合同演習は2月1日まで行われる予定で、ベラルーシ南部と国境を接するウクライナは警戒を強めています。
「Kh-22」は旧ソビエト時代に空母などの艦船を攻撃する目的で開発されたミサイルですが、ロシア軍は兵器不足のため地上攻撃に使用しているとみられます。去年6月、ウクライナ中部ポルタワ州クレメンチュクのショッピングセンターが攻撃され市民20人以上が犠牲になった際も、イギリス国防省は「Kh-22」の改良型が使用されたと分析していました。 ウクライナ空軍は声明で「この型式のミサイルを撃墜できる兵器を保有していない」として、侵攻開始以来あわせて210発以上の「Kh-22」がロシア側から発射されたものの1発も撃墜できていないと明らかにしました。その上で「将来的に供与される『パトリオット』などの地対空ミサイルシステムだけがこうした標的を迎撃できる」としています。
ゼレンスキー大統領は15日公開した動画で「30人が亡くなり、その中には15歳の女の子も含まれる。2人の子どもたちの親が亡くなったという報告もある。愛する人を失ったすべての人に哀悼の意を表したい」と述べました。 そのうえで、依然として30人以上が行方不明だと明らかにし、犠牲者はさらに増える見通しです。 ウクライナ空軍によりますと、この攻撃に使われたのは射程が600キロに及ぶ対艦ミサイルだということです。 その後もロシア軍による攻撃は続き、南部ザポリージャ州の知事は16日「州都ザポリージャ周辺のインフラ施設にミサイル攻撃があり、複数のけが人が出ている」としています。 攻撃についてロシア国防省は15日「軍事インフラを攻撃し、目標にすべて命中した」と主張しました。
さらに「今でもこのテロを非難していないロシアにいる人やロシア出身の人たちに言いたい。起きていることに対して沈黙しただじっと待っていると、いつか自分たちに返ってくるという結果に終わるだけだ」と非難しました。
ベラルーシの国防省は、ロシアとベラルーシの空軍が1月16日から2月1日まで合同演習を実施すると発表しました。 ロシア軍は、去年2月の侵攻当初、ベラルーシからも地上部隊を進軍させていて、当時ロシア軍が主要都市の周辺まで迫ったチェルニヒウ州では、訓練を機に再びロシア軍が進軍してくるのではないかと、市民の間で懸念する声が聞かれました。
また74歳の男性は、「ベラルーシのルカシェンコ大統領がウクライナへの攻撃を許可するほど愚かではないことを願っています」と話していました。 町のガソリンスタンドでは、避難を余儀なくされた場合に備えて、念のため給油しておこうという市民の姿がみられました。 訪れた男性は「もしベラルーシとロシアが攻撃してきた場合、町を出て安全な場所に行く可能性があり、念のため満タンにしました」と話していました。
パスポートなどの書類や防寒具、それにスマホの充電器などを詰めた非常持ち出し用のカバンを用意しているほか、非常食の備蓄を増やしました。 医師免許を持つ夫は先週、軍から招集されたため、仮に避難する場合は、2人の息子と車で中部の町に行く計画を立てているということです。
ドニプロのアパートに着弾は「対艦ミサイル」か
ミサイル攻撃で30人死亡 犠牲者さらに増えるか
ゼレンスキー大統領 救助活動に全力あげる考え
プーチン大統領 「前向きな動きだ」
ロシアとベラルーシが合同演習 ウクライナ北部の州で警戒
ロシア軍の進軍を警戒し家庭で準備する人も
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる16日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)
ロシアとベラルーシ“合同演習開始” ベラルーシ国防省