JLPT N1 – Reading Exercise 22
科学技術の発展が社会に与える影響について考えるとき、伝統的には「利便性」「効率性」「安全性」、この三つが技術導入の主要な評価基準とされてきた。つまり、生活を便利にし、作業を効率化し、危険を減らすことが技術の価値だとされてきたのである。確かに、この三つのいずれかが欠けても、技術の有用性は十分に発揮されないから、その意味では、これらが技術評価の三要素だというのは間違いではない。しかし、利便性や効率性、安全性というのは、技術がなくても人間社会に存在する。いわば技術以前の価値観である。そこに技術が意味を持つのは、新たな方法や手段が登場し、それらの価値観を根本から変化させることによって、である。つまり、技術評価の三要素とされるものの本質は「変革力」にあり、「変革力」こそが技術の本質だ、ということである。