そして「僕の長所は、気持ちで折れずに最後まで攻め抜く姿勢だと思っている。今大会、それが生かせてよかったと思います」と話していました。
永瀬選手が挑んだ男子81キロ級は、長身の選手や、分厚い鋼のような筋肉に覆われた選手、スピードが持ち味の選手、さらにはパワー重視の選手、あらゆる体型や柔道スタイルの選手が集まる大混戦の階級と呼ばれています。 永瀬選手は、長い手足を生かした得意の足技と外国選手のパワーをいなす巧みな体のさばき方で、前回のリオデジャネイロ大会で銅メダルを獲得しました。 「自分の力を発揮できず悔しい思いだけが残った」と目標はあくまでも東京オリンピックの金メダルに置いてリベンジを誓いました。 しかし、再スタートしたやさきの2017年、世界選手権の舞台で右ひざのじん帯を損傷する大けがをします。 およそ1年間にわたって試合に出場できず、復帰後もなかなか試合に勝てない時期が続きました。 「もう前の自分には戻れない。戻るのではなく新しい柔道を探す」。 そう割り切ってから、復活に向けて軌道に乗り始めます。 おととしの夏以降、国際大会を4大会連続で制して代表争いを逆転し2大会連続のオリンピック代表の座を勝ち取りました。 強豪ひしめくこの階級を勝ち抜くための自分の強みは何か。 永瀬選手が導き出した答えは「粘り強さ」でした。
さらに、試合展開に加えて審判の傾向も分析し「理想の勝ち方は無い。オリンピックは結果がすべてでどんな勝ち方でも勝ちに行く」そこまで言い切って、2回目のオリンピックに挑みました。 前回大会の悔しさと大けがをへてひたすら勝ちにこだわる柔道で、粘り強く戦って勝ち抜いた永瀬選手。 大混戦の階級を制して、日本勢この階級5大会ぶりの金メダルを手にしました。
リオデジャネイロで銅 その後の大けが乗り越え頂点に立つ
前回、リオデジャネイロ大会で銅メダルを獲得した永瀬選手は、初戦の2回戦を相手の反則負けにより勝ち、3回戦は一本勝ちしました。
続く準々決勝はドイツの選手と対戦し、延長戦にもつれ込み、最後は小外掛けで技ありを奪って勝ちました。
準決勝は第1シードのベルギーの選手に延長2分50秒ごろ、背負い投げで技ありを奪って勝ち決勝に進みました。
そして決勝は、モンゴルのサイード・モラエイ選手と対戦しました。
体を密着させて投げようとする相手に対し、永瀬選手は、距離を取って冷静に攻撃をしかけました。
この試合も延長戦に入り、疲労が見えてきた相手に対し永瀬選手は一気に攻勢に出て、延長1分40秒すぎ、足車で技ありを奪って、金メダルを獲得しました。
この階級での金メダルは、シドニー大会の瀧本誠さん以来、5大会ぶりです。
「最後まで攻め抜く姿勢 生かせてよかった」
