日本新聞: 【随時更新】ロシアウクライナに軍事侵攻（10月12日の動き）

ロシアによるウクライナに対にたいする軍事ぐんじ侵攻しんこうが続つづいています。

ウクライナの各地かくちでロシア軍ぐんとウクライナ軍ぐんが戦闘せんとうを続つづけていて、大勢たいせいの市民しみんが国外こくがいへ避難ひなんしています。戦闘せんとうの状況じょうきょうや関係かんけい各国かっこくの外交がいこうなど、ウクライナ情勢じょうせいをめぐる12日にち（日本にっぽん時間じかん）の動うごきを随時ずいじ更新こうしんでお伝おつたえします。

（日本にっぽんとウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間じかんの時差じさがあります）

米べい対話たいわの可能かのう性せい排除はいじょしないロシアの考かんがえは「見みせかけ」

ロシア軍ぐんが10日にちに続つづいて11日にちもウクライナ各地かくちのインフラ施設しせつなどにミサイル攻撃こうげきを行おこなったことについて、アメリカ国務省こくむしょうのプライス報道ほうどう官かんは11日にち、記者きしゃ会見かいけんで「一連いちれんの攻撃こうげきは、ロシアによる軍事ぐんじ侵攻しんこうの残忍ざんにんさを表あらわしている。攻撃こうげきは完全かんぜんに不当ふとうだ」と述のべ、非難ひなんしました。

そのうえで、ロシアのラブロフ外相がいしょうが欧米おうべいとの対話たいわの可能かのう性せいを排除はいじょしない考かんがえを示しめしたことについては「見みせかけだ。建設けんせつ的てきで正当せいとうな提案ていあんだとは思おもえない」と述のべ、直ただちにウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうをやめるよう求もとめました。

プーチン大統領だいとうりょう新しん総そう司令しれい官かんの誕生たんじょう日びを祝福しゅくふく

ロシア国防省こくぼうしょうは今月こんげつ8日にち、ウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうの新あらたな総そう司令しれい官かんとして陸軍りくぐん出身しゅっしんのスロビキン氏しを任命にんめいしたと発表はっぴょうしました。

このスロビキン総そう司令しれい官かんに対にたいし、ロシア大統領だいとうりょう府ふのペスコフ報道ほうどう官かんは11日にち、プーチン大統領だいとうりょうが電話でんわをしたと発表はっぴょうし、誕生たんじょう日びを祝福しゅくふくするメッセージを伝つたえたとしています。

スロビキン氏しは、ウクライナ軍ぐんの反転はんてん攻勢こうせいを受うけるロシア軍ぐんが支配しはいしてきた拠点きょてんを次々つぎつぎと失うしなう中なかで任命にんめいされた形かたちで、プーチン大統領だいとうりょうとしては、戦況せんきょうの立て直たてなおしを急いそぎたい考かんがえとみられます。

一方いっぽう、劣勢れっせいに陥おちいっているロシア軍ぐんに対にたいし、ロシア国内こくないの強硬きょうこう派はからショイグ国防こくぼう相しょうや軍部ぐんぶへの批判ひはんが相次あいついでいて、こうした中なかでのスロビキン氏しの任命にんめいは強硬きょうこう派はからの批判ひはんを少すこしでもかわしたい思惑おもわくもあるという見方みかたがでています。

ロシア軍ぐんでは、ウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうをめぐって、これまでも、総そう司令しれい官かんだったとされるドボルニコフ氏しが数すうか月かげつで更迭こうてつされたとみられるなど、責任せきにんを追及ついきゅうされて軍ぐん幹部かんぶの交代こうたいが相次あいついでいます。

ドネツク州しゅう知事ちじ”リマンの集団しゅうだん墓地ぼちから55人にんの遺体いたい“

ウクライナが今月こんげつ奪還だっかんした東部とうぶドネツク州しゅうのリマンでは、集団しゅうだん墓地ぼちから遺体いたいを掘り起ほりおこす作業さぎょうが進すすめられていて、11日にち、現地げんちを訪おとずれたキリレンコ州しゅう知事ちじは、これまでに55人にんの遺体いたいが見みつかったと明あきらかにしました。

知事ちじは、遺体いたいは市民しみんや兵士へいしたちだとしたうえで「現時点げんじてんでは爆発ばくはつ物ぶつや砲弾ほうだん、銃弾じゅうだんにより死亡しぼうしたとみられるが、市民しみんに拷問ごうもんが行おこなわれた疑うたがいも拭ぬぐえない」と述のべ、ロシア軍ぐんによる拷問ごうもんの可能かのう性せいも視野しやに入いれながら詳くわしい調査ちょうさの結果けっかが出でるのを待まつ考かんがえを示しめしました。

一方いっぽう、ウクライナの検察けんさつ当局とうきょくは11日にち、ドネツク州しゅうの別べつの街まちでも集団しゅうだん墓地ぼちから30人にん余あまりの遺体いたいが見みつかり、捜査そうさを進すすめていると明あきらかにしました。

ザポリージャ原発げんぱつの副ふく所長しょちょうがロシア側がわに連れ去つれさられたと発表はっぴょう

ウクライナの原子力げんしりょく発電はつでん公社こうしゃエネルゴアトムは11日にち、南東なんとう部ぶにあるザポリージャ原子力げんしりょく発電はつでん所しょの人事じんじ担当たんとうの副ふく所長しょちょうがロシア側がわに連れ去つれさられたとSNSで発表はっぴょうしました。

発表はっぴょうでは、副ふく所長しょちょうは今月こんげつ10日にちに連れ去つれさられ、拷問ごうもんを受うけているおそれがあると指摘してきし、連れ去つれさった目的もくてきは副ふく所長しょちょうからウクライナ側がわの職員しょくいんの個人こじん情報じょうほうを引き出ひきだし、職員しょくいんたちをロシア側がわの指示しじに従したがわせるためだとしています。

そのうえで、IAEA＝国際こくさい原子力げんしりょく機関きかんや国際こくさい社会しゃかいに対にたいして副ふく所長しょちょうの早期そうきの解放かいほうや原発げんぱつの安全あんぜん確保かくほに向むけてロシアに働はたらきかけるよう訴うったえています。

ザポリージャ原発げんぱつをめぐっては安全あんぜん管理かんりの責任せきにん者しゃである所長しょちょうも先月せんげつ30日にち、ロシア側がわに連れ去つれさられ、今月こんげつ3日にちに解放かいほうされたことをエネルゴアトムが明あきらかにしていました。

NATO事務じむ総長そうちょうロシアの大だい規模きぼなミサイル攻撃こうげきを非難ひなん

NATO＝北大ほくだい西洋せいよう条約じょうやく機構きこうのストルテンベルグ事務じむ総長そうちょうは11日にち、ベルギーの本部ほんぶで記者きしゃ会見かいけんし、ロシアがウクライナ各地かくちに大だい規模きぼなミサイル攻撃こうげきを行おこなったことについて「ロシアはますます、市民しみんや重要じゅうようなインフラ施設しせつに対にたいしてひどい、無む差別さべつの攻撃こうげきを行おこなうようになっている」と述のべて非難ひなんしました。

そのうえで「プーチン大統領だいとうりょうにはほかに選択肢せんたくしがないことを表あらわすものだ。ロシア軍ぐんは後退こうたいし、勢いきおいを失うしなっていて、ミサイルなどで攻撃こうげきせざるをえなくなっている」と述のべました。

NATOは12日にちから2日間にちかん、国防こくぼう相しょう会議かいぎを開ひらく予定よていで、ウクライナへの支援しえん強化きょうかなどについて協議きょうぎするとしています。

また、先月せんげつ、ロシアとドイツを結むすぶ天然てんねんガスの海底かいていパイプライン、ノルドストリームで起おきたガス漏もれについて、NATOは破壊はかい工作こうさくによるとの見方みかたを強つよめていて、ストルテンベルグ事務じむ総長そうちょうは、バルト海ばるとかいと北海ほっかいで30隻せき以上いじょうの艦船かんせんや航空こうくう機きなどで警戒けいかいを強化きょうかしていることも明あきらかにしました。

ウクライナ ”より高性能こうせいのうな防空ぼうくうシステムの導入どうにゅう急いそぐべき“

ウクライナのゼレンスキー大統領だいとうりょうは11日にち、軍ぐんや治安ちあん機関きかんなどの幹部かんぶを集あつめた会議かいぎを首都しゅとキーウで開ひらき、今回こんかいのウクライナ各地かくちへのロシア軍ぐんによるミサイル攻撃こうげきに対にたいする迎撃げいげきの成果せいかを確認かくにんしたうえで、より高性能こうせいのうな防空ぼうくうシステムの導入どうにゅうを急いそぐべきだという認識にんしきで一致いっちしました。

11日にちに開ひらかれた会議かいぎには、ゼレンスキー大統領だいとうりょうとレズニコフ国防こくぼう相しょうなどの閣僚かくりょうのほか、軍ぐんや治安ちあん機関きかんの幹部かんぶらが出席しゅっせきしました。

この中なかで出席しゅっせき者しゃたちは、今月こんげつ10日にちのウクライナ各地かくちへのロシア軍ぐんによるミサイル攻撃こうげきに対にたいする迎撃げいげきの成果せいかを確認かくにんしたうえで、攻撃こうげきによる被害ひがいを少すこしでも減へらすため、より高性能こうせいのうな防空ぼうくうシステムの導入どうにゅうを急いそぐべきだという認識にんしきで一致いっちしました。

また会議かいぎではモナスティルスキー内相ないしょうが、ロシア軍ぐんの攻撃こうげきで破壊はかいされたインフラ施設しせつなどの復旧ふっきゅう作業さぎょうの進捗しんちょく状況じょうきょうを説明せつめいしたうえで、今後こんごの攻撃こうげきに備そなえて重要じゅうようなインフラ施設しせつの防御ぼうぎょを強化きょうかしていく考かんがえを示しめしました。

さらに、ロシアが一方いっぽう的てきに併合へいごうした領土りょうどの奪還だっかんに向むけた作戦さくせんの内容ないようや、冬場ふゆばの戦たたかいへの準備じゅんびを進すすめていくことなども確認かくにんしました。

OHCHR報道ほうどう官かん「ロシアの攻撃こうげき国際こくさい人道じんどう法ほうに違反いはんの可能かのう性せい」

ロシア軍ぐんが10日にち、ウクライナで首都しゅとキーウなど各地かくちへの大だい規模きぼなミサイル攻撃こうげきを行おこなったことについて、OHCHR＝国連こくれん人権じんけん高等こうとう弁務べんむ官かん事務所じむしょのシャムダサーニ報道ほうどう官かんは11日にち、スイスのジュネーブで記者きしゃ会見かいけんし「今回こんかいの攻撃こうげきの一部いちぶが重要じゅうような民間みんかんのインフラ施設しせつを標的ひょうてきとしたと思おもわれることを大変たいへん懸念けねんしている。ウクライナの8つの地域ちいきで何なん十じゅう棟むねもの住宅じゅうたくなどや、少すくなくとも12のエネルギー施設しせつを含ふくむ多おおくの民間みんかん施設しせつが被害ひがいを受うけていて、国際こくさい人道じんどう法ほうに違反いはんしている可能かのう性せいがある」と述のべました。

そして、民間みんかん人じんや民間みんかん人じんの生存せいぞんに不可欠ふかけつなものを標的ひょうてきとした攻撃こうげきは国際こくさい人道じんどう法ほうで禁きんじられているとしたうえで「ロシアに対にたいしさらなる攻撃こうげきをやめ、民間みんかん人じんや民間みんかんのインフラ施設しせつへの被害ひがいを防ふせぐために実現じつげん可能かのうなすべての方策ほうさくをとるように求もとめる」と訴うったえました。