日本新聞: 変異ウイルス「人との接触半分減らさないと拡大」都の専門家

変異へんいウイルス「人ひととの接触せっしょく半分はんぶん減へらさないと拡大かくだい」都との専門せんもん家か

Apr 15, 2021 21:04 1

Furigana

東京とうきょう都内とないで、感染かんせん力りょくが強つよい変異へんいウイルスが広ひろがった場合ばあい、人ひとと人ひととの接触せっしょくを半分はんぶん程度ていどまで減へらさないと感染かんせん拡大かくだいを抑おさえられないとする分析ぶんせき結果けっかを、都との専門せんもん家かがまとめました。

分析ぶんせき結果けっかは15日にちのモニタリング会議かいぎで、都との「専門せんもん家かボード」の座長ざちょうを務つとめる東北とうほく医科いか薬科やっか大学だいがくの賀来かく満夫みつお特とく任にん教授きょうじゅが明あきらかにしました。

今回こんかいの分析ぶんせきは、1人にんの感染かんせん者しゃが何なん人にんに感染かんせんを広ひろげるかを示しめす「実効じっこう再さい生産せいさん数すう」が、感染かんせん力りょくが強つよいとされる「N501Y」の変異へんいがあるウイルスの場合ばあい、従来じゅうらいのウイルスの1.43倍ばいになるとして計算けいさんしました。

1.43倍ばいは、国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょの報告ほうこくをもとに仮定かていした数値すうちです。

その結果けっか「N501Y」の変異へんいがあるウイルスが広ひろがった場合ばあい、人ひとと人ひととの接触せっしょくを30％減へらしても、1人にんが1.1人にんに広ひろげることになり、感染かんせんは拡大かくだいするとしています。

一方いっぽう、接触せっしょくを50％減へらした場合ばあいは、1人にんが広ひろげるのは0.79人にんで、半分はんぶん程度ていどまで減へらさないと感染かんせん拡大かくだいを抑おさえられないとしています。

さらに70％減へらした場合ばあいは0.47人にんまで減少げんしょうし、感染かんせんの抑制よくせいにつながるとしています。

ただ、海外かいがいの研究けんきゅうでは「N501Y」の変異へんいがあるウイルスの場合ばあい「実効じっこう再さい生産せいさん数すう」が従来じゅうらいのウイルスの1.9倍ばいだという報告ほうこくもあります。

この場合ばあい、人ひととの接触せっしょくを50％減へらしても感染かんせんが拡大かくだいする計算けいさんになるということです。

賀来かく特とく任にん教授きょうじゅは「大阪おおさかのように新規しんき陽性ようせい者しゃが急増きゅうぞうする前まえに、東京とうきょうでも徹底てっていして人ひとの流ながれを減へらしていくことが一層いっそう必要ひつようだ」と述のべました。

都との研究けんきゅう機関きかん “変異へんいウイルスの割合わりあい増ふえ続つづけている”

東京とうきょう都との研究けんきゅう機関きかんが、都内とないの一部いちぶの検体けんたいについて分析ぶんせきしたところ、従来じゅうらいのウイルスの割合わりあいが、およそ1か月かげつで半分はんぶん以下いかになり20％を切きっていることがわかりました。

従来じゅうらいのウイルスが減へる一方いっぽうで、変異へんいがあるウイルスの割合わりあいは増ふえ続つづけています。

東京とうきょう都との「健康けんこう安全あんぜん研究けんきゅうセンター」は、持ち込もちこまれた都内とないの一部いちぶの検体けんたいについて、変異へんいがあるウイルスか従来じゅうらいのウイルスかについて分析ぶんせきを進すすめています。

それによりますと、今月こんげつ（4月つき）11日にちまでの1週間しゅうかんで分析ぶんせきした196の検体けんたいのうち、従来じゅうらいのウイルスの割合わりあいは前まえの週しゅうから10ポイント近ちかく減へって16.3％でした。

この割合わりあいは、およそ1か月かげつで半分はんぶん以下いかになっています。

その一方いっぽうで、

▽感染かんせん力りょくが強つよいとされる「N501Y」の変異へんいがあるウイルスの割合わりあいは37.8％

▽「N501Y」の変異へんいはないものの、免疫めんえきの攻撃こうげきから逃のがれる「E484K」と呼よばれる変異へんいがあるウイルスは45.9％です。

4ポイントから5ポイント程度ていど増ふえていて、2つの変異へんいウイルスを合あわせた割合わりあいは、この1か月かげつ、増ふえる傾向けいこうです。

モニタリング会議かいぎの中なかで、専門せんもん家かは「従来じゅうらいのウイルスから変異へんいがあるウイルスに流行りゅうこうの主体しゅたいが短たん期間きかんで移うつる可能かのう性せいもあり、爆発ばくはつ的てきな感染かんせん拡大かくだいへの厳重げんじゅうな警戒けいかいが必要ひつようである」としています。