21日夜の第1戦は、巨人の本拠地・東京ドームが社会人の都市対抗野球で使えないため、京セラドーム大阪で行われました。
試合はソフトバンクが2回、5番・栗原陵矢選手のツーランホームランで先制し、6回にも栗原選手がこの試合3本目のヒットとなる2点タイムリーツーベースを打って、リードを4点に広げました。
8回にも2番・中村晃選手がタイムリーヒットを打って突き放しました。
投げては先発のエース・千賀滉大投手が7回まで150キロを超えるストレートを軸にヒット3本、無失点と好投し、5対1で勝ちました。
ソフトバンクは日本シリーズで、おととしの第3戦から9連勝とし、シリーズ記録を更新しました。
敗れた巨人は先発したエース・菅野智之投手が6回を投げて4点を失い、打線も毎回のようにランナーを出しましたが、9回に出た犠牲フライの1点にとどまりました。
22日の第2戦も午後6時10分から京セラドーム大阪で行われます。
エースの投げ合い 千賀が制す
球界を代表する2人のエースが投げ合ったことしの日本シリーズ第1戦。
ソフトバンクの千賀滉大投手は4年連続で日本シリーズ初戦の先発を任され、「心境はふだんと変わらない。経験しているマウンドなので、落ち着いてふだん通りできる」と自信を持ってマウンドに上がりました。
迎えた巨人中軸の1巡目。3番の坂本勇人選手は落差の大きいフォークボールで空振り三振。4番・岡本和真選手にはインコースのストレートでバットをへし折り、キャッチャーファウルフライ。そして5番・丸佳浩選手にはこの日、最速の159キロをインコースいっぱいに決めて見逃し三振。力でねじ伏せ、流れを引き寄せました。
特に岡本選手には第2打席もインコース攻めを徹底。厳しいところを投げ続けて、この打席はフォアボールとなりましたが、第3打席には一転してアウトコースに4球続けて追い込み、最後に再びインコースのストレートで詰まらせてファーストフライ。ホームラン王、打点王を獲得した若き4番に対し、自分のスイングをさせませんでした。
「大事な初戦を、チームのみんなでいい流れに持っていくことができた」と千賀投手。エースとして7回をヒット3本、無失点。堂々のピッチングを見せました。
一方、巨人の菅野智之投手は1回、警戒していた1番の周東佑京選手、主軸の3番・柳田悠岐選手を打ち取り、三者凡退に抑えましたが、2回に先頭の4番、グラシアル選手に初ヒットを許し、続く栗原陵矢選手にはボールが先行。ツーボールからのスライダーが甘く入り、ツーランホームランを打たれました。
「京セラドーム大阪はホームランが出やすい印象があり、ホームランを打てるバッターがたくさんいるので長打を警戒していく」と話していた菅野投手。気をつけていたはずのホームランを序盤に打たれ、6回4失点。チームを勝利に導くことができませんでした。
ソフトバンクで打のヒーローとなった栗原選手は今シーズン、ホームラン17本と成長を遂げた24歳。クライマックスシリーズ2試合は5打数ノーヒットでしたが、日本シリーズでは「めちゃくちゃ緊張していた」と言いながら、最初の打席の最初のスイングで持ち味の思い切りのよさを見せて値千金の先制ツーラン。6回には2アウト一塁三塁から、こんどは菅野投手のフォークボールを捉え、2点タイムリーツーベースで貴重な追加点を挙げるなど3安打4打点の大活躍でした。
4年連続の日本一に向け、投打で力を示したソフトバンク。巨人は4安打で1点に終わった打線が目を覚ますことができるかが、第2戦の鍵になりそうです。
ソフトバンク千賀 「大事な初戦をみんなでよい流れに」
ソフトバンクの千賀投手は「初回は少し力が入りすぎて、自分のバランスで投げることができなかった。栗原の先制ホームランとタイムリーのおかげで、中盤以降はとても楽な気持ちで投げることができた。大事な初戦をチームのみんなで、よい流れに持っていくことができたと思います」と話していました。