岩手県大船渡市でことし
2月に
起きた
大規模な
山林火災は、
26日で
発生から
半年となりました。
今年2月在岩手县大船渡市发生的大规模森林火灾,截至26日已过去半年。
当時は
火の
手が
迫る
中、
住民どうしの
助け
合いによって
寸前のところで
命が
助かった
ケースもありました。
在当时,火势逼近之际,也有居民们互相帮助,在千钧一发之际救回了性命的情况。
平成以降で
最大規模の
面積が
焼失した
この火災。
半年が
経った
今、
浮かび
上がって
来た
新たな
課題があります。
“
平成以降で
最大規模”
ことし
2月26日に
大船渡市で
発生した
山林火災は
鎮火まで
40日かかり、
平成以降で
最大規模と
なるおよそ3370ヘクタールが
焼失した
ほか、
226棟の
建物が
被害を
受け、
90歳の
男性が
亡くなりました。
“平成以来规模最大”今年2月26日在大船渡市发生的山林火灾花了40天才被扑灭,成为平成以来规模最大的火灾,约有3370公顷被烧毁,此外有226栋建筑受损,一名90岁的男性不幸遇难。
また当時は
最大でおよそ
4300人余りが
避難所などに
避難しました。
==
あのとき、
現場で
何が==
1.
火の
手が
迫る
中で…
「
80代の
1人暮らしの
女性が
取り
残されているので
助けてほしい」
大船渡市三陸町綾里の
小路地区では、
住民が
避難していた
公民館の
館長に
相談が
寄せられていました。
相談を
受けた
館長と
消防団員が
警察とともに
車で
救助に
向かい、
火の
手が
迫る
山道を
抜け
現場にたどりついたところ、
女性が
煙が
立ちこめる
中で
家の
近くの
畑に
立っていたということです。
接到求助后,馆长和消防团员与警方一起驱车前往救援,穿过火势逼近的山路到达现场时,发现那名女性正站在浓烟弥漫的家附近的田地里。
女性にけがはなく
無事に
救助されましたが、
救助に
当たった
人たちは「ギリギリの
避難だった」と
振り
返っています。
女性没有受伤,被安全救出,但参与救援的人们回顾说:“这是一场险些来不及的撤离。”
救出された
女性は「もしかしたら
これはダメなのかな、
私ここで
死んじゃうのかしらと
思いました。
被救出的女性说:“我曾想,或许这次真的不行了,我是不是就要在这里死去了。”
皆さんに
守ってい
ただいたと
思っています」と
話していました。
綾里地区公民館の
村上芳春館長は「
火の
回りが
非常に
速く、
出動が
15分遅れていたら
救助に
向かえなかったかもしれないので、あとになってぞっとしました。
绫里地区公民馆的馆长村上芳春表示:“火势蔓延得非常快,如果出动晚了15分钟,可能就无法前去救援了,事后想起来感到非常后怕。”
大きな
炎になる
前だったので
運がよかったと
思います」と
話していました。
2.
住民どうしの
助け
合い
山林火災の
発生からおよそ
1時間後に
避難指示が
発表された
大船渡市三陸町綾里の
石浜地区では、
家族や
住民どうしの
助け
合いによって
高齢者の
命が
助かったケースもありました。
大约在山林火灾发生一小时后发布了疏散指示,在大船渡市三陆町绫里的石滨地区,也有通过家人和居民之间的互助,成功救助高龄者生命的案例。
当時、
実家を
訪れていた
及川真実さんは、
避難指示が
発表される
30分ほど
前に、
1人では
避難が
難しい
90代の
祖母を
連れて
近所の
人とともに
車で
避難しました。
当时,正在探亲的及川真实女士,在避难指示发布前约30分钟,带着一位独自避难有困难的90多岁祖母,与邻居一起乘车撤离了。
真実さんは当時の
状況について「
外に
出たら
山の
上の
方から
煙が
出て
舞い
上がっていた。
真実女士谈到当时的情况时说:“一出门就看到山顶上冒着烟,烟雾升腾而起。”
目が
痛くなるようで、ここにはいられないと
思いすぐ
避難しました」と
話していました。
他说:“好像眼睛会感到疼痛,我觉得不能待在这里,于是立刻避难了。”
一方、
真実さんの
母親の
山下祐子さんは、
近所の
住民と
協力して
高齢者などに
避難を
呼びかけ
地区の
全員が
無事に
避難できたということです。
另一方面,真実的母亲山下祐子与附近居民合作,呼吁包括老人在内的所有人撤离,据说该地区的所有人都安全撤离了。
親子は
今回の
火災を
通じて、
改めて
地域の
結び
付きや「
共助」の
大切さを
感じたと
振り
返ります。
父母通过这次火灾,重新体会到了社区联系和“互助”的重要性。
祐子さんは「
1人暮らしの
方で
耳が
遠い
人がいて、
助けないと
取り
残されてしまったかもしれません。
祐子说:“有一位独居且耳背的人,如果不去帮助他,他可能就会被落下。”
やはり声かけと
助け
合いが
大切だと
感じました」と
話していました。
==
浮かび
上がる
課題==
今回の
火災では、
高齢者が
亡くなったほか、
命の
危険にさらされるケースも
多く
見られました。
災害時の
高齢者の
避難をどう
進めるべきか。
発生から
半年が
経ち、
浮かび
上がって
来た
課題があります。
1.
進まない
個別避難計画の
策定国は
14年前に
発生した
東日本大震災のあと、
全国の
市区町村に
対し、
自力での
避難が
難しい
高齢者や
障害者といった「
要支援者」の
名簿の
作成を
義務づけました。
制定个别避难计划进展缓慢。14年前发生东日本大地震后,国家要求全国各市区町村必须制定难以自行避难的老年人和残障人士等“需要支援者”的名单。
そのうえで
一人一人の
避難場所や
経路などを
具体的に
定めた「
個別避難計画」の
策定を、
努力義務として
求めています。
在此基础上,要求作为努力义务,制定具体规定每个人的避难场所和路线等的“个人避难计划”。
ただこの
計画の
策定は
全国的に
進んでいないのが
現状で、
大船渡市でも
策定率は
1%
余りとなっています。
但目前的实际情况是,这项计划在全国范围内推进得并不顺利,即使在大船渡市,制定率也仅为1%左右。
2.
要支援者でない
高齢者の
避難さらに「
要支援者」でない
高齢者は
計画策定の
対象になっていません。
市内の
小路地区では
90代の
男性が
亡くなり、
80代の
女性が
自宅に
取り
残されましたが、
いずれも
要支援者ではないことから
計画の
対象外だったということです。
在市区的小路地区,一名90多岁的男性去世,一名80多岁的女性被困在家中,但由于他们都不是需要支援者,所以不在该计划的对象范围内。
亡くなった
90代の
男性は
1人で
歩いて
避難している
途中で
火災に
巻き
込まれたのではないかとみられています。
据推测,去世的90多岁男性是在独自步行避难途中被卷入火灾的。
80代の
女性は
防災行政無線が
一部聞こえていましたが、
大規模な
山林火災であると
分からなかったことなどが
避難の
遅れの
背景とみられます。
一位八十多岁的女性虽然能听到部分防灾行政无线广播,但由于没有意识到是大规模的森林火灾等原因,被认为导致了避难的延误。
山林火災では
進まない
個別避難計画の
策定だけでなく「
要支援者」ではない
高齢者の
避難という
新たな
課題も
浮かび
上がり、
誰ひとり
取り
残さない
避難は
可能なのか
模索が
続いています。
在山林火灾中,不仅个别避难计划的制定进展缓慢,连“非需支援者”的高龄者避难这一新课题也浮现出来,人们仍在不断探索是否能够实现“不让任何一人被落下”的避难。
大船渡市長寿社会課の
佐々木卓也課長は「
想定外ということではあるが、
事実として
起きたことだ。
大船渡市长寿社会科的课长佐佐木卓也表示:“虽然说是出乎意料,但这确实是已经发生的事实。”
やはり
支援のしかた、
避難のしかたというのをさらに
考えなければならないと
考えています」と
話していました。
果然还是需要进一步思考支援的方式和避难的方法,他这样说道。
「セルフ
プランの
避難計画を」
高齢者の避難の課題について、福祉防災に詳しい同志社大学社会学部の立木茂雄教授は、山林のある地域では土砂崩れや洪水だけでなく山林火災も災害リスクと認識する必要があるとしています。“制定自助避难计划” 关于老年人避难的问题,精通福利防灾的同志社大学社会学部的立木茂雄教授表示,在有山林的地区,不仅需要认识到泥石流和洪水的风险,还必须将森林火灾也视为灾害风险。
そのうえで「人手が少なく地域の高齢化も進む中では『セルフプラン』を作るという考え方もある。在此基础上,在人员短缺且地区老龄化不断加剧的情况下,也有“制定自助计划”这一想法。
まずは『ひやっとした経験がある人』から計画を作ってほしい。首先,请从“有过让人感到害怕或惊险经历的人”开始制定计划。
1人暮らしとか高齢世帯の方などで、自分がどう避難するのか自身で計画を作り身を守る。像独居或高龄家庭等,需要自己制定避难计划,保护自身安全。
それが難しい人については日常の生活をサポートしている福祉関係者や行政、それに地域の人などの支えが必要だ」と指摘しています。对于那些感到困难的人来说,需要有福祉相关人员、行政部门以及社区居民等在日常生活中的支持。
また立木教授は、個別避難計画が進まない状況について、全体の達成率だけで考えるのではなく『本当に放っておけない人』の優先度に応じて実効性のある計画を作っていくべきだとしています。立木教授还表示,对于个人疏散计划进展缓慢的情况,不应仅以整体达成率来考虑,而应根据“真正不能被忽视的人”的优先级,制定切实可行的计划。
立木教授は「福祉や防災の担当者らが部署の垣根を越えてスクラムを組むとともに、地域とも一体となって計画策定に取り組んでいくことが重要だ」と話していました。立木教授表示:“福利和防灾负责人等应跨越部门壁垒协同合作,并与当地社区紧密结合,共同致力于制定相关计划,这一点非常重要。”
内閣府 “
自治体職員の
人手不足が
課題”
一方、
内閣府の
担当者は
自治体職員の
人手不足が
課題だという
認識を
示しています。そのうえで
策定を
経験した
自治体職員をアドバイザー
役として
別の
自治体に
派遣する
制度や、
策定に
関わる
団体を
集めた
協議会の
開催などを
通じて
計画の
策定を
促していきたいとしています。
在此基础上,政府希望通过派遣有制定经验的地方政府职员作为顾问到其他地方政府,以及举办汇集相关团体的协商会议等方式,来推动计划的制定。