来年春に
卒業する
大学生らを
対象にした、
大手企業の
採用面接が
1日解禁されます。
人手不足を
背景に、
学生に
優位な「
売り手市場」が
続く
中、
少しでも
早く
優秀な
学生を
確保しようと
内定を
出している
企業もあり、
人材の
獲得競争が
激しくなっています。
大学生らを
対象にした
大手企業の
採用活動は、
経団連の
指針に
沿ったスケジュールで
行われていて、
3月からの
会社説明会に
続き、
1日から
企業側が
学生を
選考する
採用面接が
解禁されます。
学生の就職活動はヤマ場を迎えますが、人手不足などを背景に、ことしも企業の採用意欲は高いことから、学生に優位な「売り手市場」が続いています。
このため企業の間では、優秀な人材を確保しようと、初任給を引き上げる動きや、長時間労働の是正などの働き方改革を学生にアピールする動きも広がっています。
また、外資系やIT関連などの企業の中には、採用面接が解禁される前から事実上の選考活動を行って、学生に内定を出す動きも見られ、人材の獲得競争が激しくなっています。
大手企業の採用面接は1日から解禁ですが、就職活動を行っている学生の3人に1人に、すでに内定が出ているという調査もあります。
大手人材サービス会社のリクルートキャリアが、就職活動中の大学生1561人を対象に、インターネットで行った調査によりますと、5月1日の時点で「すでに内定を取得している」と答えた学生の割合は35.1%と、3人に1人以上に上っています。これは去年の同じ時期を10.1ポイント上回っています。
さらに「確実に取得できる見通し」や「ある程度取得できる見通し」と答えた学生は合わせて24.1%に上り、すでに取得した学生も含めると、半数以上が内定の見込みがあるとしています。
また内定を得られた企業を規模別に見ますと、従業員が1000人未満の企業が全体の62.8%を占めていて、ベンチャー企業や中堅・中小企業が採用活動を前倒しで進める傾向が強まっています。
リクルートキャリア就職みらい研究所の岡崎仁美所長は「長引く人手不足の中で、企業は競争に打ち勝つために、より活躍する人材を確保したいという危機感を強めていることが背景にある。以前は、中小企業は大企業の採用が終わってから、採用活動を本格化していたが、最近では早めの採用に踏み切るところも増えている」と話しています。
内定出した企業 少しでも早く優秀な学生確保を
140人の学生の採用を計画している東京都内のIT関連の企業は、今後、大手との間で人材の獲得競争がさらに厳しくなると見て、すでに30名以上の学生に内定を出しています。
東京・中央区に本社がある、企業のWEB制作などを手がける社員およそ760人のIT関連の企業では、来年春に卒業予定の大学生ら、140人余りの採用を計画しています。
この企業では、少しでも早く優秀な学生を確保するため、去年の夏ごろから、インターンシップやセミナーなどを積極的に開き、すでに30名以上の学生に内定を出しているということです。
この会社では、学生に関心を持ってもらうため、これから行う採用面接では、残業時間を20%余り削減したことなど、働き方改革の成果もアピールして、予定している人数の採用を目指すことにしています。
この企業「メンバーズ」の高野明彦常務は「将来のことを真剣に考えている学生は、早い段階から企業研究や就職活動を始めるので、そうした学生の動きに合わせて、早めに内定を出している。IT業界は人手不足感が強いので、あの手この手で採用活動を行い、多くの優秀な学生と出会いたい」と話していました。