プラスチックによる
環境汚染を
防ぐため、
初めての
国際条約のとりまとめを
目指してスイスで
行われている
会議が、
14日、
予定された
最終日を
迎えますが、
焦点となっているプラスチックの
生産量の
規制を
盛り
込むか
どうか
などをめぐって
各国の
間で
意見の
隔たりがあり、
協議は
難航しています。
为了防止塑料造成的环境污染,旨在制定首个国际条约的会议正在瑞士举行。14日迎来了预定的最后一天,但围绕是否纳入对塑料生产量的限制等焦点问题,各国之间存在意见分歧,协商进展艰难。
この会議は、2022年の国連環境総会の決議を受けて設けられたあと、条約のとりまとめを目指して続けられていて、8月5日にスイスのジュネーブで再開した回">今回の会議にはおよそ180の国と地域の代表者が参加しています。
这次会议是在2022年联合国环境大会决议之后设立的,旨在达成条约,目前仍在持续进行,并于8月5日在瑞士日内瓦重新召开。本次会议有大约180个国家和地区的代表参加。
14日に予定されている最終日に向けて閣僚級の会合などが行われていますが、EU=ヨーロッパ連合や太平洋の島しょ国などがプラスチックの生産量に規制を設ける必要性を主張する一方、サウジアラビアなどプラスチックの原料となる石油の産出国は反発しています。
目前正在举行部长级会议等活动,为14日预定的最后一天做准备。欧盟(EU)以及太平洋岛国等主张有必要对塑料的生产量进行限制,而以沙特阿拉伯为代表的石油生产国则对此表示反对,因为石油是塑料的原材料。
さらに、アメリカのトランプ政権から初めて参加している代表団もプラスチックの生産量の規制に消極的な姿勢を示し、意見の隔たりが続いています。
此外,首次由美国特朗普政府派出的代表团也对限制塑料产量持消极态度,分歧仍在持续。
9日に公開されたこれまでの議論を踏まえた条約案では、プラスチックの生産量の規制を含む論点についてさまざまな案が併記されていて、太平洋の島しょ国でつくるグループを代表して声明を発表したツバルによりますと、文言が合意できていない箇所は1000を超え、協議は難航しているということです。
根据9日公布的、基于此前讨论的条约草案,关于包括限制塑料产量在内的议题,列举了多种方案。据代表太平洋岛国集团发表声明的图瓦卢称,尚未就措辞达成一致的部分超过1000处,协商进展十分艰难。
13日には新しい議長案も示されましたが、プラスチックの生産量の規制に直接関わる条文がなくなっていて、規制の強化を求める国からは「受け入れられない」などと反発が相次ぎました。
13日,虽然提出了新的主席提案,但其中已没有直接涉及塑料生产量管制的条款,要求加强管制的国家纷纷表示“无法接受”等,反对声音接连不断。
会議は14日に予定された最終日を迎えますが、延長は避けられないとの見方も出ていて、各国が歩調を合わせ条約をとりまとめられるか注目されます。
会议将在14日迎来预定的最后一天,但也有观点认为延期不可避免,备受关注的是各国能否步调一致达成条约。
プラスチックごみのリサイクル フランスの企業では
今回の会議で焦点の1つとなっているのが、プラスチックごみのリサイクルのあり方です。
法国企业在本次会议上关注的焦点之一是塑料垃圾的回收方式。
EU=ヨーロッパ連合では、使い捨てのプラスチック製品の流通を規制するなどリサイクルを推進する政策を進めています。
在欧盟,正在推进促进回收利用的政策,例如对一次性塑料制品的流通进行管制。
こうした政策の後押しも受けながら事業を拡大する企業も現れていて、このうち建材などを製造するフランスのメーカー「ル・パべ」は、国内を中心に回収したプラスチックごみだけを製品の材料に使用しています。
在这些政策的推动下,也出现了一些企业正在扩大业务,其中,生产建材等产品的法国制造商“Le Pavé”,只使用主要在国内回收的塑料垃圾作为产品原材料。
使い捨てプラスチックの削減を目指した去年のパリオリンピック・パラリンピックで表彰台や一部の競技場の座席を受注したことをきっかけに事業規模が拡大し、これまでにリサイクルしたプラスチックの量は1000トンを超えているということです。
以去年巴黎奥运会和残奥会为契机,致力于减少一次性塑料,该公司承接了领奖台和部分比赛场馆座椅的订单,业务规模由此扩大。据称,到目前为止回收利用的塑料总量已超过1000吨。
「ル・パベ」のマリウス・アムロCEOは「パリオリンピックは、リサイクルされた製品の品質の高さと循環型経済は両立できるのだということを示す絶好の機会でした」と振り返っていました。
“Le Pavé”的首席执行官马吕斯·阿姆罗回顾道:“巴黎奥运会是一个绝佳的机会,向人们展示了回收产品的高品质与循环经济是可以兼得的。”
一方で、リサイクルで作られたプラスチック製品の価格は、処理などにかかる費用のため通常の製品と比べて高くなる傾向があると指摘されています。
另一方面,有人指出,由回收塑料制成的产品由于加工等费用,价格往往比普通产品更高。
アムロCEOは「業者の多くは、リサイクルするプラスチック製品の方が通常のプラスチックよりも安いときにだけ使っています。
阿姆罗CEO表示:“许多业者只有在回收塑料制品比普通塑料更便宜的时候才会使用。”
市場は
持続可能な
方策を
求めていますが、
それは
通常のプラスチックが
持つよさを
犠牲にしないことが
条件なのです」と
述べ、プラスチックごみの
削減を
進めるためにはリサイクルされた
製品の
競争力を
高めて
いく必要があるとしています。
市场在寻求可持续的对策,但前提是不牺牲普通塑料所具备的优点。他表示,为了推进塑料垃圾的减少,有必要提高回收产品的竞争力。
日本の廃プラスチックの有効利用率は?
日本の廃プラスチックの有効利用率は、プラスチック循環利用協会によりますと、2023年の時点で89%でした。
日本废塑料的有效利用率是多少?根据塑料循环利用协会的数据,截至2023年,日本废塑料的有效利用率为89%。
その方法を見ると、▽焼却で発生する熱を回収して発電などに利用する「サーマルリサイクル」が60%余り、▽使用済みの製品などを新たな製品の材料として使う「マテリアルリサイクル」は20%余りなどとなっています。
从该方法来看,通过回收焚烧过程中产生的热能用于发电等的“热能回收(热回收)”占60%以上,而将使用过的产品等作为新产品原材料利用的“材料回收”占20%以上等。
この現状について、専門家からは、温室効果ガスの排出量を減らす観点などから、より環境への負荷が少ない焼却以外の分野のリサイクル方法を増やす必要があるとの指摘があがっています。
关于这一现状,专家指出,从减少温室气体排放等角度来看,有必要增加对环境负担较小的非焚烧领域的回收利用方法。
いらなくなったプラスチック製品を商品に 長崎の水産会社
カタクチイワシ漁などを行う長崎県雲仙市の水産会社では、漁で使い古したポリエステル製の漁網を再利用した、たわしを5年前から本格的に販売しています。
将不再需要的塑料制品变成商品 长崎县云仙市一家从事鳀鱼捕捞等业务的水产公司,从5年前开始正式销售用渔业中用旧的聚酯渔网再利用制成的刷子。
このたわしは従業員がすべて手作業で作っていて、破れたりすれたりした漁網を縦横それぞれ40センチほどの大きさに切りそろえて、アイロンで形を整えたあと、手のひらほどのサイズにたたんでいました。
这个刷子是由员工们全部手工制作的,把破损或磨损的渔网裁剪成大约纵横各40厘米的大小,用熨斗整理好形状后,再折叠成手掌大小。
販売のきっかけは、コロナ禍で水産加工品などの売り上げが落ちるなか、雇用を守るために始めた苦肉の策だったということです。
据说,开始销售的契机是在新冠疫情期间,水产加工品等的销量下滑,为了守护就业而采取的不得已的措施。
しかし、丈夫で泡立ちやすく汚れを落としやすいという評判や、環境意識の高まりなどで、去年はおよそ1万5000個を売り上げるなど、生産が追いつかないほどになっているということです。
然而,由于其结实、容易起泡且易于去除污垢的口碑,以及环保意识的提高,去年销量达到约1万5000个,生产已经跟不上需求。
この会社では、使わなくなった漁網を以前は無償で譲ったり廃棄したりしていましたが、現在では自前の漁網では足りず、別の漁業者から使わなくなった漁網を買い取って注文に応えているということです。
在这家公司,以前不用的渔网要么无偿转让,要么废弃处理,但现在自家的渔网已经不够用,因此还要从其他渔民那里收购不用的渔网来满足订单需求。
「天洋丸」の竹下千代太社長は「処分するだけだったものがお金になればいいなと思って販売し始めたのが、売れて、もう1回使ってもらうことになり、ありがたい。
天洋丸公司的竹下千代太社长表示:“原本只是要处理掉的东西,想着如果能变成钱就好了,于是开始销售,结果卖出去了,又能被再次使用,真的很感激。”
買ってもらった
人には
網の
向こうにある
漁師のことを
思い浮かべてもらいながら、エコにつながることを
意識してもらいたい」と
話していました。
他说:“我希望买了这款产品的人,在使用时能想到网那头的渔民,并意识到这与环保息息相关。”
専門家 “循環型社会 再生材使う方向性 非常に強くなっている”
プラスチックごみによる環境汚染の問題に詳しい京都高度技術研究所の酒井伸一副所長は「プラスチック素材の多くが石油をベースにした材料となっているので、これを廃棄する過程で焼却すれば、二酸化炭素を排出して温室効果につながってしまうという構造的な問題もある。
专家:“循环型社会 使用再生材料的趋势非常明显” 京都高度技术研究所副所长酒井伸一对塑料垃圾造成的环境污染问题十分了解,他表示:“由于大多数塑料材料都是以石油为基础的材料,如果在处理废弃过程中进行焚烧,就会排放二氧化碳,从而导致温室效应,这也是一个结构性的问题。”
循環型社会はひとつの
大きな
方向性、ベクトルであることは
間違いないし、
何より
しっかりと
再生材を
使っていく
方向で
物事を
考えていきましょうという
方向は
非常に
強くなってきている」としています。
循环型社会无疑是一个重要的大方向和趋势,尤其是以积极利用再生材料为导向来思考事物的倾向也越来越强烈。
そのうえで「再生材をしっかり使うという方向が社会に根づくためには、その共通のルールと、時間がかかる。
在此基础上,为了让“充分利用再生材料”的方向在社会中扎根,必须有共同的规则,并且需要时间。
個々の
企業だけの
決断ではいかないところをしっかり
後押しできるよう
政府の
支援があっても
よいのではないか」と
指摘しています。
“是不是应该有政府的支持,以便在不是单靠各个企业决断就能解决的地方,能够给予有力的推动呢?”他指出。
そのうえで、スイスで議論されている国際条約については「プラスチックの再利用に向けたリサイクルについては、異物の処理などに手間やコストがかかるなどの課題もあるが、近年、再生プラスチックをしっかり使っていこうと考えている事業者の方も相当増えてきていて、国際条約がどうなるか気にしている人も多いと思う。
在此基础上,关于在瑞士讨论的国际条约,“关于为实现塑料再利用而进行的回收,虽然在异物处理等方面存在费时费钱等课题,但近年来,认真致力于使用再生塑料的企业也大幅增加,关心国际条约走向的人也很多。”
そういう
人のチャレンジするマインドをくじくことにはなってほしくないと
強く
思う」と
話していました。