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石油せきゆ危機ききが物価ぶっかを押おし上あげる=インフレ止とまらず、供給きょうきゅう不足ふそくも
石油せきゆ危機ききが物価ぶっかを押おし上あげる=インフレ止とまらず、供給きょうきゅう不足ふそくも

米国においてディーゼル燃料の価格はこの1カ月で36%超も急騰し、米国時間3月16日には1ガロンあたり5ドルに迫る勢いを見せている。

農業、物流業、建設業、小売業にとって不可欠なこの燃料のコスト上昇は、消費者が目にするあらゆる商品の価格急騰を引き起こす可能性がある。

アメリカ自動車協会(AAA)によると、16日のディーゼル燃料価格は1ガロンあたり4.99ドルに上昇した。

​​1週間前の4.66ドルから7%上昇し、1カ月前の3.65ドルからは36.7%もの上昇となる。

物流、建設、農業などの産業で主に使用されるディーゼル燃料価格の上昇は、大手企業の営業コストの増大を意味する。

こうしたコストは、小売製品、食料品、建築費、日用品などの値上げという形で、間もなく消費者に転嫁される可能性がある。

ガスバディの石油アナリストであるマット・マクレーンは、直近のディーゼル燃料価格について「極めて短期間での異例な急騰」と呼び、これがあらゆるものの価格に影響を及ぼすと警告した。

米物流大手のフェデックスとUPSはすでに燃料サーチャージを引き上げたほか、米国から中東への配送に対して一時的な手数料を導入した。

専門家のデビッド・サリバンは、イラン攻撃による「さらなる価格変動や、特定の路線における追加料金の発生」を警告している。

次に価格上昇が予想されるのは食料品だ。

農家は農機の稼働や国内での食品輸送にディーゼル燃料を使用している。

米農務省によると、米国内の全農産物の83%、乳製品・果物・野菜・ナッツ類の92%がトラックで輸送されている。

ブルドーザー、ショベルカー、ダンプカーなどの建設機械もディーゼル燃料で動いており、ほとんどの建築資材はディーゼル車で運ばれる。

​​そのため、住宅価格やインフラ整備、リフォームにかかる費用も押し上げられる可能性がある。

エネルギーエコノミストのフィリップ・バーレジャーはロイターに対し、「すべての製品のコストが上がるだろう」と語った。

​ ​ディーゼル燃料価格の急騰が小売製品の値上げを招いた例は過去にもある。

2000年代半ばに原油が1バレル約147ドルまで急騰した際、世界の食料価格、運送費、航空運賃、小売製品の価格もそれに追従した。

小麦、トウモロコシ、コメの価格が跳ね上がったことで数十カ国で食糧暴動が発生し、約2年間続く世界的な食料価格危機を招いた。

米国のトラック輸送会社は多額の燃料サーチャージを課し、それが店頭価格として顧客に転嫁され、アロー・トラッキングやジェビック・トランスポーテーションといった大手数社が倒産した。

同様の現象は新型コロナウイルスのパンデミック後にも起こり、ロシアによるウクライナ侵攻で悪化した。

燃料と肥料のコスト急騰が、再び世界の食料価格の高騰を招いた。

国連の世界食糧計画(WFP)は3月、中東情勢による燃料価格の急騰が、今後数カ月でさらに多くの人々を「深刻な食料不安」に追い込む可能性があると警告した。

​​イラン攻撃が始まる前から、ディーゼル燃料の供給はレギュラーガソリンよりも不足していた。

独立系石油アナリストでガルフ・オイルのアドバイザーを務めるトム・クロザがCNNに語ったところによると、米国北東部の厳しい冬によって暖房用燃料の需要が高まったことがその一因だという。

ディーゼル燃料と暖房用燃料はどちらも原油の同じ成分から作られるため、供給を奪い合う関係にあり、一方の需要が高まればもう一方にも影響が及ぶ。

航空燃料も同じカテゴリーに属しており、専門家は航空運賃の上昇についても警告を発している。

ガスバディのパトリック・デ・ハーンによれば、燃料価格の急騰により、米国民は現在、30日前と比較してガソリン代に1日あたり3億ドル(約477億円)を追加で支払っている。