このうちガザ地区では、保健省によりますと、イスラエルによる攻撃で66人の子どもを含む254人が死亡し、1948人がけがをしたということです。
また国連によりますと、258の住宅などの建物が破壊され、およそ8500人が住む場所を失い、親戚などのところに避難しているということです。
攻撃は教育現場にも影響を及ぼしていて、58の教育施設で建物が壊れるなどの被害が出て授業が行えなくなったため、急きょ、今学期を繰り上げて終えることになりました。
こうした中、アメリカはガザ地区に対し550万ドル、日本円にしておよそ6億円の復興支援策を発表し、日本も最大1000万ドル、日本円で10億円余りの支援を行うことを決めるなど支援の動きが始まっています。
現地で緊急支援活動を行うICRC=赤十字国際委員会ガザ事務所のスヘール・ザックート報道官は、26日オンラインで会見し「攻撃に遭い、愛する人を失った人の生活をいかに立て直し、希望をもたらすことができるかが非常に重要だ」と述べ、ガザ地区の生活の再建に向けた国際社会のさらなる関与を求めました。
リヤド・エーシュクンタナさんは(42)この空爆で29歳の妻のアベルさんと、4人の子どもを亡くしました。 エーシュクンタナさんによりますと、アパートの3階の自宅にいたとき、何の前触れもなく空爆を受け、建物が崩壊して一家は下敷きになりました。 エーシュクンタナさんは「テレビを見ていたら突然、ミサイルの音とともにすごい揺れがして、自分たちのアパートが空爆されたとわかって驚いた。妻が子どもを部屋から連れだそうとしていた時に、天井が崩れ、下敷きになった」と、当時の様子を語りました。
しかし、妻のアベルさんと4人の子どもたちは、がれきの中から遺体で見つかったと言うことです。 エーシュクンタナさんとスージーちゃんは病院を退院しましたが、住む場所はなく、今は実家に身を寄せています。 エーシュクンタナさんは「下敷きになっているときも子どもが助けを呼ぶ声が聞こえましたが、助けられませんでした。停戦になっても、子どもたちには二度と会えないので、本当につらいです」と話していました。 また、スージーちゃんについて「本当にショックを受けています。スージーには『お母さんと兄弟は天国に言ったんだよ』といいきかせているのですが、『それはどこにあるの?』と聞き返してくるのです。非常に攻撃的になって、人にも会いたがらず、性格も変わってしまいました」と話していました。
今回の攻撃でイスラエルは市街地にある道路などを空爆の対象としたため、地下に敷設された水道や電気などの生活インフラに被害が出ています。 このうち水道は、断水で人口の4割にあたる80万人が水道水を得られない状態が続いています。 現地ではがれきの撤去作業や水道管の復旧作業が進められていますが、1日に利用できる電力が数時間に限られる地域もあるなど、深刻な電力不足に陥っているほか、修理のための資材の調達も滞っていて、復旧作業に遅れが出ているということです。 パレスチナの水道当局のサディ・アリ事務局長は「今回の攻撃は過去にないほど、激しいもので、道路やビルのほか、電力や水道インフラも破壊され、市民生活に深刻な影響が出ている。不足する電力や水道管を復旧させるためには国際社会からの支援が必要だ」と話していました。
空爆を受けたガザ地区では
生活インフラ 修理資材が不足し復旧進まず