大手電機メーカーの
間で、
家電事業の
縮小や
撤退が
相次ぐ
中、
仙台市の
生活用品メーカーが、エアコンなど
大型の
白物家電の
分野に
参入することになり、
機能を
絞った
手ごろな
価格の
製品にどこまで
支持が
広がるか
注目されます。
大型の
白物家電の
製造と
販売を
始めるのは、
仙台市に
本社を
置く
生活用品メーカーの
アイリスオーヤマで、まず
今月下旬に
家庭用のエアコンの
販売を
始めます。
第1弾の製品となるエアコンは、消費者へのアンケート調査をもとに、機能を絞りこむことで、ほかのメーカーの同じサイズの製品に比べて価格を3分の2程度に抑えたということで、今年度、15万台の販売を目指します。
この会社では、LED照明や炊飯器といった小型の家電製品を製造・販売してきましたが、大型の家電製品はこれが初めてです。
家電製品の分野では、パナソニックがプラズマテレビの生産から撤退したり、東芝が白物家電の事業を中国の電機メーカーに売却するなど、大手のメーカーによる縮小や撤退の動きが相次いでいます。
大手の電機メーカーを早期退職した人材を採用して、家電市場に参入した生活用品メーカーが打ち出す、機能を絞った手ごろな価格の製品に、どこまで支持が広がるか注目されます。
アイリスオーヤマの大山健太郎社長は「生活用品メーカーとして、生活者の不満や希望はよく知っているので、われわれの目線で衰退気味の家電業界を活性化したい」と話しています。
家電製品参入 技術者が鍵に
衣装ケースなどのプラスチック製品が主力だったアイリスオーヤマが、家電製品の分野に参入したのは8年前です。
機能を絞り、中国の工場で生産することで低価格を実現し、LED照明や炊飯器などを中心に売り上げを伸ばしてきました。今では家電事業の売り上げが、グループ全体の15%ほどまで成長しています。
家電の分野に注力するにあたって、この会社が採用してきたのが、シャープやパナソニックなど国内の大手電機メーカーを早期退職した技術者たちです。
関西が勤務地だった技術者たちが通いやすいよう、新たに大阪に拠点を設け、今では70人体制で開発を行っているということです。
さらに、ことし中には、開発にあたる人員を100人にまで増やす計画で、今後は冷蔵庫や洗濯機なども開発し、売り出していきたいとしています。