政府せいふ 緊急きんきゅう経済けいざい対策たいさくを決定けってい 事業じぎょう規模きぼは総額そうがく108兆ちょう円えん程度ていど

この中なかでは、収入しゅうにゅうが減少げんしょうし、生活せいかつが困難こんなんになっている世帯せたいを中心ちゅうしんに１いち世帯せたい当あたり30万まん円えんの現金げんきんを給付きゅうふし、手元てもとに早はやく届とどくよう、みずから申請しんせいする方式ほうしきで実施じっしするとしています。

また、子育こそだて世帯せたいを支援しえんするため、児童じどう手当てあての受給じゅきゅう世帯せたいに対にたいし、児童じどう１いち人にん当あたり１いち万まん円えんを上乗うわのせするとしています。

さらに、中小ちゅうしょう企業きぎょうなどを対象たいしょうにした給付きゅうふ金きんは、事業じぎょう収入しゅうにゅうが前まえの年としの同おなじ月つきに比くらべて50％以上いじょう減少げんしょうした事業じぎょう者しゃに、中堅ちゅうけん・中小ちゅうしょう企業きぎょうには200万まん円えん、フリーランスを含ふくむ個人こじん事業じぎょう主ぬしには、100万まん円えんをそれぞれ上限じょうげんに減少げんしょう分ぶんを給付きゅうふするとしています。

一方いっぽう、雇用こようの維持いじに向むけ、雇用こよう調整ちょうせい助成じょせい金きんを６月ろくがつ末まつまで拡充かくじゅうするとしていて、解雇かいこを行おこなわない場合ばあいは、中小ちゅうしょう企業きぎょうは10分ぶんの９きゅう、大だい企業きぎょうは４よん分ぶんの３さんまで助成じょせい率りつを引き上ひきあげ、非ひ正規せいきの労働ろうどう者しゃも対象たいしょうとするなどとしています。

このほか、税金ぜいきんや社会しゃかい保険ほけん料りょうについても、総額そうがく26兆ちょう円えん規模きぼの支払しはらいを猶予ゆうよするとしています。

また、治療ちりょう薬やくとして効果こうかが期待きたいされている、インフルエンザ治療ちりょう薬やくの「アビガン」について、今年度こんねんど内ないに200万まん人にん分ぶんの備蓄びちくを目指めざすとしています。

緊急きんきゅう経済けいざい対策たいさくには去年きょねん12月つきに決定けっていした経済けいざい対策たいさくの一部いちぶも含ふくまれていて、事業じぎょう規模きぼの総額そうがくは108兆ちょう円えん程度ていど、財政ざいせい支出ししゅつが39兆ちょう円えん程度ていどとなっています。

森山もりやま国対こくたい委員いいん長ちょう「補正ほせい予算よさん案あん 連休れんきゅう前まえに成立せいりつを」

自民党じみんとうの森山もりやま国会こっかい対策たいさく委員いいん長ちょうは記者きしゃ団だんに対にたいし、「補正ほせい予算よさん案あんは、再来週さらいしゅう早々そうそうに国会こっかいに提出ていしゅつされるのではないか。審議しんぎ日程にっていについて野党やとうと協議きょうぎし、できるだけ早はやく、大型おおがた連休れんきゅう前まえには成立せいりつさせたい」と述のべました。

新あらたな対策たいさくは事業じぎょう規模きぼ 86兆ちょう4000億おく円えん程度ていど

今回こんかいの緊急きんきゅう経済けいざい対策たいさくは「事業じぎょう規模きぼ」が108兆ちょう2000億おく円えん程度ていど、「財政ざいせい支出ししゅつ」が39兆ちょう5000億おく円えん程度ていどに上のぼります。

この中なかには一連いちれんの災害さいがいからの復旧ふっきゅう、復興ふっこうや、経済けいざいの下した振ふれリスクに備そなえるため去年きょねん12月つきに決定けっていした、事業じぎょう規模きぼで26兆ちょう円えんの経済けいざい対策たいさくのうち、今後こんご効果こうかが見込みこまれるものとして19兆ちょう8000億おく円えん程度ていどが計上けいじょうされているほか、先月せんげつまでにまとめた緊急きんきゅう対応たいおう策さくの第だい１いち弾だんと第だい２に弾だんを合あわせた、事業じぎょう規模きぼで２に兆ちょう1000億おく円えん程度ていども含ふくまれています。

今回こんかい、新あらたに追加ついかされた対策たいさくとしては、事業じぎょう規模きぼが86兆ちょう4000億おく円えん程度ていどとなり、このうち財政ざいせい支出ししゅつは29兆ちょう2000億おく円えん程度ていどということになります。

「事業じぎょう規模きぼ」と「財政ざいせい支出ししゅつ」

経済けいざい対策たいさくは、対策たいさく全体ぜんたいの規模きぼを示しめす「事業じぎょう規模きぼ」と、国くにの支出ししゅつなどを示しめす「財政ざいせい支出ししゅつ」の２ふたつの数字すうじで表あらわされます。

今回こんかいの対策たいさくでは事業じぎょう規模きぼはリーマンショックのあとの2009年ねん４月しがつに決定けっていした経済けいざい対策たいさくの56兆ちょう8000億おく円えんを上回うわまわり、日本にっぽんのＧＤＰじ-でぃ-ぴ-＝国内こくない総そう生産せいさんの20％にあたる過去かこ最大さいだいの規模きぼだとしています。

財政ざいせい支出ししゅつは国くにの一般いっぱん会計かいけいや特別とくべつ会計かいけいからの支出ししゅつに、地方ちほう自治体じちたいの負担ふたんや財政ざいせい投融資とうゆうしを加くわえた総額そうがくを指さしています。

事業じぎょう規模きぼは、この財政ざいせい支出ししゅつに加くわえ、金融きんゆう機関きかんによる融資ゆうしや保証ほしょうの枠わく、税金ぜいきんや社会しゃかい保険ほけん料りょうの支払しはらいの猶予ゆうよ、それに事業じぎょうに参加さんかする民間みんかん企業きぎょうの支出ししゅつなども含ふくめた対策たいさくの総額そうがくを示しめすため、「財政ざいせい支出ししゅつ」より大おおきな額がくとなります。

専門せんもん家か「感染かんせん拡大かくだいでは経済けいざい対策たいさくしても景気けいき改善かいぜんない」

今回こんかいの緊急きんきゅう経済けいざい対策たいさくについて、ＳＭＢＣ日興にっこう証券しょうけんのシニアエコノミスト、宮前みやまえ耕こう也さんは「経済けいざい活動かつどうが止とまっている間ま、収入しゅうにゅうをサポートするという、今いま、求もとめられている政策せいさくに加くわえて、感染かんせんが収おさまったあとの景気けいき刺激しげき策さくという先さきを見据みすえた政策せいさくもあり評価ひょうかできる。日本にっぽんの経済けいざい規模きぼを考かんがえると全体ぜんたいとしては必要ひつような対策たいさくの規模きぼは確保かくほされたのではないか」と分析ぶんせきしました。

しかし、「感染かんせん症しょうの拡大かくだいが続つづくうちは、経済けいざい対策たいさくをいくら膨ふくらませても景気けいき改善かいぜんに持もっていくことはできない。感染かんせん症しょうが長引ながびくほど景気けいき低迷ていめいも続つづくし、経済けいざい対策たいさくによって財政ざいせいの負担ふたんも続つづき、事業じぎょう者しゃにとっても借り入かりいれが膨ふくらんで負担ふたんが重おもくなってしまう。感染かんせん拡大かくだいが止とまらないと経済けいざいの状況じょうきょうも改善かいぜんしない」と指摘してきしました。

そのうえで、宮前みやまえさんは東京とうきょうなど７なな都府県とふけんを対象たいしょうにした「緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん」について、「思い切おもいきって感染かんせん拡大かくだいを止とめるために緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんを出だして短期たんき決戦けっせんをはかる、短期たんきで感染かんせんの終息しゅうそくを目指めざすのは妥当だとうだと思おもう。感染かんせんを短期たんきで抑おさえられれば、先行さきゆきは景気けいきが回復かいふくし、財政ざいせい悪化あっかもある程度あるていどで食い止くいとめられる可能かのう性せいが出でてくる」と述のべました。