プラスチック環境かんきょう汚染おせん防止ぼうし 国際こくさい条約じょうやく目指めざ会議かいぎ 協議きょうぎ難航なんこう

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N1 Aug 14, 2025 06:08 411
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Journal japonais
プラスチックによる環境かんきょう汚染おせんふせぐため、はじめての国際こくさい条約じょうやくのとりまとめを目指めざてスイスでおこなわれている会議かいぎが、14日じゅうよっか予定よていされた最終さいしゅうむかえますが、焦点しょうてんとなっているプラスチックの生産せいさんりょう規制きせいむかどうなどをめぐって各国かっこく意見いけんへだたりがあり、協議きょうぎ難航なんこうしています。

この会議かいぎは、2022にせんにじゅうにねん国連こくれん環境かんきょう総会そうかい決議けつぎけてもうけられたあと、条約じょうやくのとりまとめを目指めざしてつづけられていて、8はちがつ5日いつかにスイスのジュネーブで再開さいかいしたこんかい会議かいぎにはおよそ180ひゃくはちじゅうくに地域ちいき代表だいひょうしゃ参加さんかしています。

14日じゅうよっか予定よていされている最終さいしゅうけて閣僚かくりょうきゅう会合かいごうなどがおこなわれていますが、EU=ヨーロッパ連合れんごう太平洋たいへいようとうしょこくなどがプラスチックの生産せいさんりょう規制きせいもうける必要ひつようせい主張しゅちょうする一方いっぽう、サウジアラビアなどプラスチックの原料げんりょうなる石油せきゆ産出さんしゅつこく反発はんぱつしています。

さらに、アメリカトランプ政権せいけんからはじめて参加さんかしている代表だいひょうだんもプラスチックの生産せいさんりょう規制きせい消極しょうきょくてき姿勢しせいしめし、意見いけんへだたりがつづいています。

9日ここのか公開こうかいされたこれまでの議論ぎろんまえた条約じょうやくあんでは、プラスチックの生産せいさんりょう規制きせいふく論点ろんてんについてさまざまなあん併記へいきされていて、太平洋たいへいようとうしょこくでつくるグループ代表だいひょうして声明せいめい発表はっぴょうしたツバルによりますと、文言もんごん合意ごういできていない箇所かしょ1000せんえ、協議きょうぎ難航なんこうしているということです。

13日じゅうさんにちにはあたらしい議長ぎちょうあんしめされましたが、プラスチックの生産せいさんりょう規制きせい直接ちょくせつかかわる条文じょうぶんがなくなっていて、規制きせい強化きょうかもとめるくにからは「れられない」などと反発はんぱつ相次あいつぎました。

会議かいぎ14日じゅうよっか予定よていされた最終さいしゅうむかえますが、延長えんちょうけられないとの見方みかたていて、各国かっこく歩調ほちょうわせ条約じょうやくをとりまとめられるか注目ちゅうもくされます。
プラスチックごみのリサイクル フランスの企業きぎょうでは
今回こんかい会議かいぎ焦点しょうてん1ひとつとなっているのが、プラスチックごみのリサイクルのありかたです。

EU=ヨーロッパ連合れんごうでは、使つかてのプラスチック製品せいひん流通りゅうつう規制きせいするなどリサイクルを推進すいしんする政策せいさくすすめています。

こうした政策せいさく後押あとおしもけながら事業じぎょう拡大かくだいする企業きぎょうあらわれていて、このうち建材けんざいなどを製造せいぞうするフランスのメーカー「ル・パべ」は、国内こくない中心ちゅうしん回収かいしゅうしたプラスチックごみだけを製品せいひん材料ざいりょう使用しようしています。

使つかてプラスチックの削減さくげん目指めざした去年きょねんのパリオリンピック・パラリンピックで表彰ひょうしょうだい一部いちぶ競技きょうぎじょう座席ざせき受注じゅちゅうしたことをきっかけ事業じぎょう規模きぼ拡大かくだいし、これまでにリサイクルしたプラスチックのりょう1000せんトンえているということです。
「ル・パベ」のマリウス・アムロCEOは「パリオリンピックは、リサイクルされた製品せいひん品質ひんしつたかさと循環じゅんかんがた経済けいざい両立りょうりつできるのだということをしめ絶好ぜっこう機会きかいでした」とかえっていました。

一方いっぽうで、リサイクルでつくられたプラスチック製品せいひん価格かかくは、処理しょりなどにかかる費用ひようのため通常つうじょう製品せいひんくらべてたかくなる傾向けいこうある指摘してきされています。

アムロCEOは「業者ぎょうしゃおおくは、リサイクルするプラスチック製品せいひんほう通常つうじょうのプラスチックよりもやすいときにだけ使つかっています。市場しじょう持続じぞく可能かのう方策ほうさくもとめていますが、それ通常つうじょうのプラスチックがつよさを犠牲ぎせいにしないことが条件じょうけんなのです」とべ、プラスチックごみの削減さくげんすすめるためにはリサイクルされた製品せいひん競争きょうそうりょくたかめていく必要ひつようがあるとしています。
日本にっぽんはいプラスチックの有効ゆうこう利用りようりつは?
日本にっぽんはいプラスチックの有効ゆうこう利用りようりつは、プラスチック循環じゅんかん利用りよう協会きょうかいによりますと、2023年にせんにじゅうさんねん時点じてん89はちじゅうきゅう%でした。

その方法ほうほうると、▽焼却しょうきゃく発生はっせいするねつ回収かいしゅうして発電はつでんなどに利用りようする「サーマルリサイクル」が60ろくじゅうあまり、▽使用しようみの製品せいひんなどをあらたな製品せいひん材料ざいりょうとして使つかう「マテリアルリサイクル」は20にじゅうあまりなどとなっています。

この現状げんじょうについて、専門せんもんからは、温室おんしつ効果こうかガス排出はいしゅつりょうらす観点かんてんなどから、より環境かんきょうへの負荷ふかすくない焼却しょうきゃく以外いがい分野ぶんやのリサイクル方法ほうほうやす必要ひつようがあるとの指摘してきがあがっています。
いらなくなったプラスチック製品せいひん商品しょうひん長崎ながさき水産すいさん会社かいしゃ
カタクチイワシりょうなどをおこな長崎ながさきけん雲仙うんぜん水産すいさん会社かいしゃでは、りょう使つかふるしたポリエステルせい漁網ぎょもうさい利用りようした、たわしを5年ごねんまえから本格ほんかくてき販売はんばいしています。

このたわしは従業じゅうぎょういんがすべて作業さぎょうつくっていて、やぶれたりすれたりした漁網ぎょもう縦横じゅうおうそれぞれ40よんじゅうセンチほどのおおきさにりそろえて、アイロンかたちととのえたあと、のひらほどのサイズにたたんでいました。
販売はんばいのきっかけは、コロナ水産すいさん加工かこうひんなどのげがちるなか、雇用こようまもるためにはじめた苦肉くにくさくだったということです。

しかし丈夫じょうぶ泡立あわだちやすくよごれをとしやすいという評判ひょうばんや、環境かんきょう意識いしきたかまりなどで、去年きょねんはおよそ1いちまん5000ごせんげるなど、生産せいさんいつかないほどになっているということです。

この会社かいしゃでは、使つかわなくなった漁網ぎょもう以前いぜん無償むしょうゆずったり廃棄はいきしたりしていましたが、現在げんざいでは自前じまえ漁網ぎょもうではりず、べつ漁業ぎょぎょうしゃから使つかわなくなった漁網ぎょもうって注文ちゅうもんこたえているということです。
てんようまる」の竹下たけした千代太ちよた社長しゃちょうは「処分しょぶんするだけだったものがおかねになればいいなとおもって販売はんばいはじめたのが、れて、もう1回いっかい使つかってもらうことになり、ありがたい。ってもらったひとにはあみこうにある漁師りょうしのことを思い浮おもいうかべてもらいながら、エコにつながることを意識いしきしてもらいたい」とはなしていました。
専門せんもん循環じゅんかんがた社会しゃかい 再生さいせいざい使つか方向ほうこうせい 非常ひじょうつよくなっている”
プラスチックごみによる環境かんきょう汚染おせん問題もんだいくわしい京都きょうと高度こうど技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょ酒井さかい伸一しんいちふく所長しょちょうは「プラスチック素材そざいおおくが石油せきゆベースにした材料ざいりょうとなっているので、これを廃棄はいきする過程かてい焼却しょうきゃくすれば、酸化さんか炭素たんそ排出はいしゅつして温室おんしつ効果こうかにつながってしまうという構造こうぞうてき問題もんだいもある。循環じゅんかんがた社会しゃかいはひとつのおおきな方向ほうこうせい、ベクトルであることは間違まちがいないし、なによりしっかり再生さいせいざい使つかっていく方向ほうこう物事ものごとかんがえていきましょうという方向ほうこう非常ひじょうつよくなってきている」としています。

そのうえで「再生さいせいざいをしっかり使つかうという方向ほうこう社会しゃかいづくためには、その共通きょうつうルールと、時間じかんがかかる。個々ここ企業きぎょうだけの決断けつだんではいかないところをしっかり後押あとおしできるよう政府せいふ支援しえんがあってもよいのではないか」と指摘してきしています。

そのうえで、スイスで議論ぎろんされている国際こくさい条約じょうやくについては「プラスチックのさい利用りようけたリサイクルについては、異物いぶつ処理しょりなどに手間てまやコストがかかるなどの課題かだいもあるが、近年きんねん再生さいせいプラスチックをしっかり使つかっていこうとかんがえている事業じぎょうしゃほう相当そうとうえてきていて、国際こくさい条約じょうやくがどうなるかにしているひとおおいとおもう。そういうひとのチャレンジするマインドをくじくことにはなってほしくないとつよおもう」とはなしていました。








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