これまでは、国内を中心に販売していましたが、今回のモデルはおよそ40の国と地域で、ことしの秋から順次販売を始めるということで、日本でこの秋に販売される「クロスオーバー」の価格は、435万円からとなります。
国内市場では、かつてはセダンが販売の上位を占めていましたが、SUVなどの人気が年々高まっているため、会社としてはラインナップを拡大することで新たな需要を取り込むねらいです。
発表会で豊田章男社長は「ロングセラーが生き残るには、みずからが変わるチャレンジをしなければならない。世界に誇る日本の技術と人財を結集した車で、もう一度世界に挑戦したい」と述べました。
国内のセダン市場は近年では販売が伸び悩んでいて、ホンダが去年、「レジェンド」の生産を終了したほか、日産自動車も「シーマ」と「フーガ」の生産を来月までに終える方針です。
初代モデルが発売されたのは昭和30年。 日本では海外メーカーの協力を得ながら車を作っていた時代に、トヨタが「純国産」の車として完成させました。 乗り心地のよさや耐久性などが評価され、富裕層や社用車、ハイヤーなどを中心に販売を伸ばしました。 以降、「いつかはクラウン」というキャッチコピーで知られるように、60年以上にわたって高級セダンの代表的車種として知られてきました。 この間、時代に合わせたモデルチェンジも重ねてきました。 主なターゲットが比較的年齢の高い層や企業だったため、落ち着いたデザインが続いていましたが、2012年に発表した14代目では派手なピンクのカラーも投入。 ひときわ目を引く全く新しいデザインで、幅広いユーザーにアピールするねらいでした。 2018年に発売された15代目は、通信機能を備えてさまざまなサービスが受けられる「コネクテッドカー」の第1弾としてリリースされました。 トヨタによりますと、「クラウン」のこれまでの累計販売台数は、世界で676万台に上ります。
30年余り前の1990年には、国内の新車販売のランキングでトップ10のうち9車種が、カローラやサニーといったセダンの設定がある車でした。 しかし、その後は賃金の伸び悩みなども背景に、維持費の安さや燃費のよさを強みとする車のニーズが次第に高まり、軽自動車やコンパクトカーの販売が伸びています。 また、最近ではSUVの人気の高まりなどを受けて、さまざまなタイプの車が市場に投入されています。 この結果、去年の新車販売ランキングでは、トップ10のうち半分を軽自動車が占めたほか、SUVやコンパクトカーが上位に入っていて、セダンの設定がある車は1車種にとどまっています。 こうした中、自動車メーカー各社ではセダンの生産を取りやめる動きが相次いでいます。 ▽トヨタ自動車は、3年前に「マークX」の生産を、▽ホンダは去年、「レジェンド」の生産を終了したほか、▽日産自動車も「シーマ」と「フーガ」の生産を来月までに終える方針を決めていて、各社が車のラインナップの見直しを進めています。
国産高級車「クラウン」の歴史
国内の自動車市場 軽自動車やSUVなど販売伸ばす