일본어 뉴스: 「限界だ」食費高騰が経営を圧迫赤字の高齢者施設も

入所にゅうしょ者しゃに食事しょくじを提供ていきょうしている全国ぜんこくの高齢こうれい者しゃ施設しせつなどでつくる団体だんたいは、物価ぶっか高だかの影響えいきょうで、1か月かげつの食費しょくひがおととしに比くらべ34万まん円えん以上いじょう増ふえているという調査ちょうさ結果けっかを公表こうひょうしました。

団体だんたいは、施設しせつの経営けいえいを圧迫あっぱくしているとして、国くにに支援しえんの拡充かくじゅうを求もとめていくことにしています。

施設しせつの食費しょくひ支出ししゅつ平均へいきん367万まん8000円えんに

全国ぜんこくの高齢こうれい者しゃ施設しせつや在宅ざいたく介護かいごの事業じぎょう者しゃなどで作つくる10の団体だんたいは、所属しょぞくする会員かいいんを対象たいしょうに、賃上ちんあげや物価ぶっか高騰こうとうなどに関にかんする調査ちょうさを行おこない、1万まん1200余あまりの事業じぎょう所しょからの回答かいとう結果けっかを8日にち公表こうひょうしました。

それによりますと、施設しせつでの、ことし1月つきの食材しょくざい費ひや外部がいぶの業者ぎょうしゃへの委託いたく費ひを合あわせた食費しょくひの支出ししゅつは、平均へいきん367万まん8000円えんで、おととしの同おなじ時期じきに比くらべて34万まん2000円えん増ふえました。

このうち食材しょくざい費ひは126万まん3000円えんで、おととしに比くらべ16万まん9000円えん増ふえました。

国くには入所にゅうしょ者しゃ1人にん当あたりの1日にちの食費しょくひを1445円えんと設定せっていして低てい所得しょとく者しゃを対象たいしょうに肩代かたがわりし、施設しせつには物価ぶっか高だかを受うけた緊急きんきゅうの支援しえんも行おこなっています。

ただ調査ちょうさを行おこなった団体だんたいは支援しえんは十分じゅうぶんではない上うえ、食費しょくひの肩代かたがわりを受うける入所にゅうしょ者しゃには制度せいど上じょう、負担ふたんを求もとめることができないため、食費しょくひの増加ぞうかが施設しせつの経営けいえいを圧迫あっぱくしているとしています。

このため職員しょくいんの賃上ちんあげが十分じゅうぶんにできず、人材じんざいが流出りゅうしゅつしているなどとして国くにに支援しえんの拡充かくじゅうを求もとめていくことにしています。

調査ちょうさをとりまとめた全国ぜんこく老人ろうじん保健ほけん施設しせつ協会きょうかいの東あずま憲太郎けんたろう会長かいちょうは「毎日まいにち3食しょくを提供ていきょうしている特別とくべつ養護ようご老人ろうじんホームは特とくに食費しょくひの高騰こうとうが経営けいえいに深刻しんこくな影響えいきょうを与あたえている。

国くにには早急そうきゅうな対策たいさくをお願おねがいしたい」と話はなしています。

自前じまえの調理ちょうり施設しせつの特とく養よう赤字あかじ解消かいしょうされる見込みこみなし

高齢こうれい者しゃ施設しせつの食事しょくじは自前じまえの調理ちょうり施設しせつで作つくるか外部がいぶの業者ぎょうしゃに委託いたくして配送はいそうしてもらうなどして提供ていきょうされています。

およそ100人にんが入所にゅうしょしている京都きょうと市しの特別とくべつ養護ようご老人ろうじんホームは、業者ぎょうしゃを通をつうじて食材しょくざいを仕入しいれ、自前じまえの調理ちょうり施設しせつで毎日まいにち3食しょく提供ていきょうしています。

去年きょねん1年間ねんかんの食費しょくひは5500万まん円えん余あまりで、この3年間ねんかんで350万まん円えん余あまり増ふえ、光熱こうねつ費ひが増ふえたこともあって、施設しせつの経営けいえいは4年ねん前まえから赤字あかじが続つづいています。

ことしに入はいってさらに厳きびしくなり、ことし3月つきの食材しょくざいの仕入れ値しいれねは去年きょねんの3月つきに比くらべて米べいは1。

5倍ばいに、キャベツは2。3倍ばいになっていると言いいます。

こうした状況じょうきょうをなんとかしようと、施設しせつでは去年きょねんの秋あきから米こめをブレンド米ぶれんどまいに変かえ、肉にく料理りょうりを減へらし、卵たまごや豆まめの料理りょうりを増ふやしました。

ただ、こうした努力どりょくを重かさねても今いまのところ赤字あかじが解消かいしょうされる見込みこみはないと言いいます。

特別とくべつ養護ようご老人ろうじんホームの石田いしだ雅之まさゆき施設しせつ長ちょう

「このような急激きゅうげきな物価ぶっか上昇じょうしょうは過去かこに経験けいけんがなく、自助じじょ努力どりょくが限界げんかいにきていて、このままでは存続そんぞくの危機ききになり得える」

食事しょくじを外部がいぶ委託いたくの特とく養よう「施設しせつの維持いじは限界げんかい」

山形やまがた県けん天童てんどう市しの特別とくべつ養護ようご老人ろうじんホームは、入所にゅうしょする高齢こうれい者しゃ29人にんの1日にち3食しょくの食事しょくじの調理ちょうりを「セントラルキッチン」と呼よばれる外部がいぶの業者ぎょうしゃの調理ちょうり施設しせつに委託いたくし、自前じまえの調理ちょうり場じょうで温あたためるなどして提供ていきょうしています。

大量たいりょうの食材しょくざいを仕入しいれて調理ちょうりするセントラルキッチンを利用りようすることで、自前じまえでの調理ちょうりと比くらべて食費しょくひをおよそ1割わり抑おさえていて、調理ちょうりスタッフ3人にんの派遣はけんも委託いたくしています。

しかし、物価ぶっか高だかの影響えいきょうでセントラルキッチンに支払しはらう調理ちょうりスタッフの委託いたく費ひがおととしと比くらべて月つきおよそ35万まん円えん、コメの調達ちょうたつ費ひが去年きょねんと比くらべて月つき7万まん円えん余あまりそれぞれ増加ぞうかし、食費しょくひがこの2年ねんでおよそ720万まん円えん増加ぞうかしました。

こうした中なか、食費しょくひ以外いがいの経費けいひを削減さくげんしようと、1度どに大量たいりょうの食事しょくじを温あたためることができる専用せんようの機械きかいを導入どうにゅうして調理ちょうりスタッフの委託いたく費ひを抑おさえようとしているほか、施設しせつの消費しょうひ電力でんりょくを常時じょうじ確認かくにんできるシステムで節電せつでんに取り組とりくみ、電気でんき料金りょうきんを1割わり余あまり減へらしました。

今いまのところ、施設しせつ全体ぜんたいとして赤字あかじにはなっていませんが、食費しょくひの増加ぞうかがこのまま続つづいた場合ばあい経営けいえいが難むずかしくなるといいます。

特別とくべつ養護ようご老人ろうじんホームの伊藤いとう順じゅん哉施設しせつ長ちょう

「食費しょくひだけでなく人件じんけん費ひや光熱こうねつ費ひも高騰こうとうしていて施設しせつの維持いじは限界げんかいだ。

いまできる対策たいさくを積み上つみあげるしかない」

専門せんもん家か「現在げんざいの経済けいざい状況じょうきょうに制度せいど追おいついていない」

介護かいご問題もんだいに詳くわしい淑徳しゅくとく大学だいがくの結城ゆうき康博やすひろ教授きょうじゅは、国くにが低てい所得しょとく者しゃを対象たいしょうに食費しょくひを肩代かたがわりする制度せいどは基準きじゅん額がくの改定かいていが3年ねんに1度どとなっていることについて「物価ぶっかが急激きゅうげきに上昇じょうしょうする現在げんざいの経済けいざい状況じょうきょうに制度せいどが追おいついていない。