参議院議員選挙を
前に、
政府の「
お金の
使い方」に
注目が
集まっています。
在參議院議員選舉前,政府「資金的運用方式」備受關注。
SNSで多くみられるのが、「外国人」や「こども家庭庁」に関する投稿で、「優遇されている」とか「解体すべきだ」とする声も増えています。
在社群網路上常常可以看到有關「外國人」和「兒童家庭廳」的貼文,像是「受到優待」或「應該解散」等聲音也越來越多。
中には、誤った数字がひとり歩きした情報や、全体の中の一部だけを強調したような情報も。
有些資訊中,錯誤的數字被單獨流傳,或者只強調了整體中的一部分。
広がっている背景には何があるのか。
実際は
どうなのか、
取材して
検証しました。
東京都議会議員選挙や参議院議員選挙といった、注目される大きな選挙が続くいま、SNSでは「政府のお金の使い方」に関する投稿が広がっています。
現在正值東京都議會議員選舉及參議院議員選舉等備受矚目的大型選舉接連舉行之際,社群媒體上正廣泛流傳著有關「政府資金運用方式」的貼文。
なかでも「外国人が過度に優遇されている」「こども家庭庁は無駄だから解体すべきだ」などという声が目立つ状況になっています。
其中,「外國人被過度優待」、「兒童家庭廳沒有必要,應該解散」等聲音尤其突出。
NHKとJX通信社が6月20日と21日に、インターネットで実施した調査ではこのような結果が。
NHK與JX通訊社於6月20日和21日透過網路進行的調查得出了這樣的結果。
▽「日本社会では外国人が必要以上に優遇されている」という質問に「強くそう思う」か「どちらかといえばそう思う」と答えた人は64。有64%的人對於「在日本社會中,外國人被過度優待」這個問題,回答「非常同意」或「比較同意」。
0%
▽「財務省やこども家庭庁は予算を無駄遣いしているので廃止すべきだ」という質問に「強くそう思う」か「どちらかといえばそう思う」と答えた人は58。有58%的人對「財務省和兒童家庭廳因浪費預算應該被廢除」這個問題,回答「非常同意」或「比較同意」。
4%
インターネットでの調査で、実際の人々の状況とは異なる可能性もありますが、一定の割合の人がそのように感じていることを示す結果でした。
4%在網路上的調查結果,雖然有可能與實際人們的情況不同,但這結果顯示有一定比例的人有這樣的感受。
また、こうした声に関連して、SNSでは不正確な情報や、誤解に基づいた情報も拡散されています。
此外,與這些聲音相關,在社群媒體上也有不正確的資訊以及基於誤解的資訊被傳播。
街頭やSNS
を通じて訴えている
政治家もいました。
取材や公開されている資料をもとに、広がっている情報を検証していきます。
我們將根據採訪和公開資料,對正在擴散的資訊進行查證。
「中国人留学生に1000万円」実際は…
「外国人留学生、特に中国人留学生を日本人学生より優遇している」という主張。
「給中國留學生一千萬日圓」實際上是…「外國留學生,特別是中國留學生,比日本本國學生更受優待」的主張
具体的には「返済不要の1000万円を渡している」、「留学生は毎月15万円支給されていて、優遇だ」というものが広がっています。
具體來說,像是「發放無需償還的一千萬日圓」、「留學生每月可領取十五萬日圓,待遇優厚」這類說法正在流傳。
「日本人は奨学金で借金しているのにおかしい」というXの投稿には、1000万回以上見られているものもありました。
有一則在X上的貼文寫道:「日本人明明靠獎學金借了一堆債,這不是很奇怪嗎?」這則貼文的瀏覽次數甚至超過了一千萬次。
「1000万円の支援」は、博士課程後期の学生に向けた文部科学省の支援制度「次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)」のことを指しています。
「1000萬日圓的支援」是指面向博士後期課程學生的日本文部科學省支援制度「次世代研究者挑戰性研究計畫(SPRING)」。
生活費や研究費など年間最大290万円を支援する制度で、最大3年間(4年制の場合は4年間)支給されるため、「約1000万円」として広がっています。
這是一項每年最多可支援290萬日圓的制度,涵蓋生活費及研究費等,最長可支給3年(4年制課程則為4年),因此被稱為「約1000萬日圓」的支援方案。
ただ、この制度で支給されるのは留学生だけではなく、日本人の学生も対象です。
不過,這個制度的受益對象不僅僅是留學生,日本學生也包括在內。
2024年度の実績では対象となった1万564人のうち、およそ6割にあたる6439人が日本の学生でした。在2024年度的實績中,被列為對象的1萬564人當中,大約六成、也就是6439人,是日本的學生。
そして、およそ4割にあたる4125人が留学生、そのうち3151人と最多だったのが中国籍の留学生でした。
然後,約有四成,即4125人是留學生,其中最多的是中國籍留學生,達到3151人。
この点は国会でも取り上げられ、文部科学省は生活費の部分については、日本の学生のみとする制度に見直す方針です。
這一點在國會上也被提出,文部科學省計劃將生活費部分的制度改為僅限日本學生適用。
文部科学省人材政策推進室によると、制度の主な目的として日本の学生を支援することを明確化した一方で、優秀な留学生の支援も重要であることから、研究費の支援は留学生に対しても続ける方針だということです。
根據文部科學省人才政策推進室表示,雖然明確指出該制度的主要目的是支援日本學生,但由於支援優秀的留學生同樣重要,因此對留學生的研究經費支援也將繼續實施。
「留学生に月15万円を支給」は全員ではなく…
もう1つ、広がっているのが「留学生に毎月15万円支給」という主張です。
「給留學生每月15萬日圓」並非針對所有人……另外,正在擴大的主張之一是「每月給留學生15萬日圓」。
これは、
国費留学制度のことを
指しているとみられます。
政府による支援制度で、旅費の支給や学費の免除のほか、留学先に応じて月11万7000円から14万5000円(地域加算あり)が支払われます。
在政府的支援制度下,除了支付旅費和免除學費外,還會根據留學地點,每月支付11萬7千日圓至14萬5千日圓(另有地區加給)。
国費留学制度は、海外から優秀な留学生を受け入れることで、国際交流や友好親善の促進、各国での人材育成、日本の大学の国際化や教育研究力の向上、日本と世界の発展に寄与することなどを目的としています。
國費留學制度旨在通過接納來自海外的優秀留學生,促進國際交流與友好親善、各國人才培育、日本大學的國際化與教育研究能力提升,並為日本與世界的發展作出貢獻。
文部科学省留学生交流室によると、支援を受けられるのは、各国の日本大使館で行われる試験に合格したり、それぞれの大学で優秀な成績を取っていたりする人に限られています。
根據文部科學省留學生交流室表示,只有通過各國日本大使館舉辦的考試,或是在各自大學取得優秀成績的人,才能獲得支援。
留学生33万人のうち国費は2。
8%
日本にいる33万6708人の留学生(2024年度)のうち、大半が私費で来ている留学生で、国費留学生は9304人と留学生全体の2。在日本的33萬6708名留學生(2024年度)中,8%為國費留學生,大多數是自費來日的留學生,國費留學生僅有9304人,佔全部留學生的2%。
8%です。
(日本学生支援機構「外国人留学生在籍状況調査結果」より)
国費留学生は国籍別に、多い順にインドネシア(1163人)、ベトナム(619人)、タイ(618人)、中国(617人)となっています。
(根據日本學生支援機構「外國留學生在籍狀況調查結果」)國費留學生按國籍排列,依多寡順序分別為印尼(1163人)、越南(619人)、泰國(618人)、中國(617人)。
国費留学制度に関わる予算は2025年度で177億円です。
2025年度與國費留學制度相關的預算為177億日圓。
(文部科学省「高等教育の国際化に関する施策」より)
日本の学生への支援 予算は7000億円規模
一方で、日本の学生に対する返済不要の奨学金などの支援制度(最大で年間160万円)もあります。
(文部科學省「關於高等教育國際化的政策」)對日本學生的支援 預算規模約為7000億日圓,另一方面,也有針對日本學生的無需償還獎學金等支援制度(最高每年160萬日圓)。
こちらの予算は、2025年度で授業料等減免に4578億円、給付型奨学金に1954億円、あわせて7025億円(地方分含む)となっていて、今年度は、84万3000人が対象になると想定されています。
這份預算在2025年度中,授課費等減免為4578億日圓,給付型獎學金為1954億日圓,合計為7025億日圓(包含地方部分)。今年度預計有84萬3000人為對象。
(金額は財務省広報誌『ファイナンス』令和7年5月号より)
文科省留学生交流室の担当者は「優秀な留学生を受け入れることは、日本の大学の国際化や社会の発展につながる。
(根據財務省宣傳雜誌《Finance》令和7年5月號之金額)文部科學省留學生交流室的負責人表示:「接納優秀的留學生,有助於日本大學的國際化及社會的發展。」
日本の
学生にとっても
プラスで、
今後も
多様な
国から
受け入れていきたい」と
話しています。
對日本學生來說也是一個優點,今後我們也希望能夠繼續接納來自多元國家的學生。
東京大学は「留学生優遇」を否定
日本国内で留学生を最も多く受け入れている大学の1つ、東京大学には留学生が5000人余りいます。
東京大學否認「優待留學生」的說法,在日本國內接收留學生人數最多的大學之一——東京大學,目前有5000多名留學生。
全体の学生数は2万9000人余りなので、およそ17%が留学生。
全體學生人數約為2萬9千人,其中約有17%是留學生。
そのうちの
およそ67%は
中国人です。
これについても、「中国人の留学生が優遇されている」などとする主張がSNSで広がっていますが、東京大学の林香里理事・副学長(国際、ダイバーシティ&インクルージョン担当)は明確に否定しています。
關於這一點,SNS上也流傳著「中國留學生受到優待」等主張,但東京大學理事兼副校長(負責國際事務、多元化與共融)的林香里已明確否認這一說法。
林理事・副学長
「とても大きな誤解だと思っています。
どこかの
国の
留学生を
優遇することはしておらず、
きちんとした
入試で、
同じ条件で
受けていただいて
入学を
許可している。
我們並沒有特別優待任何國家的留學生,而是通過正式的入學考試,在相同條件下錄取並允許入學。
日本人よりも
外国人留学生を
優遇していることも
全くありません」
そのうえで、留学生とともに学ぶ環境が重要だと指摘しています。
我們完全沒有比日本人更優待外國留學生。此外,他們指出,與留學生一起學習的環境非常重要。
林理事・副学長
「研究の高みを目指していくということでは国際化はいま、必須条件になっています。
林理事暨副校長:「以追求研究的高峰為目標,國際化現在已成為必要條件。」
高等教育の
国際化が、
日本の
国力や
日本人の
学生のためにも
非常に
重要だということをご
理解いただきたい。
我希望大家能理解,高等教育的國際化對於日本的國力以及日本學生來說都是非常重要的。
さらに
活発な
多様性のある
キャンパスを
作っていきたいと
思っています」
「外国人の国保未納は年4000億円」は誤情報
外国人の「国民健康保険」に関する情報も広がっています。
我想要打造一個更加活躍且多元的校園。「外國人國保未繳每年四千億日圓」這個說法是錯誤資訊,關於外國人「國民健康保險」的資訊也正在擴散。
病気やケガをしたときに、医療費の一部を公的な機関が負担してくれる公的医療保険。
當你生病或受傷時,公共機構會負擔部分醫療費用的公立醫療保險。
このうち、
国民健康保険には3
か月を
超えて
在留する
外国人も
加入する
義務があります。
在這之中,外國人如果在日本停留超過三個月,也有義務加入國民健康保險。
主に留学生や自営業者などが対象で、支払う額は収入に応じて決まり、収入がない場合でも支払いが発生します。
主要對象是留學生和自營業者等,繳納金額根據收入決定,即使沒有收入也需要繳費。
この中で「外国人による国民健康保険の未納が年間で4000億円」とする投稿が広がっています。
在這之中,正在流傳著「外國人未繳納國民健康保險每年高達4000億日圓」的貼文。
Xでは150
万回以上見られているものもありました。
厚生労働省がまとめているデータによると、日本人も含めた国民健康保険全体の未納額は年間で1457億円(2022年度)です。
根據厚生勞動省彙整的數據,包括日本人在內的國民健康保險整體未繳金額,2022年度為1457億日圓。
(厚生労働省「令和4年度国民健康保険の財政状況について」より)
外国人による未納があるのは事実ですが、未納額は全体でも年間1457億円なので、「外国人の未納額が年4000億円」という数字は誤っていることがわかります。
(根據厚生勞動省「令和4年度國民健康保險的財政狀況」)確實存在外國人未繳保費的情況,但未繳總額全年僅為1457億日圓,因此「外國人未繳金額達每年4000億日圓」這一數字是錯誤的。
ただ、外国人による未納がどの程度なのかについて、国は把握できていないとしています。
不過,政府表示,對於外國人未繳納的情況有多嚴重,目前尚無法掌握。
外国人の未納の割合は?
厚生労働省が、外国人による収納状況を把握している全国およそ150の市区町村について調べたところ、日本人も含めた全体の収納率は93%で、このうち外国人の収納率は63%でした。
外國人的未繳納比例是多少?厚生勞動省對全國約150個掌握外國人繳納狀況的市區町村進行調查後發現,包括日本人在內的整體繳納率為93%,其中外國人的繳納率為63%。
厚生労働省は全国で外国人による未納の状況を把握できるようにするとともに、出入国管理庁と連携して、未納の状況を在留審査に反映させることも検討しているということです。
厚生勞動省將能夠掌握全國外國人未繳納的情況,並且正在考慮與出入國管理廳合作,將未繳納的狀況反映在居留審查中。
ただ、保険料の納付期限から1年たっても、災害などの特別な事情がなく納付されない場合には、医療機関の窓口での医療費負担が10割になります。
不過,如果自保險費的繳納期限起超過一年,且沒有因災害等特殊情況而未繳納的話,醫療機構窗口的醫療費用將需全額自付。
新宿では12。
7
億円が
未納?
日本人も…
さらに詳しいデータが分かっているところもあります。
有7億日圓未繳納?日本人也……還有更詳細的數據已經得知的地方也有。
東京・新宿区は国民健康保険の収納率(納付率)がほかの自治体と比べても低く、外国人は53%が未納で、その額は年間およそ12。東京・新宿區的國民健康保險繳納率(納付率)相比其他自治體較低,外國人有53%未繳納,未繳金額每年約為12
7億円です。
日本人では24%が未納で、額は年間およそ26。3億円となっています。
(「新宿区国民健康保険の現状と取組み(令和6年度)」より)
新宿区は未納の額を減らせば一般財源からの補填(ほてん)も減らせるとして、外国人に対して多言語で案内するなどしていて、収納率は改善してきているということです。
(摘自「新宿區國民健康保險的現狀與措施(令和6年度)」)新宿區認為若能減少未繳納的金額,就能減少來自一般財源的補貼,因此也針對外國人提供多語言的說明等,據說繳納率正在改善中。
ことし4月には「滞納対策課」を新設し、対応を強化しています。
今年四月新設了「滯納對策課」,並加強了相關對應措施。
滞納対策課の担当者は「外国人については、自分の国で医療保険の制度がなく、日本の国民健康保険について理解できていない人も多い。
滯納對策課的負責人表示:「關於外國人,有很多人在自己的國家並沒有醫療保險制度,因此對日本的國民健康保險也無法理解。」
日本人も
外国人も
同様に、
支払いの
必要性を
伝えて
収納率を
上げていきたい」と
話しています。
他表示:「我們希望能夠向日本人和外國人同樣傳達繳納費用的必要性,從而提升繳費率。」
外国人の医療費は全体の1。
39%
では、国民健康保険の全体に占める外国人の割合は。
厚生労働省によると、国民健康保険の被保険者のうち、外国人はおよそ97万人(2023年度)で、日本人も含めた全体のおよそ2378万人に占める割合は4。根據厚生勞動省的資料,國民健康保險的被保險人當中,外國人大約有97萬人(2023年度),佔包括日本人在內的總人數約2378萬人的4%。
0%です。
国民健康保険の医療費は、日本人を含めた全体がおよそ8兆9268億円(2023年3月~24年2月の診療分)。
國民健康保險的醫療費用,包括日本人在內,總計約為8兆9268億日圓(2023年3月至2024年2月的診療部分)。
このうち、外国人の医療費は1。39%にあたるおよそ1240億円でした。
外国人の被保険者は20代と30代の若い世代が半数以上で、医療機関を受診する人が少ないため、医療費全体に占める外国人の割合が低くなっているとみられます。
外國籍被保險人有一半以上是二十幾歲和三十幾歲的年輕世代,由於前往醫療機構就診的人較少,因此外國人在醫療費用總額中所佔的比例被認為較低。
専門家 ”制度全体を見て議論を”
医療制度に詳しい一橋大学の高久玲音教授は、次のように指摘しています。
專家:「應該從整體制度來討論」——對醫療制度十分了解的一橋大學高久玲音教授如此指出。
高久教授
「社会保険料が上がる中で、ある種のスケープゴートとして外国人の医療費が非常に高いんじゃないかという議論が起こってきていると思います。
高久教授:「在社會保險費用上升的情況下,我認為出現了一種將外國人的醫療費作為替罪羊,認為他們的醫療費非常高的討論。」
未納に
しっかり対処するのはもちろん
必要ですが、
医療費に
占める外国人の
割合はわずかで、
外国人への
給付をなくしたとしても、
日本国民全体の
保険料を
抑えられるという
話ではありません」
そのうえで、制度の全体像を見た上で正確なデータに基づいて議論を深めていくべきだと指摘します。
當然,妥善應對未繳費的情況是必要的,但外國人在醫療費用中所佔的比例僅為少數,即使取消對外國人的給付,也無法說能壓低全體日本國民的保險費。基於此,應該從整個制度的全貌出發,根據正確的數據來深化討論。
高久教授
「外国人にどれだけの医療費が使われているか、ほとんどの国民はあまり知らないのではないでしょうか。
高久教授:「大多數國民可能並不太了解,究竟有多少醫療費用被用在外國人身上。」
知らない
中で
話すと
自分の
思い込みによって、
過大に
数字が
評価されて
しまう可能性もあると
思うので、
政府が
正確な
情報を
素早く
開示することが
非常に
求められる
分野だと
考えています」
こども家庭庁「7兆円予算」の大半は…
さらに、「こども家庭庁」の予算に関する情報も広がっています。
在不知情的情況下發言,可能會因為自己的先入為主,而導致對數字的評價過高,因此我認為這是一個非常需要政府迅速公開準確資訊的領域。」關於「兒童家庭廳7兆日圓預算」的大部分……此外,關於「兒童家庭廳」預算的相關資訊也正在擴散。
「解体すれば新生児1人に1000万円ずつ配れる」とする情報で、Xでは500万回以上閲覧されている投稿もありました。
有一則在X上被瀏覽超過500萬次的貼文稱:「如果解體(宗教團體),每位新生兒可以分配到一千萬日圓。」
こども家庭庁の予算は7兆円余りあり、新生児の数およそ70万人で単純に割ると1000万円になりますが、そのようなことが可能なのか。
兒童與家庭廳的預算有超過7兆日圓,如果單純用新生兒人數約70萬人來計算,相當於每人1000萬日圓,但這樣的事真的可能嗎?
こども家庭庁によると、2025年度の予算額は7兆3000億円で、内訳は以下の通りです。
根據兒童家庭廳的資料,2025年度的預算額為7兆3000億日圓,具體項目如下。
▽保育所や放課後児童クラブの運営費などが2兆4600億円
▽18歳までの子どもに配られる児童手当が2兆1700億円
▽育児休業などの給付金が1兆600億円
▽児童虐待や障害児、ひとり親家庭の支援に8500億円
▽大学などの授業料減免や給付型奨学金に6500億円
▽妊婦への10万円給付に800億円
▽管理費や調査研究に600億円
保育園、児童手当や育児休業の給付金、授業料減免や奨学金などの関連費用が予算の大半を占めていて、「解体」できるような性質のものではありません。
▽托兒所及課後兒童俱樂部的營運費用約為2兆4600億日圓 ▽發放給18歲以下兒童的兒童津貼約為2兆1700億日圓 ▽育嬰假等補助金約為1兆600億日圓 ▽針對兒童虐待、身心障礙兒童及單親家庭的支援約為8500億日圓 ▽大學等學費減免及給付型獎學金約為6500億日圓 ▽發放給孕婦的10萬日圓補助約為800億日圓 ▽管理費及調查研究費約為600億日圓。保育園、兒童津貼、育嬰假補助金、學費減免及獎學金等相關費用占據了預算的大部分,這些都不是可以「解體」的性質。
こども家庭庁も「こどもや若者、それをサポートする方々のため、質の高い施策に取り組むための予算だ」としています。
兒童家庭廳也表示:「這是為了兒童和年輕人,以及支援他們的人們,致力於高品質政策所編列的預算。」
こども家庭庁「ほとんどが外部委託で中抜き」は「事実誤認」
また、「7兆円のほとんどが外部委託で中抜きされている」とする投稿も広がっています。
兒童家庭廳:「幾乎全部外包抽成」是「事實誤認」。另外,也有貼文擴散稱「7兆日圓幾乎都被外包抽成」。
これについては、こども家庭庁から外部に委託される事業の費用「委託費の割合は0。
關於這一點,兒童家庭廳委託給外部的事業費用「委託費的比例為0」。
06%と
全省庁の
中でも最小」だとしており、こども
家庭庁の
担当者は、
広がっている
投稿の
内容は
「事実誤認だ」と
否定しています。
06%,在所有中央省廳中也是最少的,兒童家庭廳的負責人否認正在擴散的貼文內容,表示「這是事實誤認」。
こども家庭庁は公式の「note」で詳しい予算の情報を掲載し、「引き続き丁寧に説明をさせていただきたい」としています。
兒童家庭廳在官方的「note」上刊登了詳細的預算資訊,並表示「今後也會繼續仔細說明」。
関連する投稿は増加傾向に
こうした政府の予算に関する投稿について、NHKが分析したところ、Xでは「外国人優遇」に関する投稿が増加傾向にあり、リポストを含めて、去年だけで120万件だったものが、ことしはすでに130万件を超えています。
根據NHK的分析,與這類政府預算相關的貼文有增加的趨勢,在X平台上,有關「外國人優遇」的貼文數量呈現上升趨勢,包含轉發在內,去年僅有120萬則,今年已經超過130萬則。
また、「こども家庭庁解体」に関する投稿も去年末ごろから急増し、ことしだけで110万件を超えています。
此外,關於「解散兒童家庭廳」的貼文自去年年底開始也急劇增加,僅今年就已超過110萬件。
拡散されている投稿をどのようなアカウントが発信しているのか分析すると、
▽ふだんからロシアを支援する立場の情報を発信していたり
▽移民に反対する投稿を繰り返したりしている
匿名インフルエンサーやまとめサイトが多くなっていました。
分析散布中的貼文是由哪些帳號發出的時候,發現多數是平時就發佈支持俄羅斯立場資訊、或是反覆發佈反對移民貼文的匿名網紅和綜合網站。
また、一部の政治家による発信も上位を占めていました。
同様の投稿は、Xだけでなく、スレッズやインスタグラム、YouTube、TikTokなどでもみられています。
類似的貼文不僅在X,還有Threads、Instagram、YouTube、TikTok等平台上也都能看到。
情報の“調べ方”に注意
ネットで広がる言説に詳しい成蹊大学の伊藤昌亮教授は、社会の分断が可視化されているとも見ています。
要注意「查找資訊」的方法——成蹊大學的伊藤昌亮教授熟知網路上擴散的言論,他認為社會的分裂已經變得可見。
伊藤教授
「いま、生活苦があるなかで、自分たちが社会のなかで大事にされていないと感じる人たちが、これまでにないくらい増えています。
現在,在生活困難的情況下,感覺自己在社會中不被重視的人,比以往任何時候都要多。
税金や
社会保険が
何に
使われているのかということに、ものすごくセンシティブになっていて、
これまで
再分配で
助けようとされてきた
社会的弱者に対する
反発が
生まれているのではないでしょうか」
「誰が誰を助けるのか、どう再分配すればいいのか、どうやって人々が共生していくのかという本来的な問題も議論されにくくなってしまう。
對於稅金和社會保險被用在什麼地方,人們變得非常敏感,這也導致了對過去透過再分配而受到幫助的社會弱勢群體產生了反感。「究竟是誰幫助誰,應該如何進行再分配,人們要如何共生等本質性的問題,也變得難以討論。」
合意が
取りにくくなり、
社会的には
どんどん分裂し、
後退して
しまう危険があります」
こうした中で伊藤教授は、SNSで拡散される際には、一部の事例や誇張したデータをもとにした主張が拡散しやすくなっているとも指摘します。
在這種情況下,伊藤教授指出,社會上越來越難以達成共識,分裂和倒退的危險也在增加。此外,他還指出,在社群媒體上擴散時,基於部分案例或誇大數據的主張更容易被傳播。
さまざまな情報の中から、自分の主張に合う数値や一部の事実だけを引用し、ほかの事実を無視する行為は、サクランボの中から熟したものを選ぶことにたとえて、「チェリーピッキング」と呼ばれます。
從各種資訊中只引用符合自己主張的數據或部分事實,無視其他事實的行為,比喻為在櫻桃中挑選成熟的那顆,被稱為「櫻桃挑選」(チェリーピッキング)。
伊藤教授
「恣意的につまみ取られたエビデンスをつなげて、自分たちの意見を作っていくということがなされています。
伊藤教授:「將被任意挑選的證據拼湊起來,形成自己的意見,這種情況正在發生。」
最初から
解釈の
道筋を
決めて、
そこに
データを
合わせてくるようなことがなされています」
「一方でこれまでも、いわゆる言論人とか知識人、ジャーナリズムも含めて、どちらかというと数字よりも自分たちの意見を言ってきていて、根拠は何なのかみたいなことをあまり語ってこなかった部分もある。
一開始就決定了解釋的方向,然後再把數據配合那個方向來調整,這樣的事情正在發生。另一方面,過去所謂的言論人或知識分子,包含新聞媒體,比起數字,更常發表自己的意見,對於根據是什麼這一點,往往沒有多加說明的部分也存在。
メディアも
含め、
情報との
付き合い
方を
総合的に
見て
いく必要が
あると
思います」
「加えて、SNSでは能動的に調べているように思えても実は誘導されていて、よりはまり込んでしまうということがあります。
我認為我們有必要從綜合的角度來看待與資訊的互動方式,包括媒體在內。此外,雖然在社群媒體上看似主動搜尋資訊,其實往往被引導,結果反而更深陷其中。
感情的な
判断をせず、
自分が
触れている
情報が
どこに
位置しているのかを
見極めることが
肝心で、わからないという
気持ちも
大切にしながら、
情報との
付き合い
方を
考えることが
大切なのではないでしょうか」
(機動展開プロジェクト・籏智広太、経済部・岡谷宏基)
【配信はこちら】外国人優遇?実態は
伊原弘将アナウンサーがプレゼン解説
サタデーウオッチ9「デジボリ」(6月28日)
配信期限:7月5日(土)午後10時まで
。
在不做感情性的判斷的情況下,判斷自己所接觸到的信息處於什麼位置是很重要的,同時也要珍惜「不知道」的心情,思考如何與信息相處才是重要的吧。(機動展開計畫・籏智廣太,經濟部・岡谷宏基)【配信在此】外國人優待?實際情況由伊原弘將主播在週六觀察9「數位聚焦」中解說(6月28日)配信期限:至7月5日(週六)晚上10點止