心理学とは、人間の「心」を科学的かつ客観的、さらに実証的な方法で解明しようとする学問分野である。
心理学是一门以科学、客观和实验的方法来揭示人类“心灵”为目的的学科。
私たちは、幼少期から自分自身の「心」と向き合い続けてきたことから、あたかも「心」について十分理解しているかのように思いがちであるが、実際には、その本質に関しては未解明な点が数多く残されているのが現状である。
我们从小就一直在面对自己的“内心”,因此往往认为自己已经充分理解了它,但实际上关于其本质还有许多尚未被揭示的内容。
自分自身の経験だけに基づいた理解では、どうしても偏りが生じることは否定できない。
如果仅仅依靠个人的经验来理解“心”,偏见的产生是不可避免的。
このような「心」の謎に対し、心理学は科学的手法を用いてアプローチしてきた。
为了揭开这种“心灵”的谜团,心理学一直采用科学的方法进行研究。
その一つの方法として、脳の機能解明が挙げられる。
なぜなら、「心」とは「脳の働きの現れ」であると考えられているからにほかならない。
心理学は長い歴史を通じて「心」の研究を進めてきたものの、実は最も根本的ともいえる感情(情動)については、いまだ十分に解明されていないのである。
尽管心理学在悠久的历史中一直致力于研究“心灵”,但实际上,即使是被认为最基本的情感(情绪),至今也尚未得到充分的解明。
感情こそ心理学が得意とする領域のはずだ、と不思議に思われるかもしれない。
也许你会觉得奇怪,如果认为情感应该是心理学最为了解的领域。
しかし、現代心理学が主に得意としているのは、むしろ私たちが視覚や聴覚などを通じて外界をどのように認識するかという感覚・知覚、あるいは思考や記憶などの認知機能に関する分野である。
然而,现代心理学主要理解的领域是与感觉和知觉相关的领域,也就是说,通过视觉、听觉等方式来认识外部世界,以及与思考和记忆等认知功能有关的领域。
こうした感覚・知覚や認知と感情とが複雑に絡み合い、統合されることで、私たちの全体的な「生」の体験が形成されているのだと言えるだろう。
正是感觉、知觉、认知和情感复杂地交错并融合在一起,才构成了我们称之为“人生”的整体体验。
近年では、脳科学や情報工学の専門家と連携しつつ、世界中の研究者が「心」のメカニズム解明に取り組んでおり、その成果はロボット工学など多様な分野に応用されつつある。
最近,世界各地的研究人员正在与脑科学和信息技术的专家合作,试图揭示“心灵”的机制。而这些成果也被应用于机器人技术等各个领域。
実際、人間と同様に見る・聞く・歩く・話すといった機能を備えた高度なロボットが開発されているものの、感情機能に関しては、いまだ実現には至っていないのが現状である。
实际上,尽管已经开发出了具有视觉、听觉、行走、对话等类似人类能力的先进机器人,但在情感功能方面尚未实现。
ロボットが嬉しそうな表情を見せたり、犬型ロボットが尻尾を振るといった動作をすることは可能だが、それらはあくまで外見的な模倣にすぎず、本質的な感情の働きによるものではない。
机器人可以表现出高兴的表情,狗型机器人也可以摇尾巴,但这仅仅是外在的模仿,并不是真正的情感活动。
感情機能の解明が困難であるがゆえに、ロボットにおいてもその再現は極めて難しいのである。
由于很难明确情感的功能,因此用机器人再现它也非常困难。
そもそも感情とは、私たちの体験を豊かに裏付け、何かを選択したり行動を起こしたりする際の強い動機付けとなるものであり、思考や行動の根底に存在している。
本来,情感丰富了我们的体验,是选择和行动的强大驱动力,存在于思考和行为的基础之上。
例えば、好き嫌いの理由を論理的に説明することは難しいが、実際の行動としては容易に示すことができる。
例如,喜欢或讨厌某件事的理由虽然很难用逻辑来解释,但通过实际的行为却可以很容易地表达出来。
恋人や配偶者を論理や計算だけで選ぶ人は少ないはずだが、仮に計算ずくで結婚相手を決めようとする場合でも、その背後には別の感情が作用していることが多いと言える。
人们很少仅凭理性或计算来选择恋人或伴侣,即使是基于计算做出结婚决定的情况下,背后往往也有感情在起作用。
感情は、私たちの思考や行動の土台となっているのであり、感情が大きく落ち込んだ際には、普段であれば何気なくできていたことさえも困難になることがあるのだ。
情感是我们思考和行为的基础,当情感严重低落时,即使是普通的事情也会变得困难。