東京オリンピック・パラリンピックに
向けて、
車いすの
人が
電車に
乗りやすくしようと、
東京メトロは
およそ80の
駅で、
ホームと
車両の
間の
段差や
隙間を
小さくするバリアフリー
対策を
急いでいます。
車いすの
人が
電車を
乗り降りする
際には、
ホームと
車両の
間に
大きな段差や
隙間が
あるため、
ほとんどの
場合、
鉄道会社に
事前に
伝えたうえで、
間に
板をかける
など駅員の
介助が
必要です。
このため東京メトロは、東京大会に向けて車いすの人が1人でも乗り降りしやすくしようと、競技会場に近い辰巳駅や外苑前駅など、78の駅で段差や隙間を小さくする改修を進めています。
国のガイドラインでは段差は3センチ、隙間は7センチを目安として、できるだけ小さくすることが望ましいとされているため、ホームの端にゴム製の部材を付けたり、ホームをかさ上げしたりして目安に近づけています。
こうしたバリアフリー対策は、東京大会をきっかけにJR東日本や都営地下鉄などでも加速しています。
東京メトロの脇田和慶さんは「東京大会には障害のある人も含め、多くの人が訪れるので、安心して利用してもらえるよう環境を整備していきたい」と話しています。
各社で対策進む
車いすの人が乗り降りしやすくするための駅のバリアフリー対策は、東京メトロのほかにも各鉄道会社で進められています。
都営地下鉄はすでに三田線、大江戸線、新宿線の合わせて80の駅でホームのかさ上げや隙間を小さくするための改修を終えています。
JR東日本では山手線、京浜東北線、中央・総武線の合わせて32の駅で、東京大会までに改修を行う計画です。
また、東京以外でも大阪メトロがホームのかさ上げや隙間を小さくするための改修を行っています。
また、福岡市地下鉄や仙台市地下鉄では、駅を整備する際にホームが直線になるように設計して、車両との隙間が大きくならないようにしています。
さらに、福岡市地下鉄の七隈線では、乗客の乗り降りで床があまり上下に変動しない車両を導入することで、ホームとの間の段差を5ミリ程度とほぼ平な状態に近づけているということです。