将棋の
八大タイトルのひとつ、「
棋聖戦」の
第4
局が
名古屋市で
行われ
藤井聡太五冠(19)が
勝って「
棋聖戦」3
連覇を
飾るとともにタイトルの
防衛に
成功。ことし5
月の「
叡王」に
続く今年度2つ
目の
タイトル防衛で、
五冠を
維持しました。
「棋聖戦」五番勝負はここまで、タイトルを持つ藤井五冠が、挑戦者の永瀬拓矢王座(29)を相手に2勝1敗として、タイトル防衛にあと1勝と迫っていました。
第4局は名古屋市で午前9時から始まり、藤井五冠が中盤以降、積極的に攻撃を仕掛け、次第に優勢に持ち込む展開となりました。
そして午後6時30分、104手までで永瀬王座が投了。
藤井五冠が3勝1敗で制し、おととし以降、「棋聖戦」3連覇を果たすとともに、ことし5月の「叡王」に続く今年度2つ目のタイトル防衛にも成功し、五冠を維持しました。
藤井五冠は17日が10代最後のタイトル戦で「1局目、2局目ともにかなり苦しい展開が続く厳しいシリーズだった。結果が出せたのはよかったが、厳しい戦いだったので、しっかり振り返らないといけない」と語り、タイトル防衛にも、勝利の余韻に浸ることばはありませんでした。
一方、敗れた永瀬王座は「先手で1勝もできず、それが課題だと思った。きょうも、途中でかなり厳しくなってしまったので、もう少し勝機の残る形にしなければいけなかった」と、悔しさをにじませていました。
藤井五冠「10代をいい形で終えることができた」
藤井聡太五冠(19)は、
対局後の
会見で、「
対局が
終わったばかりで
まだ実感はないが、
永瀬王座を
挑戦者に
迎え、
厳しい戦いに
なると
思っていたので、
結果を
出せてうれしく
思っている」と、みずからの
心境を
語りました。
19日の二十歳の誕生日を前に10代最後の公式戦となった17日の対局を勝利で飾れたことについては「タイトル初挑戦が2年前のこの『棋聖戦』で、それ以降タイトル戦の機会を多く作れたことはよかった。対局は今後も続くので区切りだとは思っていないが、10代をいい形で終えることができたので、また体調をしっかり整えて、いい状態で臨みたい」と述べ、次の対局に向けた意気込みを語りました。
そして20代に向けては、「実力を高めるには、今後の数年が非常に大事な時期になるので、そういう意識を常に持って取り組みたい」と述べ、さらに実力向上を目指す考えを口にしました。
会見ではこのほか、師匠の杉本昌隆八段から一足早いバースデーケーキが贈られるサプライズもあり、藤井五冠は「毎年、お正月にいただくお年玉は今後はないと思うので、代わりにケーキをいただけたのかなと思う」と笑顔で話していました。