3
日、
投票が
行われた
韓国の
大統領選挙で
当選したイ・ジェミョン(
李在明)
新大統領が4
日朝、
正式に
就任し、5
年間の
任期が
スタートしました
3日,於韓國舉行的總統選舉中當選的新總統李在明於4日早上正式就任,開始為期五年的任期。
イ氏は支持者を前に演説し、「国民の統合は大統領の責任だ」と述べ、ユン・ソンニョル前大統領が「非常戒厳」を宣言して以降、深まった社会の分断や対立を解消すると強調しました
李先生在支持者面前發表演說時表示:「國民的統合是總統的責任」,並強調要消除自尹錫悅前總統宣布「非常戒嚴」以來日益加深的社會分裂與對立。
3日投票が行われた韓国の大統領選挙は、すべての開票が終了し、革新系の「共に民主党」のイ・ジェミョン氏が、保守系の「国民の力」のキム・ムンス(金文洙)氏らを抑えて当選を果たしました
韓國於3日舉行的總統選舉,所有開票已結束,革新派「共同民主黨」的李在明擊敗了保守派「國民力量」的金文洙等候選人,成功當選。
イ・ジェミョン氏は4日未明、集まった支持者を前に演説し、「私の1番目の使命は内乱を克服し、2度と軍事クーデターが起きないようにすることだ」と述べました
李在明先生於4日凌晨在聚集的支持者面前發表演說時表示:「我的第一個使命是克服內亂,並確保軍事政變絕不會再次發生。」
その上で、「政治家が敵味方に分かれて争ったとしても国民も同じように憎み合う必要はない
在此基礎上,「即使政治家分成敵我兩方爭鬥,國民也沒有必要同樣彼此憎恨。」
国民の
統合は
大統領の
責任だ」と
述べ、ユン
前大統領が
去年12
月に
宣言した「
非常戒厳」
以降、
深まった
社会の
分断や
対立を
解消すると
強調しました
國民的統合是總統的責任,他強調要化解自尹前總統去年12月宣布「非常戒嚴」以來日益加深的社會分裂與對立。
韓国の中央選挙管理委員会は4日午前6時から全体会議を開いて、イ氏の当選を最終的に確認しました
韓國中央選舉管理委員會於4日上午6點召開全體會議,最終確認了李某的當選。
今回の選挙は、ユン・ソンニョル(尹錫悦)前大統領の罷免に伴って前倒しで行われ、前任の大統領がいないため、政権移行に伴う引き継ぎ期間はなく、選挙管理委員会の確認によってイ氏が第21代の新大統領に正式に就任し、5年間の任期がスタートしました
這次選舉是因尹錫悅前總統被罷免而提前舉行的,因為沒有前任總統,所以沒有政權交接期間。經由選舉管理委員會確認後,李某正式就任第21任新總統,開始為期五年的任期。
イ新大統領は4日、国会での就任式に出席し、憲法の規定に沿って宣誓を行うことになっています
伊新任總統將於4日在國會出席就職典禮,並依據憲法規定進行宣誓。
イ・ジェミョン氏が勝利した背景は
最大野党「共に民主党」のイ・ジェミョン氏が勝利した背景には、「非常戒厳」を宣言した、ユン・ソンニョル前大統領を厳しく批判し、政権交代を訴えて支持を広げたことがあるとみられます
李在明勝選的背景,主要在於最大在野黨「共同民主黨」的李在明,嚴厲批判宣布「非常戒嚴」的前總統尹錫悅,並訴求政權更替,從而擴大了支持基礎。
「非常戒厳」が宣言された直後には、軍の部隊が投入された国会に向かう様子をSNSでライブ配信し、「民主主義をともに守ろう」と国民に呼びかけました
在「非常戒嚴」宣佈後不久,軍隊部隊進入國會的情況被在社群媒體上進行了直播,並呼籲國民「一起守護民主」。
最大野党の代表としてユン前大統領の罷免を強く求め、今回の選挙を「内乱への審判」と位置づけて、選挙戦でも繰り返し与党の対応を批判してきました
作為最大在野黨的代表,強烈要求彈劾前總統尹錫悅,並將這次選舉定位為「對內亂的審判」,在選戰中也一再批評執政黨的應對措施。
選挙戦では極端な発言は控え、無党派層への支持拡大を図ったほか、保守層の切り崩しにも力を入れ、伝統的に保守層が強い南部のテグ(大邱)やキョンサン(慶尚)道もたびたび訪問しました
在選舉戰中,他避免發表極端言論,努力擴大無黨派層的支持,同時也致力於瓦解保守派,並多次造訪傳統上保守派勢力強大的南部大邱和慶尚道。
そして、対する保守系与党が模索した保守系候補の一本化が実現しなかったことも勝因となりました
而且,保守派執政黨試圖整合保守派候選人的努力未能實現,也是勝因之一。
公認候補の差し替えの動きなど与党内の混乱も続き、保守層が一枚岩になれなかったことが、イ氏の勝利を大きく後押しする一因となりました
執政黨內部持續出現更換公認候選人的混亂,保守陣營無法團結一致,這成為大力推動李氏勝利的一大原因。
キム・ムンス氏が敗れた背景は
与党「国民の力」のキム・ムンス氏が敗れた背景には、ユン・ソンニョル前大統領による「非常戒厳」をめぐる有権者の根強い反発や、保守系候補の一本化が実現しなかったことがあるとみられます
金武聖先生落選的背景,被認為是執政黨「國民之力」的金武聖先生落選,主要原因在於選民對尹錫悅前總統「非常戒嚴」的強烈反彈,以及保守派候選人未能整合為單一候選人。
与党のキム氏は、ユン前大統領の弾劾に反対するなど、保守強硬派として知られましたが、選挙期間中の演説では、「非常戒厳」について、「国民に申し訳なく思う」と繰り返し謝罪しました
執政黨的金先生以反對彈劾尹前總統等保守強硬立場而聞名,但在選舉期間的演說中,他多次就「非常戒嚴」一事向國民表示歉意,稱「對國民感到抱歉」。
しかし、「非常戒厳」やその後の政治的混乱に対しては、支持基盤である保守層からも批判の声が出ていました
然而,對於「非常戒嚴」以及隨後的政治混亂,甚至連作為支持基礎的保守派也發出了批評的聲音。
また、与党の執行部が突然、公認候補の差し替えを試みたものの、党員投票で否決されてキム氏が再び公認候補に復活することになり、党内の混乱を印象づける形となりました
此外,執政黨的執行部雖然突然嘗試更換公認候選人,但在黨員投票中遭到否決,結果金先生再次成為公認候選人,給人留下了黨內混亂的印象。
党が一枚岩となって選挙戦に臨めなかったことも得票を伸ばせなかった要因とみられます
黨內未能團結一致迎戰選舉,被認為也是得票未能增加的原因之一。
さらに、キム氏は、保守系の少数政党「改革新党」から立候補したイ・ジュンソク(李俊錫)氏との一本化も模索しましたが、拒否されて実現せず、保守層の票が分散したことも敗因のひとつとなりました
此外,金某還曾嘗試與保守派小黨「改革新黨」出身的李俊錫先生整合候選人,但遭到拒絕未能實現,這也導致保守層選票分散,成為敗因之一。
石破首相祝辞「パートナーとして協力すべき重要な隣国」
石破総理大臣は韓国の大統領に就任したイ・ジェミョン氏に祝辞を送り「大統領への就任を心よりお祝いする
石破首相賀詞:「作為夥伴應該合作的重要鄰國」石破首相向就任南韓總統的李在明先生致賀詞,表示「由衷祝賀您就任總統」。
日本と
韓国は
互いに国際社会のさまざまな
課題にパートナーとして
協力すべき
重要な
隣国だ
日本和韓國是作為夥伴,應該在國際社會的各種課題上互相合作的重要鄰國。
現下の
戦略環境のもと
日韓関係の
重要性は
変わらず、
日米韓3
か国の
連携も
重要だ」としています
在當前的戰略環境下,日韓關係的重要性依然不變,日美韓三國的合作也同樣重要。
その上で「1965年の国交正常化以来築いてきた日韓関係の基盤に基づきこれをさらに発展させていけることを期待している
在此基礎上,「我期待能夠在自1965年邦交正常化以來所建立的日韓關係基礎上,進一步發展雙方關係。」
日韓関係が
安定的に
前に
進むよう、
国民間の
交流を
大切にしながら
両政府間で
意思疎通していきたい」としています
我們希望在重視國民之間交流的同時,兩國政府能夠加強溝通,使日韓關係能夠穩定地向前發展。
米 ルビオ国務長官声明「日米韓3か国の協力をさらに深めていく」
アメリカのルビオ国務長官は3日、声明を発表し、新たに大統領に就任したイ・ジェミョン氏への祝意を示しました
美國盧比奧國務卿聲明:「將進一步深化日美韓三國的合作」美國國務卿盧比奧於3日發表聲明,對新任總統李在明先生表示祝賀。
そして「アメリカと韓国は、相互防衛条約や共通の価値観、深い経済的なつながりに基づく同盟関係への揺るぎない関与を共有している
然後,「美國與韓國基於相互防衛條約、共同價值觀以及深厚的經濟聯繫,對同盟關係展現出堅定不移的承諾。」
また、こんにちの
戦略的環境に
対応し、
新たな
経済的課題に
取り組むために
同盟の
近代化を
進めている」と
指摘しました
此外,他指出:「我們正在推動同盟的現代化,以因應當今的戰略環境,並應對新的經濟課題。」
その上で「地域の安全保障を強化し、経済の強じん性を高め、共有する民主主義の原則を守るため、日米韓3か国の協力をさらに深めていく」として、日本を含めた3か国の連携を進める考えを強調しました
在此基礎上,他強調將推進包括日本在內的三國合作,表示「為了加強地區安全保障、提升經濟韌性,並守護共享的民主主義原則,日美韓三國將進一步深化合作」。
国際部 長砂貴英デスク解説
Q イ・ジェミョン氏の勝因は?
「非常戒厳だけは許されない」と考える有権者の声が反映された結果といえます
國際部長砂貴英桌面解說Q:李在明勝選的原因是什麼?可以說,這是反映了選民「絕不能允許非常戒嚴」這一心聲的結果。
イ・ジェミョン
氏は、
複数の
刑事裁判を
抱えていますが「
それは
分かっていても、
それでもユン
前大統領を
支えた
国民の
力よりはいい」と
話す有権者もいました
李在明先生雖然身陷多起刑事訴訟,但也有選民表示:「即使知道這些情況,還是覺得比支持尹前總統的國民之力要好。」
与党側は、選挙戦直前に候補が執行部の独断で公認を一時取り消され、その後、復活するという混乱を露呈し、ほかの保守系候補との一本化も不発に終わりました
執政黨方面在選舉戰前夕,由於候選人被領導層獨斷暫時取消公認,隨後又恢復公認,暴露出混亂局面,與其他保守系候選人的整合也以失敗告終。
有権者が
与党だった「
国民の
力」に
政権を
担う能力が
あるのかと
疑問を
感じても
不思議ではなく、
無党派層を
中心にそうした
批判の
受け皿にイ・ジェミョン
氏がなりました
即使選民對曾是執政黨的「國民之力」是否有能力執政產生懷疑也並不奇怪,而李在明先生正成為以無黨派為中心,承接這類批評的對象。
Q 今後の政権運営は
国会で多数を占める「共に民主党」が政権与党になるため、大統領と国会の間のねじれが解消して、盤石な体制で政権運営をスタートさせます
在國會中佔多數的「共同民主黨」將成為執政黨,這將消除總統與國會之間的對立,並以穩固的體制開始執政。
一方でイ・ジェミョン氏は複数の刑事裁判を抱えていて、大統領の就任前に起訴された事件の裁判がこのまま進むのか、止まるのかは、韓国の制度でそもそもこうした状況は想定されていませんでした
另一方面,李在明先生正面臨多起刑事審判,針對他在總統就任前被起訴的案件,這些審判是否會照常進行還是會中止,韓國的制度本來就沒有預想過這種情況。
「共に民主党」は、被告が大統領に当選した場合に刑事裁判の手続きを停止することになる法改正を目指していて、「司法リスク」に対する野党や世論の反応への対応に迫られることになります
共同民主黨正推動一項法案修正,旨在於被告當選總統時中止刑事審判程序,這將使其不得不應對在野黨及輿論對「司法風險」的反應。
また、新しい政権の北朝鮮政策も気になるところです
これまで
圧力重視だったユン・ソンニョル
政権の
路線を
転換して、
ひとまず対話の
再開に
向けてかじをきります
尹錫悅政府將迄今為止重視施壓的方針轉變,暫時朝著重啟對話的方向調整政策。
ただ、北朝鮮は韓国を「平和統一の対象ではない」として突き放しているほか、ウクライナ侵攻を続けるロシアとの関係が北朝鮮にとって目下、最優先のなかで、南北関係が動き出すのか、現段階では見通せません
不過,北韓已將南韓排除在「和平統一的對象」之外,並且在持續侵略烏克蘭的俄羅斯目前成為北韓最優先的關係對象之下,南北關係是否會有所進展,目前尚無法預測。
政治部 瀧川学記者解説
Q 日本政府は、イ・ジェミョン氏の勝利をどう受け止めている?
日本政府もイ・ジェミョン氏が優勢と分析していましたので、「想定通りだ」と、淡々とした受け止めが聞かれます
日本政府如何看待李在明先生的勝選?由於日本政府也分析認為李在明先生較具優勢,因此多數反應是「如預期般」,態度相當平靜。
日韓関係の
改善の
流れは、ユン
前大統領の
存在があって
進んだという
側面がありましたので
罷免という
事態が、
痛手になったというのは
事実と
思います
日韓關係改善的趨勢,確實因為有尹前總統的存在而得以推進,因此他的罷免成為一大打擊,這一點應該是事實。
一方、東アジアの安全保障環境が厳しくなる中、日本が韓国を重視する姿勢は変わりません
另一方面,隨著東亞的安全保障環境日益嚴峻,日本重視韓國的態度並未改變。
韓国の
内政の
混乱が
続き、
首脳間のやりとりができない
中でも事務レベル
などで
頻繁に
意思疎通を
続けてきました
即使韓國國內政局持續混亂,無法進行首腦之間的交流,我們仍在事務層級等頻繁保持溝通。
ある外務省幹部は「与野党どちらが勝っても、関係の土台は崩れないよう、力を尽くしてきた」と語っています
一位外交部高層表示:「無論是執政黨還是在野黨勝出,我們都一直努力確保雙方關係的基礎不會動搖。」
Q その土台をいかし、安定した関係を築いていけるのでしょうか
日本としてはもちろん、そうしていきたいわけですが、なかなか見通せないというのが実際のところです
當然,作為日本,我們也希望如此,但實際情況是很難預見未來。
イ・ジェミョン
氏も、
選挙戦中、
日本との
協力を
重視する
立場を
示してきてはいます
李在明先生在選舉期間也表明了重視與日本合作的立場。
政府関係者の1人は「韓国にとっても日本との関係悪化は得策ではないというのを認識しているはずだ」と話しています
一位政府相關人士表示:「韓國應該也意識到,與日本關係惡化對他們來說並非明智之舉。」
一方、イ・ジェミョン氏は、過去に日本に厳しい発言を繰り返していましたので、別の政府関係者は「もともと韓国は、政権交代後は、前の政権の路線を否定する傾向が強いので、そうした姿勢に転じる可能性はある」とも話しているんです
另一方面,李在明先生過去曾多次對日本發表嚴厲言論,因此另一位政府相關人士也表示:「原本韓國在政權更迭後,傾向於否定前一屆政權的路線,所以也有可能轉變為那樣的態度。」
日本側は、まずは、イ氏の発言ぶりや、新政権の顔ぶれなどを見極めつつ、首脳間の信頼関係づくりを図っていくということになると思います
我認為日本方面首先會觀察尹氏的言行舉止以及新政府的成員陣容,同時致力於建立領導人之間的信任關係。