日本新闻: 10代の薬物依存 40％余はせき止めなど市販薬の乱用

10代だいの薬物やくぶつ依存いぞん 40％余よはせき止せきとめなど市販しはん薬やくの乱用らんよう

Nov 29, 2019 22:11

Furigana

薬局やっきょくで売うられているせき止とめなどを「高揚こうよう感かんが得えられる」などとして大量たいりょうに飲のみ、依存いぞん状態じょうたいになる若者わかものが急増きゅうぞうしている実態じったいが明あきらかになりました。薬物やくぶつ依存いぞんで治療ちりょうを受うけている10代だいの患者かんじゃのうち、40％余あまりは違法いほうな薬物やくぶつではなく、市販しはんの薬くすりを大量たいりょうに摂取せっしゅしていたことが国くにの研究けんきゅう機関きかんの調査ちょうさで分わかりました。国立こくりつ精神せいしん・神経しんけい医療いりょう研究けんきゅうセンターは、全国ぜんこくの入院にゅういん施設しせつがある精神せいしん科かの医療いりょう機関きかんと連携れんけいし、薬物やくぶつ依存いぞん患者かんじゃの実態じったいについて調査ちょうさを行おこなっています。

今回こんかいまとまった調査ちょうさ結果けっかによりますと、去年きょねんの時点じてんで薬物やくぶつの依存いぞんや乱用らんようで治療ちりょうを受うけている10代だいの患者かんじゃが、主おもにどういった薬物やくぶつを使用しようしていたかを調しらべたところ、せき止せきとめやかぜ薬やくなどの市販しはん薬やくが41％と最もっとも多おおかったことが分わかりました。

次ついで覚醒剤かくせいざいが15％、睡眠すいみん薬やくなどが６ろく％となっています。

せき止せきとめなどは、「高揚こうよう感かんが得えられる」、「落ち込おちこんだときに気分きぶんが楽らくになる」などとして大量たいりょうに飲のむケースが多おおいということです。

５ご年ねん前まえの2014年ねんの調査ちょうさでは、薬物やくぶつ依存いぞんの10代だいの若者わかものは危険きけんドラッグを使用しようするケースがおよそ半数はんすうを占しめていましたが、最近さいきんは危険きけんドラッグが大幅おおはばに減へる一方いっぽうで、市販しはん薬やくの乱用らんようが増ふえています。

調査ちょうさを行おこなった国立こくりつ精神せいしん・神経しんけい医療いりょう研究けんきゅうセンターの松本まつもと俊彦としひこ部長ぶちょうは「危険きけんドラッグは規制きせいの強化きょうかによって減へったが、今いまは市販しはん薬やくの乱用らんようが新あたらしい問題もんだいになっている。中なかには深刻しんこくな肝かん機能きのう障害しょうがいになるケースもあり、身近みぢかな薬くすりでも過剰かじょうに摂取せっしゅすると危険きけんだということを認識にんしきしてほしい」と話はなしています。

19歳さいの女子じょし大学生だいがくせいは

近畿きんき地方ちほうに住すむ19歳さいの女子じょし大学生だいがくせいは、勉強べんきょうや人間にんげん関係かんけいのストレスをきっかけに市販しはんのせき止とめを大量たいりょうに飲のむようになったといいます。

女子じょし大学生だいがくせいは「ネットで知り合しりあった人ひとから、せき止とめをたくさん飲のむと気分きぶんが楽らくになると聞きいた。ストレスがたまってくると１いち回かいに20錠じょうくらい飲のむが、すっきりして頑張がんばろうという気きになる」と話はなしていました。

そして、「体からだに悪わるいし、もう飲のむのをやめようと思おもうときもあるが、やめられない。急きゅうに気分きぶんが不安ふあんになると飲のんでしまうことがある」話はなしていました。

ドラッグストア対策たいさく強化きょうかも対応たいおうに苦慮くりょ

さまざまな薬くすりを販売はんばいしているドラッグストアでも対策たいさくが進すすめられています。

ドラッグストアを運営うんえいする133社しゃで作つくる協会きょうかいは、全国ぜんこくにあるおよそ２に万まんの店舗てんぽで、先月せんげつから10代だいの客きゃくに対にたいしては学生がくせい証しょうなどの提示ていじを求もとめるようにしています。

また、多おおくの店みせでは、せき止せきとめ薬やくやかぜ薬やくは１いち人にんにつき１ひとつしか販売はんばいしないという注意ちゅうい書がきを張はっています。

ただ、実際じっさいには複数ふくすうの店舗てんぽを回まわれば大量たいりょうのせき止とめなどを買かえるほか、市販しはん薬やくをインターネットで販売はんばいしている薬局やっきょくもあり、規制きせいは難むずかしいのが実態じったいです。

日本にっぽんチェーンドラッグストア協会きょうかいの本ほん吉よし淳一じゅんいち事務じむ局長きょくちょうは「通常つうじょうの利用りよう者しゃの利便りべん性せいを考かんがえると、手軽てがるに買かえるという面めんも必要ひつようで、乱用らんようをどう防ふせいでいくか対応たいおうに苦慮くりょしている」と話はなしています。