日本新聞: 救急患者の受け入れ「困難な事例」非常に多い傾向が続く

救急きゅうきゅう患者かんじゃの受け入うけいれ「困難こんなんな事例じれい」非常ひじょうに多おおい傾向けいこうが続つづく

Jan 24, 2023 19:01

Furigana

今月こんげつ22日にちまでの1週間しゅうかんに、救急きゅうきゅう患者かんじゃの受け入うけいれ先さきがすぐに決きまらない「搬送はんそうが困難こんなんな事例じれい」は5998件けんに上のぼり、依然いぜんとして非常ひじょうに多おおい傾向けいこうが続つづいていることが総務そうむ省しょう消防庁しょうぼうちょうのまとめでわかりました。

総務そうむ省しょう消防庁しょうぼうちょうは、患者かんじゃの搬送はんそう先さきが決きまるまでに病院びょういんへの照会しょうかいが4回かい以上いじょうあったケースなどを「搬送はんそうが困難こんなんな事例じれい」として、県庁けんちょう所在地しょざいちの消防しょうぼう本部ほんぶなど全国ぜんこくの52の消防しょうぼう機関きかんの報告ほうこくをもとに毎週まいしゅう、とりまとめています。

今月こんげつ22日にちまでの1週間しゅうかんは5998件けんで、過去かこ最多さいただった前まえの週しゅう（8161件けん）よりは2163件けん減少げんしょうしました。

しかし、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだい前まえに当にあたる2019年度ねんどの同おなじ時期じき（1243件けん）の4.83倍ばいと、依然いぜんとして非常ひじょうに多おおい傾向けいこうにあります。

このうち、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんが疑うたがわれるケースは1591件けんで、全体ぜんたいの30％近ちかくを占しめています。

「搬送はんそうが困難こんなんな事例じれい」を地域ちいき別べつにみると

▽東京とうきょうが2637件けん

▽大阪おおさか市しが516件けん

▽横浜よこはま市しが308件けん

▽名古屋なごや市しが221件けん

▽福岡ふくおか市しが159件けん

▽札幌さっぽろ市しが149件けん

▽仙台せんだい市しが117件けんなどとなっています。

新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだい前まえに当にあたる2019年度ねんどの同おなじ時期じきと比くらべると

▽東京とうきょうが5.18倍ばい

▽大阪おおさか市しが4.26倍ばい

▽横浜よこはま市しが6.16倍ばい

▽名古屋なごや市しが15.79倍ばい

▽福岡ふくおか市しが8.37倍ばい

▽札幌さっぽろ市しが2.61倍ばい

▽仙台せんだい市しが3.9倍ばいなどと

各地かくちで感染かんせん拡大かくだい前まえに比くらべ「搬送はんそうが困難こんなんな事例じれい」は非常ひじょうに多おおい状態じょうたいが続つづいています。

総務そうむ省しょう消防庁しょうぼうちょうは「全体ぜんたいの件数けんすうは減少げんしょうしたものの、新型しんがたコロナの感染かんせん拡大かくだい前まえと比くらべるといまだに5倍ばい近ちかくに上のぼっている。また、去年きょねん夏なつの第だい7波はと比くらべると新型しんがたコロナの感染かんせんが疑うたがわれて搬送はんそうが困難こんなんになった割合わりあいが少すくなくなっていて、新型しんがたコロナ以外いがいの病気びょうきやけがで搬送はんそうが必要ひつような人ひとにも影響えいきょうが広ひろがっているとみられる。引き続ひきつづき厳きびしい状況じょうきょうに危機きき感かんを持もって注視ちゅうしする必要ひつようがある」としています。

そのうえで「適時てきじ適切てきせつな救急きゅうきゅう車しゃの適時てきじ適切てきせつな利用りようを改あらためてお願おねがいしたい。救急きゅうきゅう車しゃを呼よぶか判断はんだんに迷まよったときや通報つうほうのポイントなどをまとめた『救急きゅうきゅう車しゃ利用りようマニュアル』をホームページに掲載けいさいしているので活用かつようしてほしい」と呼よびかけています。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうひっ迫ひっぱく回避かいひに向むけ全国ぜんこくの自治体じちたいに通知つうち

新型しんがたコロナの感染かんせん拡大かくだいで救急きゅうきゅう患者かんじゃの受け入うけいれ先さきがすぐに決きまらない「搬送はんそうが困難こんなんな事例じれい」が増加ぞうかしていることを受うけて、厚生こうせい労働ろうどう省しょうは先週せんしゅう、発熱はつねつ患者かんじゃの相談そうだん体制たいせいや救急きゅうきゅう医療いりょう機関きかんの機能きのう強化きょうかなど、救急きゅうきゅう医療いりょうのひっ迫ひっぱくを回避かいひするために必要ひつような取り組とりくみをまとめ、全国ぜんこくの自治体じちたいに通知つうちしています。

この中なかでは、発熱はつねつ患者かんじゃなどの相談そうだん体制たいせいを強化きょうかするため都道とどう府県ふけんが設置せっちしている「受診じゅしん・相談そうだんセンター」の電話でんわ相談そうだんを活用かつようすることや、住民じゅうみんに対にたいして周知しゅうちを徹底てっていするよう求もとめています。

救急きゅうきゅう車しゃを呼よぶべきかを悩なやんだり、ためったりした時ときなどにかける「#7119」について、実施じっししていない自治体じちたいは消防しょうぼう機関きかんなどと連携れんけいして早期そうきの実施じっしを求もとめるとともに、すでに実施じっししている自治体じちたいでも、より適切てきせつに対応たいおうできるよう電話でんわ回線かいせんの数かずや人員じんいん体制たいせいの強化きょうかを検討けんとうすることを求もとめています。

このほか、子こどもの症状しょうじょうに保護ほご者しゃがどう対応たいおうしたらいいか判断はんだんに迷まよった時ときなどにかける「#8000」については、応答おうとうできない時間じかんがある自治体じちたいは時間じかんの拡大かくだいを検討けんとうすることを求もとめています。

発熱はつねつ外来がいらいがひっ迫ひっぱくすると、受診じゅしんを求もとめてやむをえず救急きゅうきゅう車しゃを要請ようせいする患者かんじゃが増加ぞうかし、救急きゅうきゅう医療いりょうのひっ迫ひっぱくにもつながることが想定そうていされるため、医療いりょう機関きかんに対にたいして、救急きゅうきゅう患者かんじゃを診察しんさつするための臨時りんじのテントを整備せいびしたり、新型しんがたコロナの患者かんじゃのために確保かくほしている病床びょうしょうを可能かのうなかぎり活用かつようしたりするよう要請ようせいすることを求もとめています。

救急きゅうきゅう搬送はんそうされる人ひとの多おおくは高齢こうれい者しゃで、入院にゅういんする患者かんじゃも多おおいことから、宿泊しゅくはく療養りょうよう施設しせつに看護かんご師しなどを常駐じょうちゅうさせるなどした臨時りんじの医療いりょう施設しせつを設置せっちして受け入うけいれの規模きぼを増ふやしたり、転院てんいんや退院たいいんのための取り組とりくみを促進そくしんすることを求もとめています。