食事の際に用いられる「いただきます」という挨拶は、現在では日本社会に広く浸透しているものの、その起源や普及の過程については必ずしも明らかではない。
“‘いただきます’ 这一问候语在现代日本社会中已深深扎根于用餐时,但其起源及普及过程尚未完全明了。”
近年、SNS上では「いただきます」の由来に関する議論が活発化しており、とりわけ日本語研究家で青山学院大学名誉教授の近藤泰弘氏の調査結果が注目を集めている。
最近,社交媒体上关于“いただきます”起源的讨论日益活跃,尤其是作为日语研究者、青山学院大学名誉教授的近藤康弘的研究成果备受关注。
近藤氏は、「いただきます」が食材や調理者への感謝を示す言葉とされる説について、その信憑性に疑問を呈している。
近藤先生对“いただきます”这句话表达对食材和厨师感激之情的假说的可信度提出了质疑。
実際、国立国会図書館デジタルコレクションを用いて実証的に調査した所、挨拶としての「いただきます」の最古の用例は、大正6年(1917年)刊行の『小学校に於ける作法教授法要綱及び細目』(伊形精一著)に見られるという。
实际上,通过在国立国会图书馆数字馆藏中进行实证调查,他发现“いただきます”作为问候语最早的例子,是在大正6年(1917年)出版的《小学校礼法教授法要略及细目》(作者:井形静一)中出现的。
ここには「食事の心得」として、「食事の終始に挨拶をなすべし『いただきます』『ごちそうさま』」と記されており、学校教育の現場で用いられていたことがうかがえる。
其中,作为“用餐时应了解的事项”,写明了“在用餐开始和结束时应当说‘いただきます’和‘ごちそうさま’进行问候”,并指出这一点正在学校教育场所被使用。
また、近藤氏の見解によれば、現代的な意味合いで「いただきます」が普及し始めたのは、およそ100年前に過ぎず、当時の政府が近代教育の一環として意図的に広めた可能性が高いという。
此外,根据近藤先生的看法,“いただきます”这一现代意义大约是从一百年前开始普及的,当时的政府很可能是有意作为现代教育的一部分来推广这一表达的。
自身が『日本国語大辞典』(小学館)編集委員として多くの言葉の初出例を調査する中で、「いただきます」に関する情報が極めて限られていることに気付き、今回の調査に至ったと語る。
在作为《日本国语大辞典》(小学馆)编辑委员、调查许多词语最早用例的过程中,他注意到关于“いただきます”的信息非常有限,于是促成了这次的调查。
調査の過程で明らかになったのは、明治24年(1891年)の木原季四郎編『子供のをしえ』や、明治37年(1904年)の修身教科書、明治40年(1907年)の小学校作法書など、より古い資料にも「いただきます」または「頂戴いたします」といった表現が見られることである。
在调查过程中发现,即使是在更早的资料中,如木原贵三郎于明治24年(1891年)编纂的《儿童的教养》、明治37年(1904年)的修身教科书、明治40年(1907年)的小学礼仪书等,也可以看到“いただきます”或“ちょうだいいたします”等表达方式。
しかし、これらの記述は、当時「いただきます」が社会的に広く普及していなかったことを示唆している。
然而,这些记录显示,“いただきます”在当时的社会中还没有被广泛普及。
もし一般的な習慣であったならば、あえて明記する必要はなかったはずであり、むしろ一部の階層や著者の考えを広める意図があったのではないかと推察される。
如果那是一种普遍的习惯,就没有必要如此明确地记载,可能是出于传播某个阶层或作者观点的意图。
さらに、明治22年(1889年)に山形県で始まった学校給食の普及とともに、修身教科書や作法書で「いただきます」が教えられるようになった背景には、全国的に統一された挨拶が必要とされたことが関係しているのではないか。
此外,随着自明治22年(1889年)在山形县开始推广学校供餐,“いただきます”也被纳入修身和礼仪教科书进行教授,这可能与全国范围内对统一问候语的需求有关。
近藤氏のSNS投稿を契機に、地域による「いただきます」と手を合わせる習慣の違いや、明治期の西洋文化受容の一環としてキリスト教の食前祈祷との関連性を指摘する意見も寄せられた。
由于近藤先生在社交媒体上的发帖,有人指出,在说“いただきます”时双手合十的习惯因地区而异,也有意见认为这与明治时代接受西方文化、尤其是基督教餐前祷告有关。
特に、近畿、北陸、中国地方などでは手を合わせる習慣が顕著であり、これは各地域の宗派事情――例えば浄土真宗の普及率など――が影響している可能性がある。
特别是在近畿、北陆、中国地区,合掌的习惯非常显著,这可能受到例如净土真宗普及率等地区宗教状况的影响。
このように、「いただきます」という言葉の歴史は、単なる日常の挨拶にとどまらず、学校教育や宗教、さらには西洋文化の受容といった社会的背景と密接に関わっていることが明らかとなった。
正如这样,“いただきます”这一词语的历史不仅仅止步于日常的问候语,还与学校教育、宗教以及对西方文化的接受等社会背景有着深刻的联系。
言葉の変遷を辿ることは日本文化の奥深さを再認識させるものであり、今後もさらなる研究が期待される。
追踪语言的变化有助于我们更深入地理解日本文化,并期待未来会有更多的相关研究。
なお、近藤氏が編集に携わる『日本国語大辞典』第三版は、2027年に2.1版の中間バージョンが公開予定であり、2032年には完成を目指している。
此外,近藤先生参与编辑的《日本国语大辞典》第三版,计划于2027年发布中间版本2.1,并于2032年完成。
改訂スケジュール等の詳細は小学館ホームページ内「日本国語大辞典第三版はじめます」にて随時公開されているため、関心のある方は是非参照されたい。
有关修订版日程的详细信息,会在小学馆的“日本国语大辞典第三版起始页”上随时更新。感兴趣的朋友请参考。