ガザ地区で軍事作戦を進めるイスラエル軍は、ハマスの重要な拠点があるとする南部のハンユニスで戦闘地域を拡大して、空爆や地上部隊による激しい攻撃を行っていて、22日も市街地では銃声と爆撃音が響きました。
ガザ地区の保健当局によりますと、ハンユニスの病院には多くのけが人が搬送されていて、医薬品や手術室などが足りず、治療が遅れるケースも出ているということです。
イスラエル軍の攻撃によるこれまでの死者は2万5295人に上るとしていて、住民のさらなる犠牲が懸念されています。
こうした中、アメリカのニュースサイト、アクシオスは22日、イスラエルの当局者の話として、イスラエルが人質全員の解放に向けてカタールやエジプトの仲介のもと、ハマス側に最長2か月の戦闘の休止を提案したと伝えました。
提案では、
▽はじめに、ハマスが女性や高齢男性、健康状態が悪化している人質を解放し、
▽その後、段階的にそれ以外の人質や兵士を解放するという内容で
▽全員が解放されるまで戦闘を休止するということです。
戦闘の休止をめぐっては、アメリカ・ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官も22日、「バイデン大統領は、人質を安全に解放し、さらに多くの支援物資を搬入できるよう、ある程度の長さの新たな戦闘休止を支持している」と述べ、すべての人質の解放のために一定期間の戦闘の休止が必要だという認識を示しています。
一方、イスラエルのネタニヤフ首相は22日、ハマスに拘束されている人質の家族との面会で、「ハマス側からは真剣な提案は何もない」と述べ、交渉の進展に否定的な姿勢を見せていて、戦闘の休止や人質の解放につながるかは見通せない状況です。