防衛費増額の財源として「幅広い税目」による増税を含めた国民負担が必要だとしたほか、自衛隊の「反撃能力」の保有が不可欠だとして、今後5年を念頭に早期に十分な数のミサイル配備を求めています。
それによりますと、防衛費の増額に際しては歳出改革を徹底し、国債の発行が前提となることがあってはならないとしたうえで、財源について「幅広い税目による負担が必要なことを明確にして理解を得る努力を行うべきだ」として、増税を含めた国民負担の必要性を盛り込んでいます。
また、相手のミサイル発射基地などをたたく「反撃能力」の保有は不可欠だとして、敵の射程圏外から攻撃できる国産の「スタンド・オフ・ミサイル」や外国製ミサイルによって、今後5年を念頭にできるかぎり早期に十分な数のミサイル配備を求めています。
一方、防衛費増額については、NATO=北大西洋条約機構の加盟国が目標としているGDPの2%以上を参考としつつも、日本特有の予算の仕組みに合わせて「必要な水準の予算上の措置をこの5年間で講じなければならない」としています。
南西諸島の港湾や空港などの公共インフラについては、安全保障上の重要な機能を担う可能性があるとして、有事に備えて自衛隊がふだんから活用できるよう、地元の協力を得ながら政府一体で努力すべきとしています。
このほか、自衛隊内に部隊指揮に専念するポストとして、新たに統合司令官を設置する検討や、防衛装備品のさらなる移転を進めるため「防衛装備移転三原則」の見直しも求めています。
有識者会議は、22日にも報告書を岸田総理大臣に提出することにしています。