ステルス戦略せんりゃく爆撃ばくげき機きは、トランプ大統領だいとうりょうがイランの核かく関連かんれん施設しせつを破壊はかいするために使用しようを検討けんとうしていると伝つたえられている特殊とくしゅな爆弾ばくだん「バンカーバスター」を搭載とうさいすることができます。

アメリカのメディアは、爆撃ばくげき機きはグアムに向むかっているものの最終さいしゅう的てきに中東ちゅうとうに派遣はけんされるかは現時点げんじてんではわからないとしていて、アメリカ軍ぐんがイランに対にたいし軍事ぐんじ力りょくを誇示こじするねらいがあるとの見方みかたや、戦略せんりゃく上じょうの選択肢せんたくしを増ふやすために配置はいちされることもあるという分析ぶんせきなどもあわせて伝つたえています。

イランの日本人にっぽんじんとその家族かぞく21人にんが国外こくがい退避たいひ

外務省がいむしょうによりますと、中東ちゅうとう情勢じょうせいの緊迫きんぱく化かを受うけて政府せいふがイランからの国外こくがい退避たいひを支援しえんした日本人にっぽんじん16人にんとその家族かぞく5人にんのあわせて21人にんが、日本にっぽん時間じかんの22日にち午前ごぜん6時じすぎに、隣国りんごくのアゼルバイジャンの首都しゅとバクーに到着とうちゃくしたということです。

一行いっこうは、日本にっぽん時間じかんの21日にち正午しょうご前まえ、イランの首都しゅとテヘランをバスで出発しゅっぱつしていました。

政府せいふは、イスラエルとイランにいる日本人にっぽんじんやその家族かぞくについて、希望きぼう者しゃは、陸路りくろでの国外こくがい退避たいひを支援しえんしていて両国りょうこくからは、今回こんかいの21人にんを含ふくめ、これまでに100人にんあまりが退避たいひしたということです。

外務省がいむしょうによりますと、現時点げんじてんで、イスラエルには、およそ1000人にん、イランには、およそ200人にんの日本人にっぽんじんが滞在たいざいしているということです。

トランプ大統領だいとうりょう「国家こっか情報じょうほう長官ちょうかんが間違まちがい」と発言はつげん

イランの核かく開発かいはつをめぐってアメリカのギャバード国家こっか情報じょうほう長官ちょうかんはことし3月つき、議会ぎかいの公聴こうちょう会かいで「イランの濃縮のうしゅくウランの保有ほゆう量りょうは過去かこ最高さいこうの水準すいじゅんに達たっしている」と指摘してきする一方いっぽう、「情報じょうほう機関きかんはイランが核兵器かくへいきを製造せいぞうしていないと引き続ひきつづき考かんがえている。

最高さいこう指導しどう者しゃのハメネイ師しは2003年ねんに停止ていしした核兵器かくへいき計画けいかくの再開さいかいを承認しょうにんしていない」と証言しょうげんしています。

この分析ぶんせきについてトランプ大統領だいとうりょうは20日にち、ニュージャージー州しゅうで記者きしゃ団だんから問とわれ、「情報じょうほう機関きかんや彼女かのじょが間違まちがっている」などと述のべ、ギャバード長官ちょうかんとは異ことなる見方みかたを示しめしました。

そして、「イランは数すう週間しゅうかんか、少すくなくとも数すうか月かげつで核兵器かくへいきを保有ほゆうすることができただろう。

それは許ゆるしてはならない」と述のべました。

トランプ大統領だいとうりょうと情報じょうほう機関きかんを統轄とうかつする国家こっか情報じょうほう長官ちょうかんとの間まで、認識にんしきのずれが表面ひょうめん化かした形かたちですが、その直後ちょくご、ギャバード長官ちょうかんはSNSに「イランが核兵器かくへいきを数すう週間しゅうかんから数すうか月かげつで製造せいぞうできる段階だんかいにあるという情報じょうほうがある」と投稿とうこうし、トランプ大統領だいとうりょうと同様どうようの認識にんしきを示しめしました。

イスラエル世論せろん調査ちょうさイランへの攻撃こうげき「支持しじする」70％

イスラエルのシンクタンク「イスラエル民主みんしゅ主義しゅぎ研究所けんきゅうじょ」は19日にち、イスラエルがイランへの攻撃こうげきを決きめたことに関にかんする世論せろん調査ちょうさの結果けっかを発表はっぴょうしました。

それによりますと攻撃こうげきの決定けっていを「支持しじする」が最もっとも多おおく70％、「反対はんたいする」が13。

4％、「支持しじするが、タイミングが悪わるい」が10。1％などとなっています。

また、イスラエル国民こくみんの7割わり以上いじょうを占しめるユダヤ系けいは82％が「支持しじする」でした。

イスラエルが核かく開発かいはつを行おこなうイランを自国じこくの存在そんざいへの脅威きょういと位置いちづけるなか、現状げんじょうではイランへの軍事ぐんじ作戦さくせんの支持しじが高たかくなっています。

また、別べつの世論せろん調査ちょうさも18日にち発表はっぴょうされ、地元じもとメディアはネタニヤフ首相しゅしょうが率ひきいる右派うは政党せいとう「リクード」の支持しじが回復かいふくしていると伝つたえています。

【解説かいせつ Q＆A】

Q。

イスラエルの先制せんせい攻撃こうげきで軍事ぐんじ衝突しょうとつが始はじまって1週間しゅうかんが過すぎましたが、現時点げんじてんでの戦況せんきょうはどうなっていますか。

A。

双方そうほうの被害ひがい状況じょうきょうですが、イランでは核かく施設しせつなどが狙ねらわれ、430人にんが死亡しぼうしたと伝つたえられています。

一方いっぽう、イスラエルでは、450発はつ以上いじょうの弾道だんどうミサイルなどによる攻撃こうげきがあり、24人にんが死亡しぼうしたとされています。

戦況せんきょうはこれまでのところ、イスラエルがイラン側がわの防空ぼうくう能力のうりょくをそぐなどして優位ゆういな状況じょうきょうにあると言いわれています。

イランが発射はっしゃするミサイルの数かずが当初とうしょより減へっているという指摘してきもあります。

ただ、これはイランが長期ちょうき戦せんを見据みすえてミサイルを温存おんぞんしているためだという見方みかたもあって、今後こんごの展開てんかいは予断よだんを許ゆるしません。

Q。

アメリカのトランプ大統領だいとうりょうは軍事ぐんじ的てきな圧力あつりょくを強つよめる一方いっぽう、交渉こうしょうの用意よういもあるとしていますが、交渉こうしょうではイランに何なにを求もとめていくのでしょうか。

A。

トランプ大統領だいとうりょうは今月こんげつ17日にち、「無む条件じょうけんに降伏ごうぶくせよ」とSNSに書き込かきこんでいて、ウランの濃縮のうしゅく活動かつどうなどの核かく開発かいはつをやめることなどを強つよく求もとめるとみられます。

ただ、イランにとって核かく開発かいはつは国くにの威信いしんをかけて推し進おしすすめてきたもので、原子力げんしりょく発電はつでんなど平和へいわ利用りようを目的もくてきとしたウランの濃縮のうしゅく活動かつどうはNPT＝核かく拡散かくさん防止ぼうし条約じょうやくの加盟かめい国こくに認みとめられた権利けんりだと訴うったえてきました。