●
東邦大学 舘田一博教授(
厚生労働省専門家会合の
メンバー)
「オミクロン株は感染性の高さや潜伏期間の短さを考えると1人から2人、2人から4人という形で面的に広がる傾向がある季節性のインフルエンザに近いような広がり方をしていて、それが子どもたちの間で起きているのではないか。ワクチン以外にも何とかして子どもたちでの感染拡大を防ぐ方策を考えていかなければいけない」
●厚生労働省専門家会合 脇田隆字 座長
「年末からことしの成人式にかけて20代から30代の感染が拡大したが、感染の場が学校や家庭などにも移行して特に10歳未満が感染する割合の増加が続いている。ただ学校は子どもの教育の確保のためや働く保護者にとって子どもをみてもらえる場所だということから社会活動維持のためにも必要であり、いかに維持しながら対策を行っていくかが重要だと考えている」
“感染の主体 若い世代から子どもに移ってきている”
先月の
新規感染者数を
年代別に
見てみると、10
代以下が4
分の1
以上を
占めました(
感染者情報を
集約する
厚生労働省の
システム「HER-SYS」による)。
▽10代以下が27.1%
▽20代が23.9%
▽30代が15.3%
▽40代が14.0%
▽50代が9.2%
▽60代以上が10.7%
デルタ株が広がった去年夏の感染の第5波では10代以下は▽去年7月が14.6%▽去年8月が19.2%、感染が収まり始めた▽去年9月に23.1%で、20代や30代の感染が比較的多かったのが今回の感染の第6波ではより低い年齢層の感染が目立つようになっています。
感染の主体はこれまで多かった若い世代から子どもに移ってきています。
クラスター “子どもに関係する場所で増えている”
感染者のクラスターが
起きた
場所も
子どもに
関係するところで
増えています。
先月1
日から28
日までの4
週間にクラ
スターが
起きた
場所は
以下のとおりです(
内閣官房がまとめた
資料による)。
▽「学校・教育施設」で703件
▽「高齢者福祉施設」が338件
▽「児童福祉施設」が330件
▽「企業など」が269件
▽「飲食店」が202件
▽「医療機関」が162件など
「学校・教育施設」でのクラスターの増加が目立っていて、先月の1か月間だけでデルタ株が広がった去年7月から9月までの3か月間の合計(691件)を上回りました。
「学校」でのクラスター内訳 小学校で急増
さらに
先月の「
学校」でのクラスターの
内訳は
▽幼稚園・保育園が271件
▽小学校が174件
▽中学校が68件
▽高校が153件
▽大学が51件
▽専門学校が6件
▽不明が193件となっています。
特に小学校でのクラ
スターは
先月1
か月間だけで174
件で、
去年7
月から9
月までの3
か月間合計の92
件の1.9
倍になっていて、
年齢が
低い子どもでのクラスターの
発生が
多くなっています。
なぜ、子どもで感染広がる?
子どもで
感染が
広がる
背景には
▽オミクロン株の感染力の高さ
▽保育園や幼稚園では接触が多く、マスクの着用や距離をとるといった感染対策が難しいこと
▽11歳以下ではまだワクチンの接種が行われていないこと
などが指摘されています。
“学校での感染 家庭に持ち帰り拡大する”
これまで
新型コロナウイルスでは
子どもが
学校などで
集団生活する
中で
感染し、
家庭に
持ち込まれることで
感染が
拡大する
毎年のインフルエンザと
異なり「
家庭での
感染は
大人から
子どもに
移ることが
多い」とされてきました。
しかし4日に取りまとめられた政府の分科会の提言では、学校での感染を家庭に持ち帰り家庭内で感染が拡大するケースが見られると指摘しています。
全面休校1100校余 学級・学年閉鎖も
文部科学省は
全国の
教育委員会を通じて公立学校の
全面休校などの
状況を
調査しました。
先月26日時点で全面休校していたのは
▽小学校は653校
▽中学校は219校
▽高校は127校
▽特別支援学校は40校などで
合わせて1114校、全体の3%となりました。
学級閉鎖や学年閉鎖は全体の13%に当たる4727校で、休業措置をとった学校は全体の6分の1に当たる5841校に上ることがわかりました。
休校の
割合を
都道府県別に
見ると▽8つの
市と
町で
出校停止などの
措置が
取られていた
島根県が27%と
突出していて、
次いで▽
大阪府と
鳥取県が9%だった
一方▽
東京は1%
未満でした。
学級閉鎖や学年閉鎖は▽福岡県が最も多く33%▽京都府は29%▽埼玉県が25%でした。
文科省 “感染リスク高い活動 基本的に控えて”
文部科学省はオミクロン
株に
対応した
学校現場の
感染対策をまとめ
▽特に感染リスクの高い活動は感染レベルに関わらず基本的に実施を控えるよう求めています。
一方で全面休校については
▽子どもがいる医療従事者の負担など家庭や地域の事情を考慮し、休校する前に分散登校やオンライン学習を組み合わせて対応するよう求めるとともに
▽感染者が出ていない場合は子どもたちの学びの保障や心身への影響を踏まえ慎重に検討すべきとしています。
3クラスで学級閉鎖となった小学校では…
埼玉県入間市の
仏子小学校では
先月は3クラスで
学級閉鎖となった
ほか、
感染への
不安から
自主的に
登校を
控えた
子どもは
多い時で1
日当たり81
人と
全校生徒の3
割に
上ったということです。
●“
学びを
保障”
実技も
オンラインで
学校では休校や学級閉鎖になった際や自主的に登校を控えた児童への学びを保障しようと、実技の教科もオンラインで参加できるよう新たな試みを始めています。2年生の音楽の授業では自宅から参加した児童2人がタブレット端末を通じて教室の子どもと一緒にリズムゲームに参加し、音に合わせてポーズをとっていました。
5
年生の
体育の
授業では
走り幅跳びが
行われ、
三脚に
セットされた
端末越しにオンラインで
参加した
児童が
校庭で
次々と
ジャンプする
友達の
様子を
見て
フォームなど改善点をアドバイスしていました。
(男子児童)
「オンラインで参加した人のアドバイスがわかりやすく飛距離が伸びてうれしかったです。家でも授業が受けられるのはよいと思います」
(女子児童)
「いちばんはみんなでそろって登校して、みんなで楽しい思い出を作れたらと思います」
(
仏子小学校 田邊玲校長)
「オミクロン株では子どもの感染も増えていると言われているので引き続き予断を許さない状況だと考えています。オンラインでは体験できない行事や教育活動もあり課題も感じますが、学校は学びに加えて仲間と絆を強めることも大事なので、制限があるかもしれませんが一緒に体験ができる場にしていきたいと思っています」
専門家「試行錯誤している」
(
千葉大学教育学部 藤川大祐教授)
「オミクロン株は潜伏期間が短く機動的に学級閉鎖にし広がらなければすぐに解除する学校も増えている。おととしの長期の全国一斉休校でかなりつらかったという声は聞いていて、学校現場はできるだけ対面で教育活動を進めながら感染を広げないよう試行錯誤している」
・学級閉鎖や休校期間中などのオンラインでの授業の在り方について
「突然休みになることもある中で、短期間でどのようにオンラインの授業を進めるか決められる学校はまだかぎられているのが現状だと思う。日頃からタブレット端末などを使っていないと子どもも教員も混乱することになるのでふだんの授業の在り方が問われてくる」
末松文部科学相“感染対策強化 徹底の方針”
末松文部科学大臣は
記者団に対し「
特に感染リスクの
高い教育活動については
感染レベルにとらわれず
基本的に
控えてほしい」と
述べ、
学校での
感染対策を
強化・
徹底する
方針を
明らかにしました。
具体的には合唱や管楽器の演奏、調理実習のほか、部活動などでは密集する活動や近距離で組み合ったり接触したりする運動、それに大きな声を出したり激しく呼吸したりする活動などを控えるよう全国の教育委員会などに通知するとしています。
インドネシアの火山で大規模噴火 国内で目立った潮位変化なし
日本時間の2日未明、インドネシアの火山で大規模な噴火が発生しました。気象庁は噴火による津波の有無や日本への影響を調べていますが、午前8時半現在、国内や海外の観測点で目立った潮位の変化は観測されていないということです。
N2
Source: NHK
374
Aug 2, 2025 09:08
“核兵器 変わらないか増える”回答が半数近くに NHK世論調査
被爆80年のことし、NHKが行った世論調査で、「現在ある核兵器は今後どうなると思うか」を聞いたところ、「今と変わらないか、むしろ増える」と回答した人が半数近くにのぼりました。専門家は「核なき世界という目標へ具体的な行動をどう起こしていくのか、大きな分岐点に立っている」と指摘しています。
Source: NHK
Aug 2, 2025 17:08
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