Actualités japonaises: 袴田巌さん無罪確定検察が控訴権利を放棄

袴田はかまだ巌いわおさん無罪むざい確定かくてい検察けんさつが控訴こうそ権利けんりを放棄ほうき

Oct 9, 2024 12:10 3

Furigana

58年ねん前まえ、静岡しずおか県けんで一家いっか4人にんが殺害さつがいされた事件じけんで死刑しけいが確定かくていした袴田はかまだ巌いわおさん（88）の再審さいしん＝やり直やりなおしの裁判さいばんで無罪むざいが言い渡いいわたされた判決はんけつについて検察けんさつは9日にち、控訴こうその権利けんりを放棄ほうきする手続てつづきを取とり、袴田はかまださんの無罪むざいが確定かくていしました。

袴田はかまださんは逮捕たいほから58年ねんを経へて、「死刑しけい囚しゅう」の立場たちばから解放かいほうされました。

58年ねん前まえの1966年ねんに今いまの静岡しずおか市し清水しみず区くで一家いっか4人にんが殺害さつがいされた事件じけんで死刑しけいが確定かくていした袴田はかまだ巌いわおさん（88）の再審さいしんで、静岡しずおか地方ちほう裁判所さいばんしょは9月つき26日にちに無罪むざいの判決はんけつを言い渡いいわたし、有罪ゆうざいの決め手きめてとされてきた「5点てんの衣類いるい」や袴田はかまださんの自白じはく調書ちょうしょなど、あわせて3つの証拠しょうこを捜査そうさ機関きかんがねつ造ねつぞうしたと指摘してきしました。

これについて8日にち、最高さいこう検察庁けんさつちょうの畝うね本もと直美なおみ検事けんじ総長そうちょうは談話だんわを発表はっぴょうし、「判決はんけつは多おおくの問題もんだいを含ふくむ到底とうてい承服しょうふくできないものだ」とする一方いっぽう、「相当そうとうな長期ちょうき間かんにわたり、法的ほうてき地位ちいが不安定ふあんていな状況じょうきょうに置おかれてきたことにも思おもいを致いたした」として、控訴こうそしないことを明あきらかにしていました。

静岡しずおか地方ちほう検察庁けんさつちょうは9日にち午前ごぜん、裁判所さいばんしょに対にたいして控訴こうその権利けんりを放棄ほうきする手続てつづきを取とり、袴田はかまださんの無罪むざいが確定かくていしました。

袴田はかまださんは逮捕たいほから58年ねんを経へて、「死刑しけい囚しゅう」の立場たちばから解放かいほうされました。

弁護べんご団だんは、袴田はかまださんが釈放しゃくほうされるまで47年ねん7か月かげつにわたって不当ふとうに身柄みがらを拘束こうそくされたとして今後こんご、国くにに刑事けいじ補償ほしょうを請求せいきゅうする方針ほうしんです。

亡なくなった専務せんむ夫婦ふうふの孫まごにあたる男性だんせい「受け入うけいれるしかない」

無罪むざい判決はんけつが確定かくていすることを受うけて、事件じけんで亡なくなったみそ製造せいぞう会社かいしゃの専務せんむ夫婦ふうふの孫まごにあたる男性だんせいがNHKの取材しゅざいに応おうじ「検察けんさつが控訴こうそを断念だんねんした理由りゆうについて、詳細しょうさいを聞きいていませんが、判断はんだんに異議いぎはありませんし、受け入うけいれるしかないと思おもっています」と心境しんきょうを明あかしました。

今回こんかいの判決はんけつで、捜査そうさ機関きかんがあわせて3つの証拠しょうこをねつ造ねつぞうしたと指摘してきされたことについては、「ねつ造ねつぞうが本当ほんとうにあったのかなかったのか、真相しんそうがわからず、まだもやもやする部分ぶぶんはあります」と述のべました。

その上うえで、袴田はかまだ巌いわおさんに対にたいしては「長ながいあいだ死刑しけい囚しゅうという立場たちばに置おかれたあとに無罪むざいが確定かくていするのはかわいそうだと思おもいます。もっと早はやく再審さいしんが開ひらかれていれば、58年ねんもかからなかったのではないかと思おもいます」と話はなしていました。

林はやし官房かんぼう長官ちょうかん「議論ぎろんなども踏ふまえ適切てきせつに対応たいおうするものと考かんがえている」

林はやし官房かんぼう長官ちょうかんは臨時りんじ閣議かくぎのあとの記者きしゃ会見かいけんで「個別こべつ事件じけんにおける検察けんさつ当局とうきょくの判断はんだんにかかわる事柄ことがらについてコメントすることは差し控さしひかえる」と述のべました。

その上うえで、再審さいしん制度せいどのあり方ありかたについて「最高さいこう検察庁けんさつちょうとしてはこの事件じけんの再審さいしん請求せいきゅう手続てつづきが長期ちょうきに及およんだことなどについて所要しょようの検証けんしょうを行おこないたいと公表こうひょうしたものと承知しょうちしている。また、法務省ほうむしょうでも現在げんざい、協議きょうぎ会かいで議論ぎろんが行おこなわれており、その議論ぎろんなども踏ふまえ適切てきせつに対応たいおうするものと考かんがえている」と述のべました。