香港の
警察は、
中国に
批判的な
論調で
知られ
発行停止に
追い込まれた
香港の
新聞「リンゴ
日報」で、
社説を
執筆していた
幹部を、
香港国家安全維持法に
違反した
疑いで
新たに
逮捕しました。
香港の警察は28日未明「リンゴ日報」の57歳の関係者を、外国勢力と結託し国家の安全に危害を加えた香港国家安全維持法違反の疑いで逮捕したと明らかにしました。
香港メディアによりますと、逮捕されたのは英語版の編集責任者を務め、社説も執筆していた主筆で、27日夜、イギリス行きの飛行機に乗ろうとしていたところを空港で逮捕されたということです。
「リンゴ日報」では、編集トップや別の主筆も国家安全維持法違反で逮捕されており、今回の事件で逮捕された幹部は、合わせて7人となりました。
一方、抗議活動の記事などを数多く配信しているインターネットメディアの「立場新聞」は、27日に声明を出し、ことしの5月より前に配信した評論記事や読者の投稿をいったん削除し、執筆者の意向を確認すると発表しました。
また、8人の役員のうち6人が辞職したということです。
立場新聞はリンゴ日報に続き、当局が摘発に乗り出すのではないかという見方が出ています。
声明では「わたしたちの知る香港は変わってしまった。ことば狩りが始まっており、執筆者の安全を守る必要がある」としており、当局による締めつけの影響がメディアにも広がっています。
加藤官房長官「重大な懸念を強めている」
加藤官房長官は
午前の
記者会見で「
今回の
事案も
含めて、
香港が
これまで
享受してきた
民主的、
安定的な
発展の
基礎と
なる言論の
自由や、
報道の
自由を
大きく
後退させるものであり、
重大な
懸念を
強めている」と
述べました。
そのうえで「一国二制度のもとで、自由で開かれた体制が維持され、民主的かつ安定的に発展していくことが重要だというのが、わが国の一貫した立場だ。国際社会と緊密に連携しつつ、中国、香港当局に対し、香港基本法に規定されている言論や報道の自由が保護されるよう、引き続き働きかけを強く行っていく」と述べました。