千葉県野田市で
小学4年生の
女の子が
死亡し、41
歳の
父親が
傷害の
疑いで
逮捕された
事件で、
女の子が「
父からいじめを
受けている」と
訴えた
小学校の
アンケートの
コピーを、
市の
教育委員会が
父親からの
要求を
受けて
渡していた
問題について、
教育委員会の
担当者は31
日の
会見で「
配慮が
足りないだけでは
済まされない、
取り返しのつかないことをしてしまった」と
謝罪しました。
千葉県野田市は31
日午後、
鈴木有市長や
教育委員会の
担当者らが
記者会見を
開き、はじめに
鈴木市長が
今回の
事件で
小学4年生の
栗原心愛さん(10)が
亡くなったことについて「
これから人生が
始まる心愛さんの
命を
救えず、
誠に
申し訳ございません」と
陳謝しました。
会見によりますと、心愛さんの一時保護が解除されたあとの去年1月12日、父親の栗原勇一郎容疑者(41)が妻とともに小学校を訪れた際、「娘に暴力は振るっていない。一時保護といって子どもを引き離された者の気持ちがわかるか」などと抗議し、アンケートの回答を見せるよう強く迫ったということです。
その3日後に栗原容疑者が市の教育委員会を訪れた際にも、威圧的な態度で要求したということです。
アンケートを渡した教育委員会の矢部雅彦次長は「恐怖感を覚え精神的にも追い詰められて影響を深く考えられなかった。守れる命を守れなかったと考えると配慮が足りないだけでは済まされない、取り返しのつかないことをしてしまった」と謝罪しました。
矢部次長は上司の教育長をはじめ、児童相談所などにも相談していなかったということです。
野田市は今回のアンケートは渡してはならない情報で市の情報公開条例に違反するとして、関係者の処分を検討しています。
アンケートの内容は
また、野田市は、亡くなった心愛さんがおととし小学校で行われたいじめに関するアンケートに、どのように答えていたのかを明らかにしました。
アンケートは冒頭で「このアンケートは、みなさんが、いじめのないたのしいがっこうせいかつができるようにするためのものです。ひみつをまもりますので、しょうじきにこたえてください」などと協力を呼びかけています。
市によりますと、心愛さんは「あなたは、今いじめられていますか。」という質問に「はい」と答えていました。
そのうえでどのようないじめかをたずねる質問に対して、選択肢の中から「いやなことをくりかえしていわれたり、こわいことばでいわれたりする」、「おもいきりぶつかられたり、たたかれたり、けられたりする」などを選んでいました。
あなたは、いじめをだれからうけましたかという質問には、「かぞく」を選んでいたということです。
そして、悩みや相談したいことを自由に書くことができる欄には、「お父さんにぼう力を受けています。夜中に起こされたり、起きているときにけられたりたたかれたりされています。先生、どうにかできませんか。」と記されていたということです。