海洋進出の動きを強める中国などを念頭に、連携強化をアピールするねらいがあるとみられます。
船舶どうしの衝突を想定 日本海で合同訓練
訓練は、日本の海上保安庁とアメリカの沿岸警備隊、韓国の海洋警察庁の船や航空機などが参加して京都府の舞鶴港の沖合、およそ40キロの日本海で行われました。
船舶どうしが衝突して火災が発生したという想定で行われ、それぞれの国の船や航空機が分担するエリアの捜索を行いました。
そして人に見立てた人形が漂流しているのを発見すると、ヘリコプターと船で連携しながら次々に救助していました。
中国など念頭に連携強化をアピールか
3か国の海上保安機関は先月、連携の強化を確認する文書に署名していて、6日の訓練には海洋進出の動きを強める中国などを念頭に連携強化をアピールするねらいがあるとみられます。
今後、東南アジアや太平洋島しょ国の海上保安機関に対し、捜索救助や違法漁業の取締りなどの能力支援でも連携する方針です
訓練に参加した第8管区海上保安本部の村上歩救難課長は「外国機関と連携して行う救難訓練で一番重要なことは、正確な情報共有、伝達、その後の捜索体系の割り当てや調整だが、今回、船と船でコミュニケーションを取り合って手分けして捜索し、救助が必要な人を発見した。3か国で協力して目的を達成できたと思う」と話していました。
3か国の船の船長は
訓練に先立ち、5日、3か国の船の船長が舞鶴港で取材に応じました。
日本の海上保安庁 巡視船「わかさ」の中根正信船長
「日米韓の海上保安機関の連携に関する確認書に署名したあとの初の訓練となる。3か国の連携、協力体制の強化を図れるよう訓練に臨みたい」。
アメリカの沿岸警備隊 タイソン・スコフィールド船長
「今回のような機会を通じて各国が共同することで、今後、合同で大きな問題に対処するよいトレーニングになると感じている」。
韓国の海洋警察庁 キム・ブンシク船長
「初めて3か国で訓練することは意味があると思う。この訓練で、3か国の捜索救助の力量とノウハウと経験を相互に共有して協力体制を強化し、海洋事故への対応能力を向上させることには意義がある」。