プーチン大統領だいとうりょう「北朝鮮きたちょうせんに兵器へいき供給きょうきゅう 排除はいじょせず」一方いっぽうで温度おんど差さも

ロシアのプーチン大統領だいとうりょうは北朝鮮きたちょうせんに続つづきベトナムを訪おとずれ、ロシアへの帰路きろにつく前まえに日本にっぽん時間じかんの21日にち未明みめい、首都しゅとハノイで記者きしゃ会見かいけんを行おこないました。

北朝鮮きたちょうせんではキム・ジョンウン（金きむ正ただし恩おん）総そう書記しょきとの間まで両国りょうこくの軍事ぐんじ協力きょうりょくを高たかめる新あらたな条約じょうやくに署名しょめいし、条約じょうやくを公開こうかいした北朝鮮きたちょうせん側がわによりますと、どちらか一方いっぽうが武力ぶりょく侵攻しんこうを受うけ戦争せんそう状態じょうたいになった場合ばあい、軍事ぐんじ的てきな援助えんじょを提供ていきょうするなどと明記めいきされました。

条約じょうやくをめぐり、プーチン大統領だいとうりょうは会見かいけんで、ウクライナが欧米おうべい側がわから供与きょうよされた兵器へいきでロシア領りょうを攻撃こうげきすることは武力ぶりょく侵攻しんこうに該当がいとうするかと質問しつもんされたのに対にたいし「分析ぶんせきしているが、それに近ちかい」と述のべました。

そのうえで「われわれは北朝鮮きたちょうせんを含ふくめ世界せかいのほかの地域ちいきに兵器へいきを供給きょうきゅうする権利けんりがある。北朝鮮きたちょうせんとの合意ごういを考かんがえればそれを排除はいじょするつもりはない」と述のべ、北朝鮮きたちょうせんに兵器へいきを供与きょうよする可能かのう性せいを示唆しさし、欧米おうべい側がわをけん制けんせいしました。

一方いっぽうで、プーチン大統領だいとうりょうは条約じょうやくについて「何なにも新あたらしいものではないことを指摘してきしたい」と述のべ、旧きゅうソビエト時代じだいに北朝鮮きたちょうせんとの間まで締結ていけつされた条約じょうやくと変かわらないと強調きょうちょうしました。

今回こんかいの条約じょうやくをめぐっては北朝鮮きたちょうせん側がわはキム総そう書記しょきが「両国りょうこくは、同盟どうめい関係かんけいという新あらたな高たかいレベルに達たっした」と評価ひょうかし、条約じょうやくの全文ぜんぶんも公開こうかいしたのに対にたいし、ロシア側がわは公開こうかいもしておらず、両国りょうこくの間まで温度おんど差さもうかがえます。

アメリカ大統領だいとうりょう補佐ほさ官かん「ロシアが必死ひっしであることの表あらわれ」

アメリカ・ホワイトハウスのカービー大統領だいとうりょう補佐ほさ官かんは20日にち、北朝鮮きたちょうせんとロシアが包括ほうかつ的てき戦略せんりゃくパートナーシップ条約じょうやくに署名しょめいしたことについて、記者きしゃ団だんに対にたいし「驚おどろきではなかった」とする一方いっぽう、「朝鮮ちょうせん半島はんとうだけでなく、インド太平洋たいへいよう地域ちいきの平和へいわと安定あんていの維持いじに関心かんしんを持もつ国々くにぐににとって懸念けねんすべきことだ。またウクライナへの支援しえんが重要じゅうようだと考かんがえる国々くにぐににとっても懸念けねんすべきことだ」と述のべました。

そして、バイデン政権せいけんは発足ほっそく当初とうしょからインド太平洋たいへいよう地域ちいきを重視じゅうししてきたとした上うえで「その取り組とりくみによって、われわれはいかなる脅威きょういや課題かだいにも対応たいおうできる状態じょうたいにあり、今後こんごもそうであると信しんじている」と強調きょうちょうしました。

またカービー補佐ほさ官かんは「今回こんかいの合意ごういはロシアが必死ひっしであることの表あらわれでもある。彼かれらはミサイルのために北朝鮮きたちょうせんに近ちかづいた。ロシアは世界せかいで孤立こりつし、北朝鮮きたちょうせんやイランのような国々くにぐにに頼たよらざるをえなくなっている」と指摘してきしました。

韓国かんこく外相がいしょう「国連こくれん安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かいの決議けつぎ違反いはんだ」

韓国かんこくのチョ・テヨル（趙ちょう兌烈れつ）外相がいしょうは20日にち、訪問ほうもん先さきのニューヨークの国連こくれん本部ほんぶで記者きしゃ団だんに対にたいし「北朝鮮きたちょうせんの軍事ぐんじ力りょくを強化きょうかするいかなる支援しえんも協力きょうりょくも国連こくれん安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かいの決議けつぎ違反いはんだ」と強調きょうちょうした上うえで、「国際こくさい社会しゃかいは一致いっち団結だんけつして世界せかいの平和へいわと安全あんぜんを損そこなう可能かのう性せいのあるあらゆる不法ふほう行為こういを非難ひなんし、これに対抗たいこうしなければならない」と呼よびかけました。

また、今後こんごの韓国かんこくとロシアの関係かんけいについては「ロシアがどう出でてくるかに応おうじて、われわれも必要ひつような対応たいおうをしていく。今後こんご、何なんらかの形かたちで対話たいわが行おこなわれるだろう。その過程かていを通をつうじてわれわれがどのような行動こうどうをとるか検討けんとうすることになる」と述のべ、ロシアの出方でかた次第しだいだと強調きょうちょうしました。