日本新闻: 1年ぶりの日中防衛相会談木原防衛相「当局間の議論が重要」

シンガポールを訪おとずれている木原きはら防衛ぼうえい大臣だいじんは、中国ちゅうごくの董ただし軍ぐん国防こくぼう相しょうと会談かいだんし、沖縄おきなわ県けんの尖閣せんかく諸島しょとうなど東シナ海ひがししなかいでの中国ちゅうごくの海洋かいよう進出しんしゅつに対にたいする懸念けねんを伝つたえた上うえで、防衛ぼうえい当局とうきょくの間まで議論ぎろんを重かさねることが重要じゅうようだという考かんがえを示しめしました。

1年ねんぶりとなる日にち中ちゅう防衛ぼうえい相しょう会談かいだんは日本にっぽん時間じかんの午前ごぜん11時じ前まえからおよそ50分間ふんかん行おこなわれました。

冒頭ぼうとう、木原きはら大臣だいじんは「日にち中間ちゅうかんには尖閣せんかく諸島しょとうを含ふくむ東シナ海ひがししなかい情勢じょうせいや、わが国わがくに周辺しゅうへんでの中国ちゅうごく側がわの軍事ぐんじ活動かつどうの活発かっぱつ化かなど安全あんぜん保障ほしょう上じょう、多おおくの懸念けねんが存在そんざいしている」と述のべた上うえで、防衛ぼうえい当局とうきょくの間まで議論ぎろんを重かさねることが重要じゅうようだという考かんがえを示しめしました。

会談かいだんの詳くわしい内容ないようはまだ分わかっていませんが、木原きはら大臣だいじんは防衛ぼうえい当局とうきょく間かんのホットラインを適切てきせつに運用うんようしていくことや、今後こんごも対話たいわや交流こうりゅうを推進すいしんしていく考かんがえを伝つたえたものとみられます。

中国ちゅうごく董ただし軍ぐん国防こくぼう相しょう “互たがいに脅威きょういとならない具体ぐたい的てきな政策せいさくと行動こうどうを”

会談かいだんの冒頭ぼうとう、中国ちゅうごくの董ただし軍ぐん国防こくぼう相しょうは「中日ちゅうにち両国りょうこくは引っ越ひっこしのできない隣国りんごくだ。双方そうほうの防衛ぼうえい当局とうきょくは、協力きょうりょくするパートナーであり、互たがいに脅威きょういとならないという政治せいじ的てきコンセンサスを具体ぐたい的てきな政策せいさくと行動こうどうで実行じっこうに移うつすべきだ」と述のべ、日本にっぽん側がわと意思いし疎通そつうを図はかっていく意欲いよくを示しめしました。

米べい国防こくぼう長官ちょうかん南シナ海みなみしなかいでの中国ちゅうごくの行為こうい非難ひなんも“対話たいわ継続けいぞくを”

アメリカのオースティン国防こくぼう長官ちょうかんは、1日にち午前ごぜん、アジアや欧米おうべいの防衛ぼうえい担当たんとうの閣僚かくりょうらが出席しゅっせきしてシンガポールで開ひらかれているアジア安全あんぜん保障ほしょう会議かいぎで演説えんぜつしました。

この中なかで、オースティン長官ちょうかんは、フィリピンが実効じっこう支配しはいする南シナ海みなみしなかいのセカンド・トーマス礁の海域かいいきで、このところ、中国ちゅうごく海うみ警局きょくの船ふねがフィリピンの船ふねに放水ほうすい銃じゅうを使つかうなどして妨害ぼうがい行為こういを繰り返くりかえしていることを念頭ねんとうに、「フィリピンが直面ちょくめんしてきた嫌いやがらせは危険きけんだ」と非難ひなんしました。

そのうえで、中国ちゅうごくへの対応たいおうも含ふくめて、日本にっぽんなど同おなじ価値かち観かんを共有きょうゆうする国々くにぐにとの連携れんけいを強化きょうかする考かんがえを示しめしました。

一方いっぽう、オースティン長官ちょうかんは31日にちに、対面たいめんではおよそ1年ねん半はんぶりに中国ちゅうごくの国防こくぼう相しょうと会談かいだんを行おこなったことに言及げんきゅうし、「誤解ごかいや誤算ごさんを避さけるためには軍ぐんどうしの直接ちょくせつ対話たいわに代かわるものはない」と述のべ、中国ちゅうごくとの偶発ぐうはつ的てきな衝突しょうとつを避さけるため、対話たいわを継続けいぞくする必要ひつよう性せいも強調きょうちょうしました。

また、オースティン長官ちょうかんは、フィリピンのマルコス大統領だいとうりょうが31日にちに行いった講演こうえんの中なかで、中国ちゅうごくによる妨害ぼうがい行為こういでフィリピン側がわに死者ししゃが出でた場合ばあい、相互そうご防衛ぼうえい条約じょうやくを結むすぶアメリカとともに軍事ぐんじ的てきな対応たいおうをとる可能かのう性せいを示唆しさしたことについて質問しつもんされ、「仮定かていの話はなしはしない」としながらも、「われわれの条約じょうやくへの関与かんよは揺ゆるぎない」と述のべ、中国ちゅうごくをけん制けんせいしました。