急増きゅうぞうする自宅じたく療養りょうよう者しゃ もし、自分じぶんがそうなってしまったら…

一方いっぽう、都との基準きじゅんで集計しゅうけいした10日にち時点じてんの重症じゅうしょうの患者かんじゃは176人にんでした。第だい3波はのことし1月つき20日にちの160人にんを上回うわまわり、これまでで最もっとも多おおくなりました。

このほか、緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんが出でている地域ちいきでは

▽神奈川かながわ県けんで1572人にん

▽埼玉さいたま県けんで1166人にん

▽千葉ちば県けんで860人にん

▽大阪おおさか府ふで697人にん

▽沖縄おきなわ県けんで332人にんの

感染かんせんが新あらたに確認かくにんされました。

都内とないに住すむ50代だいの男性だんせいは、今月こんげつ上旬じょうじゅんに発熱はつねつの症状しょうじょうが出でて陽性ようせいと判明はんめいしたあと自宅じたくで療養りょうようしていました。

しかし2日にち後ごには呼吸こきゅうの状態じょうたいが悪わるくなるなど重症じゅうしょう化かし救急きゅうきゅう搬送はんそうされましたが、およそ120の医療いりょう機関きかんに受け入うけいれを断ことわられたということです。

この病院びょういんは緊急きんきゅう性せいの高たかい重症じゅうしょう患者かんじゃに対応たいおうする3次じ救急きゅうきゅうの指定してい病院びょういんですが、満まん床ゆかの状態じょうたいが続つづいていて、消防しょうぼうなどから要請ようせいが入はいっても断ことわらざるをえないケースが相次あいついでいるということです。

日本にっぽん医科いか大学だいがく付属ふぞく病院びょういん高度こうど救命きゅうめい救急きゅうきゅうセンター 横堀よこぼり將司つかさセンター長ちょうは「こんなにも収容しゅうようの依頼いらいが多おおく来くるというのは今いままでに経験けいけんがなかったこと。助たすかる命いのちが助たすからなくなってくる可能かのう性せいは十分じゅうぶんに考かんがえなければいけない。感染かんせん者しゃ数すうを減へらさないかぎりずっとこれは続つづく」と話はなしています。

東京とうきょう 江戸川えどがわ区くの保健所ほけんじょではほかの部署ぶしょから応援おうえんを集あつめ、通常つうじょうの3倍ばいの80人にん態勢たいせいで、体調たいちょうの変化へんかがないかや濃厚のうこう接触せっしょく者しゃがいないか確認かくにんしています。

それでも容体ようだいが悪化あっかする人ひとが相次あいつぎ、およそ1週間しゅうかん、自宅じたく療養りょうようを続つづけていた60代だいの男性だんせいが血液けつえき中ちゅうの酸素さんその数値すうちが急激きゅうげきに悪化あっかしていることが分わかり、保健ほけん師しが医師いしと相談そうだんしながら受け入うけいれ先さきの病院びょういんを探さがす場面ばめんもみられました。都とに入院にゅういん調整ちょうせいを依頼いらいした結果けっか、男性だんせいは入院にゅういんできたということです。

江戸川えどがわ区くでは、さらに感染かんせんが拡大かくだいすればこうした健康けんこう観察かんさつが難むずかしくなり、容体ようだいが急激きゅうげきに悪化あっかした人ひとを察知さっちできるか危機きき感かんを強つよめています。

江戸川えどがわ区く健康けんこう部ぶの天沼あまぬま浩ひろし部長ぶちょうは「（療養りょうよう者しゃに）なかなか連絡れんらくがつかないケースもあり、容体ようだいが悪化あっかしたのではないか、部屋へやで倒たおれているのではないかと非常ひじょうに緊張きんちょうした状況じょうきょうになっている。急きゅうに容体ようだいが悪化あっかすることがあってはいけないので毎日まいにち健康けんこう状態じょうたいを確認かくにんしている。重症じゅうしょう化かしてから入院にゅういんとなると非常ひじょうにリスクが高たかく、これ以上いじょう、感染かんせんが増ふえてしまったら入院にゅういん先さきがないという事態じたいになりかねない」と話はなしていました。

家族かぞくへの感染かんせんを防ふせぐための対策たいさくや症状しょうじょうの悪化あっかに気付きづくのに必要ひつようなことについて、感染かんせん症しょう対策たいさくに詳くわしい国際こくさい医療いりょう福祉ふくし大学だいがくの松本まつもと哲哉てつや教授きょうじゅに聞ききました。

松本まつもと教授きょうじゅは、東京とうきょう都とが作成さくせいした自宅じたく療養りょうよう者しゃ向むけのハンドブックで紹介しょうかいされている基本きほん的てきな8つのポイントを最低さいてい限げん、守まもってほしいと指摘してきしました。

▽感染かんせんした人ひとの世話せわをする人ひとはできるだけ限かぎられた人ひとにすること

▽感染かんせんした人ひとや世話せわをする人ひとはお互おたがいにマスクをつけること

▽こまめに手てを洗あらうこと

▽日にち中ちゅうはできるだけ換気かんきをすること

▽手てのよく触ふれる共用きょうよう部分ぶぶんを掃除そうじ・消毒しょうどくすること

▽汚よごれたリネン・衣類いるいを洗濯せんたくするすること

▽ゴミは密閉みっぺいして捨すてることです。

すべて行おこなうことが難むずかしい場合ばあい、例たとえば「部屋へやを分わけること」が難むずかしい場合ばあいは、同おなじ部屋へやでも仕切しきりを置おいたり過すごすエリアを分わけて距離きょりをとったりするなど、できるだけ工夫くふうをしてほしいとしています。

松本まつもと教授きょうじゅは「肺炎はいえんの悪化あっかに伴ともなって呼吸こきゅう状態じょうたいが悪わるくなる兆候ちょうこうを見逃みのがさないことが大事だいじだ」と指摘してきします。

兆候ちょうこうを読み取よみとるためにできることとして「パルスオキシメーター」で血液けつえき中ちゅうの酸素さんそ飽和ほうわ度どをこまめにはかり、急激きゅうげきに下さがったり90％を切きったりした場合ばあい、すぐに保健所ほけんじょに相談そうだんすることをあげています。

「パルスオキシメーター」がない場合ばあいでも、肩かたで息いきをしていたり顔色かおいろが悪わるく唇くちびるが青あおざめていたりする場合ばあいには呼吸こきゅう状態じょうたいが悪化あっかしている可能かのう性せいがあるとして、そうした状態じょうたいを家族かぞくに気付きづいてもらうことなどが大事だいじだとしています。

松本まつもと教授きょうじゅは「遠とおく離はなれている家族かぞくでも友人ゆうじんでもいいので、こまめに連絡れんらくを取とり、連絡れんらくがなければ悪化あっかしたと早はやめに気付きづいてもらえる状態じょうたいを築きずいておく必要ひつようがあると思おもう。直接ちょくせつ保健所ほけんじょに電話でんわしてもつながらず我慢がまんしている人ひともいるかもしれないが、さらに悪化あっかすると救急きゅうきゅう車しゃも呼よべない状態じょうたいになりかねないので、助たすけてもらえる人ひとをある程度あるていど決きめて事前じぜんに連絡れんらくしておくことが大事だいじだ」と指摘してきしています。

さらに松本まつもと教授きょうじゅは「自分じぶんが自宅じたく療養りょうようすることを想定そうていして解熱げねつ鎮痛ちんつう薬やくや飲料いんりょう水すい、食料しょくりょう品ひんなどを蓄たくわえておいてほしい」と、ふだんからの備そなえが大切たいせつだとしたうえで、備そなえがない場合ばあいには家族かぞくや友人ゆうじんに玄関げんかんの外そとまで食料しょくりょう品ひんを届とどけてもらうことなどを勧すすめています。

この中なかで、河野こうの規制きせい改革かいかく担当たんとう大臣だいじんは「先月せんげつ末まつに高齢こうれい者しゃへの2回かいのワクチン接種せっしゅをおおむね完了かんりょうすることができた。高齢こうれい者しゃが重症じゅうしょう化かしているケースが目めに見みえて減へっているのは、皆様みなさまのおかげで接種せっしゅがかなり速すみやかに行おこなわれたからだ」と述のべました。

そして「『デルタ株かぶ』の感染かんせん力りょくが強つよく感染かんせんが拡大かくだいしているが、しっかりとワクチンを打うって何なんとか重症じゅうしょう化かを抑おさえていきたい」と述のべ、さらに接種せっしゅを進すすめるため知事ちじ会かいと連携れんけいして取り組とりくむ考かんがえを強調きょうちょうしました。

これに対にたいして全国ぜんこく知事ちじ会かいの飯泉いいずみ会長かいちょうは「経験けいけんしたことのない『感染かんせん爆発ばくはつ』と言いってよく、まさに正念場しょうねんばを迎むかえている。なるべく早はやく希望きぼうする国民こくみんへのワクチン接種せっしゅが進すすむよう、感染かんせん状況じょうきょうを踏ふまえてさまざまな工夫くふうを凝こらしてほしい」と述のべ、50代だい以下いかへの接種せっしゅの加速かそく化かを求もとめました。

また、高齢こうれい者しゃで少すくなくとも1回かいワクチンを接種せっしゅした人ひとは3109万まん6194人にんで高齢こうれい者しゃ全体ぜんたいの87.6％となりました。

2回かい目めの接種せっしゅを終おえた高齢こうれい者しゃは2895万まん6774人にんで81.6％と、8割わりを超こえています。

全ぜん人口じんこうにはワクチン接種せっしゅの対象たいしょう年齢ねんれいに満みたない子こどもも含ふくみます。

また、実際じっさいはこれ以上いじょうに接種せっしゅが進すすんでいる可能かのう性せいがあり、今後こんご、増加ぞうかすることがあります。