初の「座席なし」新幹線が登場
東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)は、従来の旅客輸送という概念を覆す、座席を一切設置しない新幹線車両を2026年3月より導入することを発表した。新幹線といえば、高速かつ快適な移動手段として国内外で高く評価されてきたが、今回導入される新型車両は、旅客を乗せる目的ではなく、全面的に貨物輸送専用として運行される点が大きな特徴である。
全7両からなるこの車両群は、もともと旅客用として運用されていたものの、座席をすべて撤去したうえで、滑り止め加工が施された床材を新たに設置することにより、貨物専用車両へと改装された。輸送される主な貨物は、生鮮食品や電子機器、精密機械など、時間厳守および慎重な取り扱いが求められる品目である。加えて、車両の窓には沿線地域の特産品の写真が掲示されており、地域の魅力を発信するとともに、車内への過度な光や熱の侵入を防ぐ役割も果たしている。
この新たな取り組みは、近年深刻化している物流ドライバー不足への対応策として始動した「はこビュン新幹線」サービスの一環である。人手不足が物流ネットワーク維持に深刻な影響を及ぼしている現状を踏まえ、自動搬送カートの導入によって駅構内での貨物の積み下ろし作業を効率化し、少人数でも大量輸送が可能な体制を整えつつある。
正式な運行開始日は2026年3月23日とされ、岩手県盛岡市から東京まで、平日に1日1往復の運行を予定している。
今後、このような貨物専用新幹線の導入が、物流業界における新たな輸送モデルとして定着していくかどうか、注目が集まっている。