日本新聞: 川崎遺体遺棄事件女性殺害の疑いで元交際相手を再逮捕

川崎かわさき市しで、ストーカー被害ひがいを訴うったえたあと行方ゆくえ不明ふめいになった女性じょせいが元もと交際こうさい相手あいての自宅じたくから遺体いたいで見みつかった事件じけんで、警察けいさつは女性じょせいを殺害さつがいしたとして元もと交際こうさい相手あいてを、12日にち、再さい逮捕たいほしました。

元もと交際こうさい相手あいては女性じょせいの遺体いたいを遺棄いきしたなどとしてすでに起訴きそされていて、警察けいさつは、事件じけんのいきさつをさらに詳くわしく調しらべることにしています。

再さい逮捕たいほされたのは、川崎かわさき市し川崎かわさき区くの無職むしょく、白井しらい秀征ひでゆき容疑ようぎ者しゃ（28）で、警察けいさつによりますと、以前いぜん、交際こうさいしていた川崎かわさき市しの岡崎おかざき彩あや咲さき陽ようさん（20）を去年きょねん12月つき20日にちごろ、神奈川かながわ県内けんないやその周辺しゅうへんで殺害さつがいしたとして、殺人さつじんの疑うたがいが持もたれています。

調しらべに対にたいし、黙秘もくひしているということです。

岡崎おかざきさんは容疑ようぎ者しゃからのストーカー被害ひがいを訴うったえたあと行方ゆくえ不明ふめいになり、その直後ちょくごに殺害さつがいされたとみられるということです。

その後そのご、ことし4月つきに容疑ようぎ者しゃの自宅じたくの床下ゆかしたから遺体いたいで見みつかりました。

容疑ようぎ者しゃは、遺体いたいを遺棄いきしたり、ストーカー行為こういを繰り返くりかえしたりしたなどとしてすでに逮捕たいほ・起訴きそされていて、警察けいさつは、交際こうさい関係かんけいが終おわったあとも一方いっぽう的てきに恋愛れんあい感情かんじょうなどを募つのらせていたとみて、詳くわしいいきさつを調しらべることにしています。

この事件じけんをめぐっては、ストーカー被害ひがいなどを地元じもとの警察けいさつ署しょに相談そうだんしたのに十分じゅうぶんな対応たいおうがとられなかったと遺族いぞくが訴うったえていて、神奈川かながわ県けん警察けいさつ本部ほんぶが検証けんしょうチームを設置せっちして当時とうじの対応たいおうや捜査そうさの状況じょうきょうなどについて、調しらべています。

被害ひがい女性じょせいの祖母そぼ「事件じけんの解明かいめい少すこし進すすんでよかった」

元もと交際こうさい相手あいてが殺人さつじんの疑うたがいで再さい逮捕たいほされたことについて、岡崎おかざき彩あや咲さき陽ようさん（20）の祖母そぼの岡崎おかざき須江すえ子こさんは「もっと早はやく逮捕たいほできたと思おもうが、事件じけんの解明かいめいが少すこし進すすんでよかったと思おもう。

孫まごにも報告ほうこくしたいが、孫まごには『守まもってあげられなくてごめんね』と謝あやまるばかりだ」と話はなしていました。

一方いっぽうで、「私わたしたちは元もと交際こうさい相手あいてが関かかわっているのではないかと警察けいさつにずっと訴うったえていた。

なんでこんなことになってしまったのか。それが分わかるまでは私わたしたちは警察けいさつを許ゆるすことはできない」と話はなしていました。

事件じけんの経緯けいいを詳くわしく

殺害さつがいされた岡崎おかざき彩あや咲さき陽ようさん（20）の遺族いぞくは元もと交際こうさい相手あいての白井しらい秀征ひでゆき容疑ようぎ者しゃ（28）からのストーカー被害ひがいなどを相談そうだんしたものの警察けいさつが十分じゅうぶんな対応たいおうをしなかったと訴うったえています。

神奈川かながわ県警けんけいが被害ひがい者しゃへの対応たいおうを始はじめたのは去年きょねん6月つきで、当時とうじ交際こうさいしていた容疑ようぎ者しゃとのトラブルについて本人ほんにんから「彼氏かれしとケンカになった」という趣旨しゅしの通報つうほうを受うけてからだということです。

警察官けいさつかんが対応たいおうし、祖母そぼの家いえに避難ひなんさせる措置そちを取とったとしています。

また、去年きょねん9月つきには、父親ちちおやから「娘むすめが元もと交際こうさい相手あいてから暴力ぼうりょくを受うけた」という趣旨しゅしの通報つうほうがあったということで、警察官けいさつかんが被害ひがい者しゃに話はなしを聞きいたところ、「刃物はものを向むけられた」と説明せつめいしたことから被害ひがい届とどけを受理じゅりしたとしています。

この被害ひがい届とどけについて、警察けいさつは、元もと交際こうさい相手あいてと復縁ふくえんしていた被害ひがい者しゃ自身じしんが「事実じじつと異ことなる説明せつめいをした」として翌月よくげつの去年きょねん10月つき、取り下とりさげたとしています。

一方いっぽう、父親ちちおやは「娘むすめは元もと交際こうさい相手あいてから『被害ひがい届とどけを取り下とりさげなかったら殺ころすぞ』と脅おどされ、取り下とりさげることになった」と話はなしています。

その後そのご、警察けいさつは、2人にんの関係かんけいが継続けいぞくしていたとみられていたことから、交際こうさい中ちゅうの男女だんじょ間かんのトラブルとして対応たいおうし、被害ひがい者しゃの意向いこうも確認かくにんしながら必要ひつような措置そちを講こうじてきたとしています。

被害ひがい者しゃの行方ゆくえが分わからなくなったのは去年きょねん12月つき20日にちで、この月つきの上旬じょうじゅんから中旬ちゅうじゅんにかけては本人ほんにんから「元もと交際こうさい相手あいてが自宅じたく近ちかくをうろついている。

パトロールしてほしい」などという電話でんわが川崎かわさき臨港りんこう警察けいさつ署しょに9回かい、寄よせられたということです。

これらの通報つうほうに対にたいして警察けいさつは、「元もと交際こうさい相手あいてと連絡れんらくを取とらないこと」などのアドバイスをしたほか、パトカーを出だして警戒けいかいする対応たいおうもしたとしています。

被害ひがい者しゃが行方ゆくえ不明ふめいになってから2日にち後ごの去年きょねん12月つき22日にちには、身みを寄よせていた祖母そぼの自宅じたくの窓まどガラスが割わられているのが見みつかりました。

警察けいさつは現場げんばを確認かくにんしたほか、直ただちに元もと交際こうさい相手あいての自宅じたくの確認かくにんもしたとしていますが、祖母そぼは「警察官けいさつかんからは『事件じけん性せいはない』などと言いわれた」と訴うったえています。

警察けいさつはこの日ひからことし3月つきまでの間まに7回かい、元もと交際こうさい相手あいてに任意にんいで事情じじょうを聞きいていましたが、行方ゆくえ不明ふめいへの関与かんよについてはいずれも否定ひていしたとしています。

一方いっぽう、一連いちれんの事情じじょう聴取ちょうしゅのうち、去年きょねん12月つき26日にちに行おこなわれた3回かい目めと、ことし3月つき25日にちの7回かい目めにストーカー行為こういについては認みとめる説明せつめいをしたということです。

元もと交際こうさい相手あいてはことしの4月つき2日にちに出国しゅっこくし、その後そのご、警察けいさつがストーカー規制きせい法ほうを適用てきようして4月つき30日にちに自宅じたくを捜索そうさくしたところ、被害ひがい者しゃが遺体いたいで見みつかりました。

元もと交際こうさい相手あいては、ことし5月つき3日にちにアメリカから帰国きこくし、この日ひに、遺体いたいを遺棄いきした疑うたがいで逮捕たいほされ、その後そのご、起訴きそされました。

また、被害ひがい者しゃが行方ゆくえ不明ふめいになる前まえに繰り返くりかえしつきまとったなどとしても逮捕たいほ・起訴きそされ、警察けいさつは被害ひがい者しゃが死亡しぼうしたいきさつについて、引き続ひきつづき捜査そうさを進すすめていました。

神奈川かながわ県けん警察けいさつ本部ほんぶは、被害ひがい者しゃ側がわへの対応たいおうや当時とうじの捜査そうさの状況じょうきょうなどについて、検証けんしょうするチームを、ことし5月つきに設置せっちし問題もんだいがなかったか確認かくにんを進すすめていて、和田わだ薫かおる本部ほんぶ長ちょうは6月つき、県議会けんぎかいで「被害ひがい者しゃやその家族かぞくから相談そうだんを受うけていたにもかかわらず、結果けっかとしてこのような重大じゅうだいな事案じあんとなったことを重おもく受け止うけとめている」などと述のべていました。