ゴーン元もと会長かいちょうの勾留こうりゅうは「恣意しい的てき拘禁こうきん」国連こくれん人権じんけん理事りじ会かい 作業さぎょう部会ぶかい

日産にっさん自動車じどうしゃの元もと会長かいちょう、カルロス・ゴーン被告ひこくは、みずからの報酬ほうしゅうを有価ゆうか証券しょうけん報告ほうこく書しょに少すくなく記載きさいした罪つみや、日産にっさんの資金しきんを不正ふせいに支出ししゅつさせた特別とくべつ背任はいにんなど4つの罪つみで東京とうきょう地検ちけん特捜とくそう部ぶに起訴きそされ、保釈ほしゃく中ちゅうの去年きょねん12月つき、中東ちゅうとうのレバノンに逃亡とうぼうしました。

国連こくれん人権じんけん理事りじ会かいの専門せんもん家かグループ「恣意しい的てき拘禁こうきん作業さぎょう部会ぶかい」は、ゴーン元もと会長かいちょうについて、今月こんげつ20日にち付づけの意見いけん書しょをウェブサイトで公表こうひょうしました。

この中なかで、ゴーン元もと会長かいちょうが日本にっぽんで4回かいにわたって逮捕たいほされ、勾留こうりゅうが繰り返くりかえし延長えんちょうされたことについて「ゴーン氏しを勾留こうりゅうし続つづけられるよう、勾留こうりゅう期限きげんを回避かいひする意図いとがあった」などと指摘してきしました。

そして「公判こうはん前まえの勾留こうりゅうは例外れいがい的てきなもので、できるだけ短たん期間きかんにするべきだ。勾留こうりゅうが繰り返くりかえされたことは国際こくさい法ほうのもとで根拠こんきょがなく、違法いほうな訴訟そしょう手続てつづきの乱用らんようだった」などとしたうえで、ゴーン元もと会長かいちょうの勾留こうりゅうは「恣意しい的てきな拘禁こうきん」にあたると結論けつろんづけています。

作業さぎょう部会ぶかいは日本にっぽん政府せいふに対にたいして、速すみやかな救済きゅうさい策さくや、独立どくりつした調査ちょうさの実施じっしを求もとめていますが、意見いけん書しょに法的ほうてきな拘束こうそく力りょくはありません。

上川かみかわ法相ほうしょう「明あきらかな事実じじつ誤認ごにん」

上川かみかわ法務ほうむ大臣だいじんは、閣議かくぎのあとの記者きしゃ会見かいけんで「わが国わがくにの刑事けいじ司法しほう制度せいどを理解りかいせず、ゴーン被告ひこく側がわの一方いっぽう的てきな主張しゅちょうのみに依拠いきょした、明あきらかな事実じじつ誤認ごにんに基もとづく意見いけん書しょが公表こうひょうされたことは極きわめて遺憾いかんであり、到底とうてい受け入うけいれることができない」と述のべました。

そのうえで「政府せいふとして異議いぎ申し立もうしたてを行おこなったところであり、今後こんごも可能かのうな範囲はんいで情報じょうほう提供ていきょうを行おこない、事実じじつ誤認ごにんをただしていきたい」と述のべました。

外務省がいむしょう「『恣意しい的てき拘禁こうきん』にはあたらない」

外務省がいむしょうはコメントを発表はっぴょうし「ゴーン被告ひこくに対にたいする刑事けいじ手続てつづきについては、法ほうに定さだめられた適正てきせい手続てつづきを厳格げんかくに履行りこうし、ゴーン被告ひこくの権利けんりを十分じゅうぶんに保障ほしょうしつつ進すすめられてきたものであり、『恣意しい的てき拘禁こうきん』にはあたらない」と反論はんろんしたうえで「国連こくれん人権じんけん委員いいん会かいの作業さぎょう部会ぶかいが、ゴーン被告ひこく側がわからの一方いっぽう的てきで限かぎられた情報じょうほうに基もとづき今回こんかいの結論けつろんに至いたったことは、わが国わがくにの刑事けいじ司法しほう制度せいどにかかる正確せいかくな理解りかいに基もとづいたものではなく大変たいへん遺憾いかんだ」としています。

そして、今月こんげつ20日にち付づけで国連こくれんの作業さぎょう部会ぶかいに対にたいし、異議いぎの申し立もうしたてを行おこなったとしています。

公明こうめい 山口やまぐち代表だいひょう「政府せいふは説明せつめい尽つくして」

公明党こうめいとうの山口やまぐち代表だいひょうは、記者きしゃ会見かいけんで「ゴーン被告ひこく側がわの言い分いいぶんに立たって、『恣意しい的てきだ』ということは到底とうてい、理解りかいできず、政府せいふは徹底てっていして国際こくさい社会しゃかいの理解りかいを得えられるよう説明せつめいを尽つくしてもらいたい。裁判所さいばんしょの許可きょかがなければ、身柄みがらの拘禁こうきんはできず、ゴーン被告ひこくの場合ばあいは、証拠しょうこ隠滅いんめつや逃亡とうぼうのおそれがなきにしもあらずということで決定けっていがなされた」と述のべました。