Báo tiếng Nhật: 韓国大統領選挙当選したイ・ジェミョン新大統領が就任

3日にち、投票とうひょうが行おこなわれた韓国かんこくの大統領だいとうりょう選挙せんきょで当選とうせんしたイ・ジェミョン（李り在ざい明あきら）新しん大統領だいとうりょうが4日にち朝あさ、正式せいしきに就任しゅうにんし、5年間ねんかんの任期にんきがスタートしました。

イ氏しは支持しじ者しゃを前まえに演説えんぜつし、「国民こくみんの統合とうごうは大統領だいとうりょうの責任せきにんだ」と述のべ、ユン・ソンニョル前ぜん大統領だいとうりょうが「非常ひじょう戒厳かいげん」を宣言せんげんして以降いこう、深ふかまった社会しゃかいの分断ぶんだんや対立たいりつを解消かいしょうすると強調きょうちょうしました。

3日にち投票とうひょうが行おこなわれた韓国かんこくの大統領だいとうりょう選挙せんきょは、すべての開票かいひょうが終了しゅうりょうし、革新かくしん系けいの「共ともに民主党みんしゅとう」のイ・ジェミョン氏しが、保守ほしゅ系けいの「国民こくみんの力ちから」のキム・ムンス（金文きんぶん洙）氏しらを抑おさえて当選とうせんを果はたしました。

イ・ジェミョン氏しは4日にち未明みめい、集あつまった支持しじ者しゃを前まえに演説えんぜつし、「私わたしの1番目ばんめの使命しめいは内乱ないらんを克服こくふくし、2度どと軍事ぐんじクーデターが起おきないようにすることだ」と述のべました。

その上うえで、「政治せいじ家かが敵てき味方みかたに分わかれて争あらそったとしても国民こくみんも同おなじように憎にくみ合あう必要ひつようはない。

国民こくみんの統合とうごうは大統領だいとうりょうの責任せきにんだ」と述のべ、ユン前ぜん大統領だいとうりょうが去年きょねん12月つきに宣言せんげんした「非常ひじょう戒厳かいげん」以降いこう、深ふかまった社会しゃかいの分断ぶんだんや対立たいりつを解消かいしょうすると強調きょうちょうしました。

韓国かんこくの中央ちゅうおう選挙せんきょ管理かんり委員いいん会かいは4日にち午前ごぜん6時じから全体ぜんたい会議かいぎを開ひらいて、イ氏しの当選とうせんを最終さいしゅう的てきに確認かくにんしました。

今回こんかいの選挙せんきょは、ユン・ソンニョル（尹いん錫すず悦えつ）前ぜん大統領だいとうりょうの罷免ひめんに伴ともなって前倒まえだおしで行おこなわれ、前任ぜんにんの大統領だいとうりょうがいないため、政権せいけん移行いこうに伴ともなう引き継ひきつぎ期間きかんはなく、選挙せんきょ管理かんり委員いいん会かいの確認かくにんによってイ氏しが第だい21代だいの新しん大統領だいとうりょうに正式せいしきに就任しゅうにんし、5年間ねんかんの任期にんきがスタートしました。

イ新しん大統領だいとうりょうは4日にち、国会こっかいでの就任しゅうにん式しきに出席しゅっせきし、憲法けんぽうの規定きていに沿そって宣誓せんせいを行おこなうことになっています。

イ・ジェミョン氏しが勝利しょうりした背景はいけいは

最大さいだい野党やとう「共ともに民主党みんしゅとう」のイ・ジェミョン氏しが勝利しょうりした背景はいけいには、「非常ひじょう戒厳かいげん」を宣言せんげんした、ユン・ソンニョル前ぜん大統領だいとうりょうを厳きびしく批判ひはんし、政権せいけん交代こうたいを訴うったえて支持しじを広ひろげたことがあるとみられます。

「非常ひじょう戒厳かいげん」が宣言せんげんされた直後ちょくごには、軍ぐんの部隊ぶたいが投入とうにゅうされた国会こっかいに向むかう様子ようすをSNSでライブ配信はいしんし、「民主みんしゅ主義しゅぎをともに守まもろう」と国民こくみんに呼よびかけました。

最大さいだい野党やとうの代表だいひょうとしてユン前ぜん大統領だいとうりょうの罷免ひめんを強つよく求もとめ、今回こんかいの選挙せんきょを「内乱ないらんへの審判しんぱん」と位置いちづけて、選挙せんきょ戦せんでも繰り返くりかえし与党よとうの対応たいおうを批判ひはんしてきました。

選挙せんきょ戦せんでは極端きょくたんな発言はつげんは控ひかえ、無党派むとうは層そうへの支持しじ拡大かくだいを図はかったほか、保守ほしゅ層そうの切り崩きりくずしにも力ちからを入いれ、伝統でんとう的てきに保守ほしゅ層そうが強つよい南部なんぶのテグ（大邱たいきゅう）やキョンサン（慶けい尚なお）道みちもたびたび訪問ほうもんしました。

そして、対たいする保守ほしゅ系けい与党よとうが模索もさくした保守ほしゅ系けい候補こうほの一いち本ほん化かが実現じつげんしなかったことも勝因しょういんとなりました。

公認こうにん候補こうほの差し替さしかえの動うごきなど与党よとう内ないの混乱こんらんも続つづき、保守ほしゅ層そうが一枚岩いちまいいわになれなかったことが、イ氏しの勝利しょうりを大おおきく後押あとおしする一因いちいんとなりました。

キム・ムンス氏しが敗やぶれた背景はいけいは

与党よとう「国民こくみんの力ちから」のキム・ムンス氏しが敗やぶれた背景はいけいには、ユン・ソンニョル前ぜん大統領だいとうりょうによる「非常ひじょう戒厳かいげん」をめぐる有権者ゆうけんしゃの根強ねづよい反発はんぱつや、保守ほしゅ系けい候補こうほの一いち本ほん化かが実現じつげんしなかったことがあるとみられます。

与党よとうのキム氏しは、ユン前ぜん大統領だいとうりょうの弾劾だんがいに反対はんたいするなど、保守ほしゅ強硬きょうこう派はとして知しられましたが、選挙せんきょ期間きかん中ちゅうの演説えんぜつでは、「非常ひじょう戒厳かいげん」について、「国民こくみんに申し訳もうしわけなく思おもう」と繰り返くりかえし謝罪しゃざいしました。

しかし、「非常ひじょう戒厳かいげん」やその後そのごの政治せいじ的てき混乱こんらんに対にたいしては、支持しじ基盤きばんである保守ほしゅ層そうからも批判ひはんの声こえが出でていました。

また、与党よとうの執行しっこう部ぶが突然とつぜん、公認こうにん候補こうほの差し替さしかえを試こころみたものの、党員とういん投票とうひょうで否決ひけつされてキム氏しが再ふたたび公認こうにん候補こうほに復活ふっかつすることになり、党内とうないの混乱こんらんを印象いんしょうづける形かたちとなりました。

党とうが一枚岩いちまいいわとなって選挙せんきょ戦せんに臨のぞめなかったことも得票とくひょうを伸のばせなかった要因よういんとみられます。

さらに、キム氏しは、保守ほしゅ系けいの少数しょうすう政党せいとう「改革かいかく新党しんとう」から立候補りっこうほしたイ・ジュンソク（李り俊しゅん錫すず）氏しとの一いち本ほん化かも模索もさくしましたが、拒否きょひされて実現じつげんせず、保守ほしゅ層そうの票ひょうが分散ぶんさんしたことも敗因はいいんのひとつとなりました。

石破いしば首相しゅしょう祝辞しゅくじ「パートナーとして協力きょうりょくすべき重要じゅうような隣国りんごく」

石破いしば総理そうり大臣だいじんは韓国かんこくの大統領だいとうりょうに就任しゅうにんしたイ・ジェミョン氏しに祝辞しゅくじを送おくり「大統領だいとうりょうへの就任しゅうにんを心こころよりお祝おいわいする。

日本にっぽんと韓国かんこくは互たがいに国際こくさい社会しゃかいのさまざまな課題かだいにパートナーとして協力きょうりょくすべき重要じゅうような隣国りんごくだ。現下げんかの戦略せんりゃく環境かんきょうのもと日にち韓かん関係かんけいの重要じゅうよう性せいは変かわらず、日にち米べい韓かん3か国かこくの連携れんけいも重要じゅうようだ」としています。

その上うえで「1965年ねんの国交こっこう正常せいじょう化か以来いらい築きずいてきた日にち韓かん関係かんけいの基盤きばんに基もとづきこれをさらに発展はってんさせていけることを期待きたいしている。

日にち韓かん関係かんけいが安定あんてい的てきに前まえに進すすむよう、国民こくみん間かんの交流こうりゅうを大切たいせつにしながら両りょう政府せいふ間かんで意思いし疎通そつうしていきたい」としています。

米べいルビオ国務こくむ長官ちょうかん声明せいめい「日にち米べい韓かん3か国かこくの協力きょうりょくをさらに深ふかめていく」

アメリカのルビオ国務こくむ長官ちょうかんは3日にち、声明せいめいを発表はっぴょうし、新あらたに大統領だいとうりょうに就任しゅうにんしたイ・ジェミョン氏しへの祝意しゅくいを示しめしました。

そして「アメリカと韓国かんこくは、相互そうご防衛ぼうえい条約じょうやくや共通きょうつうの価値かち観かん、深ふかい経済けいざい的てきなつながりに基もとづく同盟どうめい関係かんけいへの揺ゆるぎない関与かんよを共有きょうゆうしている。

また、こんにちの戦略せんりゃく的てき環境かんきょうに対応たいおうし、新あらたな経済けいざい的てき課題かだいに取り組とりくむために同盟どうめいの近代きんだい化かを進すすめている」と指摘してきしました。

その上うえで「地域ちいきの安全あんぜん保障ほしょうを強化きょうかし、経済けいざいの強きょうじん性せいを高たかめ、共有きょうゆうする民主みんしゅ主義しゅぎの原則げんそくを守まもるため、日にち米べい韓かん3か国かこくの協力きょうりょくをさらに深ふかめていく」として、日本にっぽんを含ふくめた3か国かこくの連携れんけいを進すすめる考かんがえを強調きょうちょうしました。

国際こくさい部ぶ長砂ながすな貴英たかひでデスク解説かいせつ

Q イ・ジェミョン氏しの勝因しょういんは？

「非常ひじょう戒厳かいげんだけは許ゆるされない」と考かんがえる有権者ゆうけんしゃの声こえが反映はんえいされた結果けっかといえます。

イ・ジェミョン氏しは、複数ふくすうの刑事けいじ裁判さいばんを抱かかえていますが「それは分わかっていても、それでもユン前ぜん大統領だいとうりょうを支ささえた国民こくみんの力ちからよりはいい」と話はなす有権者ゆうけんしゃもいました。

与党よとう側がわは、選挙せんきょ戦せん直前ちょくぜんに候補こうほが執行しっこう部ぶの独断どくだんで公認こうにんを一時いちじ取り消とりけされ、その後そのご、復活ふっかつするという混乱こんらんを露呈ろていし、ほかの保守ほしゅ系けい候補こうほとの一いち本ほん化かも不発ふはつに終おわりました。

有権者ゆうけんしゃが与党よとうだった「国民こくみんの力ちから」に政権せいけんを担になう能力のうりょくがあるのかと疑問ぎもんを感かんじても不思議ふしぎではなく、無党派むとうは層そうを中心ちゅうしんにそうした批判ひはんの受け皿うけざらにイ・ジェミョン氏しがなりました。

Q 今後こんごの政権せいけん運営うんえいは。

国会こっかいで多数たすうを占しめる「共ともに民主党みんしゅとう」が政権せいけん与党よとうになるため、大統領だいとうりょうと国会こっかいの間まのねじれが解消かいしょうして、盤石ばんじゃくな体制たいせいで政権せいけん運営うんえいをスタートさせます。

一方いっぽうでイ・ジェミョン氏しは複数ふくすうの刑事けいじ裁判さいばんを抱かかえていて、大統領だいとうりょうの就任しゅうにん前まえに起訴きそされた事件じけんの裁判さいばんがこのまま進すすむのか、止とまるのかは、韓国かんこくの制度せいどでそもそもこうした状況じょうきょうは想定そうていされていませんでした。

「共ともに民主党みんしゅとう」は、被告ひこくが大統領だいとうりょうに当選とうせんした場合ばあいに刑事けいじ裁判さいばんの手続てつづきを停止ていしすることになる法ほう改正かいせいを目指めざしていて、「司法しほうリスク」に対にたいする野党やとうや世論せろんの反応はんのうへの対応たいおうに迫せまられることになります。

また、新あたらしい政権せいけんの北朝鮮きたちょうせん政策せいさくも気きになるところです。

これまで圧力あつりょく重視じゅうしだったユン・ソンニョル政権せいけんの路線ろせんを転換てんかんして、ひとまず対話たいわの再開さいかいに向むけてかじをきります。

ただ、北朝鮮きたちょうせんは韓国かんこくを「平和へいわ統一とういつの対象たいしょうではない」として突き放つきはなしているほか、ウクライナ侵攻しんこうを続つづけるロシアとの関係かんけいが北朝鮮きたちょうせんにとって目下もっか、最さい優先ゆうせんのなかで、南北なんぼく関係かんけいが動き出うごきだすのか、現げん段階だんかいでは見通みとおせません。

政治せいじ部ぶ瀧川たつかわ学まなぶ記者きしゃ解説かいせつ

Q 日本にっぽん政府せいふは、イ・ジェミョン氏しの勝利しょうりをどう受け止うけとめている？

日本にっぽん政府せいふもイ・ジェミョン氏しが優勢ゆうせいと分析ぶんせきしていましたので、「想定そうてい通どおりだ」と、淡々たんたんとした受け止うけとめが聞きかれます。

日にち韓かん関係かんけいの改善かいぜんの流ながれは、ユン前ぜん大統領だいとうりょうの存在そんざいがあって進すすんだという側面そくめんがありましたので罷免ひめんという事態じたいが、痛手いたでになったというのは事実じじつと思おもいます。

一方いっぽう、東アジアひがしあじあの安全あんぜん保障ほしょう環境かんきょうが厳きびしくなる中なか、日本にっぽんが韓国かんこくを重視じゅうしする姿勢しせいは変かわりません。

韓国かんこくの内政ないせいの混乱こんらんが続つづき、首脳しゅのう間かんのやりとりができない中なかでも事務じむレベルなどで頻繁ひんぱんに意思いし疎通そつうを続つづけてきました。

ある外務省がいむしょう幹部かんぶは「与野党よやとうどちらが勝かっても、関係かんけいの土台どだいは崩くずれないよう、力ちからを尽つくしてきた」と語かたっています。

Q その土台どだいをいかし、安定あんていした関係かんけいを築きずいていけるのでしょうか。

日本にっぽんとしてはもちろん、そうしていきたいわけですが、なかなか見通みとおせないというのが実際じっさいのところです。

イ・ジェミョン氏しも、選挙せんきょ戦中せんちゅう、日本にっぽんとの協力きょうりょくを重視じゅうしする立場たちばを示しめしてきてはいます。

政府せいふ関係かんけい者しゃの1人にんは「韓国かんこくにとっても日本にっぽんとの関係かんけい悪化あっかは得策とくさくではないというのを認識にんしきしているはずだ」と話はなしています。

一方いっぽう、イ・ジェミョン氏しは、過去かこに日本にっぽんに厳きびしい発言はつげんを繰り返くりかえしていましたので、別べつの政府せいふ関係かんけい者しゃは「もともと韓国かんこくは、政権せいけん交代こうたい後ごは、前まえの政権せいけんの路線ろせんを否定ひていする傾向けいこうが強つよいので、そうした姿勢しせいに転てんじる可能かのう性せいはある」とも話はなしているんです。