フィリピンの沿岸警備隊は、13日までに南シナ海の南沙諸島、英語名スプラトリー諸島にあるサビナ礁の浅瀬の海底に、人為的に投棄されたとみられる大量のさんごの残骸を確認したと発表しました。
公開された調査活動の映像からは、周辺とは色合いが異なる白いさんごの大量の残骸が海底に積み上がっている様子が確認できます。
沿岸警備隊は、中国海警局の船や中国漁船が長期間にわたってサビナ礁の複数の地点で停泊を続けていたことを確認しているとしたうえで、さんごの残骸は中国による新たな埋め立ての兆候だと主張しています。
サビナ礁についてフィリピン当局は、西部パラワン島からおよそ140キロに位置することから自国の排他的経済水域の内側だとしています。
沿岸警備隊は、13日の会見で、先月中旬から続けている巡視船の現場への派遣を今後も継続し、埋め立ての進行を阻止する方針を示しました。
フィリピン当局はことし3月にも南シナ海の別の海域で周辺とは異なる大量のさんごの残骸を見つけていて、中国による新たな埋め立てが疑われる動きに警戒を強めています。
中国「根拠がなくデマにすぎない」
中国外務省の汪文斌報道官は13日の記者会見で「根拠がなく、デマにすぎない。ここ最近、フィリピン側は繰り返しデマを流して中国側を中傷し、国際社会を誤った方向に導こうとたくらんでいるが、むだな行為だ」と反発しました。
そのうえで「無責任な発言をやめ、事実を直視し、できるだけ早く交渉を通じて意見の隔たりを解決する正しい軌道に戻るよう求める」と述べました。